INTERVIEW
ーその深い愛と惹かれる理由ー

グッドウォーキン 上田歩武 × MFC STORE 近藤浩人 「スニーカー沼」にハマった男(たち)のスペシャル対談【後編】

セカンドストリート原宿店の地下に、7月26日〜8月4日まで出店された「2nd STREET POP-UP “NIKE ARCHIVE”」。大盛況の内に幕を下ろした同POP-UPショップのキックオフ前日には、その出店を記念したトークイベントが行われた。

抽選によって選ばれ、特別招待された幸運なカスタマー30名が、ゲストと共に約2000点に及ぶ〈NIKE ナイキ〉のアーカイブモデルたちに囲まれて、最高のひと時を過ごしたこの一夜。 前編では、そのイベントの様子をザックリとプレイバック。

さらに当日のゲスト、近藤浩人さん&グッドウォーキン 上田歩武さんによるスペシャル対談の冒頭部分をお届けした。

この後編では、その続きから。

右:近藤浩人(こんどう・ひろと)
1985年生まれ。東京都出身。2007年に株式会社テクストトレーディングに入社。スニーカーセレクトショップ〈CHAPTER チャプター〉のショップスタッフやプレスを経て、ディレクターに就任。現在は同社を退職し、2018年5月に自身がプロデュースするセレクトショップ〈MFC STORE エムエフシー・ストア〉を中目黒にオープン。スニーカーとファッションの橋渡しをするインフルエンサーの一人。Instagram:@hiroto_kondo

左:グッドウォーキン 上田歩武(ぐっどうぉーきん うえだ・あゆむ)
1980年生まれ。滋賀県出身。20歳で大阪NSCに入学(23期生)したのち、コンビ、ピン活動を経て、グッド良平と共にお笑いコンビ「グッドウォーキン」を結成。スニーカー同好会所属のスニーカー芸人としての顔の他に、刺繍芸人としての顔も持ち〈GOOD WALKIN グッドウォーキン〉の名で、刺繍キャップを製作したりセレクトショップとコラボをするなど、ファッションシーンでの活躍の場を広げている。Instagram:@uedaayumu

前編はこちら→

自分らしく楽しむのが、理想的なスニーカーとの関係性。

―では、そんなお二人のナイキ以外で最近のお気に入りってありますか?

近藤 僕はハイテク系よりもローテク系の方が好きなんですよ。このエア ジョーダン1以外はナイキもほとんど履かないし、履いても「CORTETZ コルテッツ」くらい。それ以外だと〈VANS ヴァンズ〉や〈CONVERSE コンバース〉はよく履いています。面倒くさがり屋でいちいちシューレースを結ぶのもイヤなので、ヴァンズなら「SLIP-ON スリッポン」、コンバースなら〈CONS コンズ〉の「ONE STAR CC SLIP ON ワンスター CC スリッポン」とか。

―履いていてラクというコンフォータブル性が大事ということですね。その流れでいうと、上田さんは〈HOKA ONEONE ホカ オネオネ〉の「BONDAI ボンダイ」シリーズとか履かれてますよね。

上田 そうですね。自分のファッションスタイル的にも好み的にも今っぽい感じじゃないからっていうのはありますね。その中で他にもお気に入りをあげるなら、〈adidas ORIGINALS アディダス オリジナルス〉の「SS 80S スーパースター 80S」の黒×白を白シューレースに変えたやつと〈CONVERSE ADDICT コンバース アディクト〉の「ONE STAR LOAFER ワンスター ローファー」。

近藤 イイですよね! 僕もLA出張中に発売されたので、帰国後すぐアディクトを販売しているショップに駆け込んだら、もう MYサイズが完売していて……(悔)。でもアレってめっちゃサイズがデカくないですか?

上田 ローファーやから「普通のモデルよりもサイズアップして履いた方がイイですよ」ってコンバースの担当者さんから聞いていて。じゃあってハーフインチ、サイズを上げてみたら、結構僕の足が甲高だったみたいで、ずっと足全体が締め付けられている感じ。格好いいし合わせやすくて履きやすいんですけど、ただ一点。サイズ選びを間違えました……(泣)。あとは「CHUCK TOGGLE HVS チャックトグル」も気に入って愛用しています。

―おっ、チャックトグルも大人気で即完売でしたよね。シブイ!

上田 僕、結構シブめのモデルが好きなんですよね。こういったスニーカーイベントや番組なんかに出演する際でも、私物紹介のコーナーとかあるじゃないですか? その時に他のスニーカー芸人さんたちが出したモデルに対しては、お客さんたちも「ワ〜!」って盛り上がって写真を撮ったりするんですけど、僕が出したモデルに対してはシ〜ンって(笑)。同世代やそれ以上のオジさんがちょっと喜んでくれる位ですよ、ホンマ。

自分らしいスニーカー選びをするためには。

―『アメトーーク!』のスニーカー芸人回に出演した際も〈SPRING COURT スプリングコート〉を紹介していましたね。

上田 そうですね。あとは最近買ったのが〈Bata バタ〉の「HOTSHOT ホットショット」! カート・コバーン(1990年代にグランジブームを牽引したロックバンド、ニルヴァーナのフロントマン)が履いていたローテクシューズの復刻版なんですけど、セールで6000円! ロックミュージックが好きという自分のバックボーンなどを踏まえた上でのセレクトと言えますかね。

—近藤さんもそういった、自身のバックボーンありきでのスニーカー選びってありますか?

近藤 今って「人気モデルが好き」っていう人がすごく多いように感じます。もちろん人気を得るだけの確固たる理由があるので否定はしませんが、僕が履いているのは自分自身のライフスタイルや経験・記憶に紐付いていて、思い入れのあるモデルばかり。年に3〜4回は、アメリカ・カリフォルニアを訪れるんですが、あちらに行くようになるとそれまで履いていなかったコルテッツが急に気になったりして。ストリートでも履いている人がすごく多くって、その影響ですね。ヴァンズなんかはまさにそう! やっぱりアメリカ西海岸での着用率ってハンパないんですよ。どちらも完全に土地に根付いているし、現地の空気感の中にいると、それが自分にも馴染んできて、履いているのが自然だと感じられるようなるんですよね。

—なるほど。近藤さん=エア ジョーダン1というのは、スニーカーファンなら誰もが知るところですが、そちらにもバックボーンが?

近藤 オリジナルが発売された1985年って僕自身のバースデーイヤーでもあるんです。なので、同い歳の親近感というか。昔はバスケ部じゃない自分が履くのはダメだって思っていたんですけど…。

—それ、悩み所ですよね。ロックTなんかもそうですけど、ウルサイ人たちに言われるじゃないですか。「デザインで選ぶなんて論外! ちゃんと音を好きで着ているんじゃないなら認めない」みたいな。

近藤 あります! ただ。ひと昔前の世代にとってはむしろマジョリティな感覚でしたよね。僕も大学生の頃に〈NIKE SB ナイキSB〉を履きたいからって、スケボーを始めましたもん(笑)。

上田 へ〜! 別に順番が逆でもエエやん! って思いますけどね。バッシュが好きになったからバスケを始めるとか。ヴァンズを履くようになって、興味が出てきたからスケボーを始めるとか。それだって自然な流れの気がするし。

近藤 スニーカーとの関係性の構築という点では自然ですよね。まぁ、漫然とプレミアモデルを追っかけるのではなく、何かしら自分自身と繋がりのあるモデルを選ぶ方が、履いていても馴染む気がするし、なんか楽しいじゃん! ってくらいで。

—何かしら自分自身と繋がりのあるモデルといえば、上田さんは「エア プレストと同期」という強力なパンチラインを『アメトーーク!』で披露していましたね。

上田 あははは(笑)。正直、同じ2000年デビューということ以外は全く思い入れもないですけどね。やっぱりスニーカー芸人として、既に名の知られているあのメンバー達に混じって自分が戦うには、どうするべきか? そう考えた時に、知識と情熱を武器にするしかない! という結論が出たんです。あの自己紹介も、現場ではスベっていましたが。結果的にこうやって反応してくれるスニーカーファンの方も多かったので、一発かまして良かったなぁって(笑)。

—アレで一気にその名が知られましたもんね。ところで、こうやってセカンドストリートが行うPOP-UPイベントに対して、お二人はどう感じますか?

リユースショップでのイベントだからこそ、再発見できるモノの本当の価値。

上田 僕はメチャクチャ良いことだと思います! なんでかっていうと、リユースショップという場所では、色んな人の手を渡ったアイテムが、売って・買ってされるワケじゃないですか。でも、大体のお店は雑多に商品が溢れているだけで、そのモノの本当の価値や魅力が伝わってこない。そこでこういったテーマに沿ったイベントが行われることで「こんなのあったんだ!」っていう再発見に繋がるし、今回のようにウェアも一緒にフロアに並べることで、“どう履くか”という目線でスニーカーを選び出すことが可能に。理想的ですよね! そもそも普通にこの空間がイイんですよ。風呂に浸かっているような、何とも言えない居心地の良さを感じますし♪

近藤 僕自身がリユースに関しては賛成派。もし自分が着ない・履かないなら、それを求めている誰かの手に渡った方が、“モノ”自体が、一つの道具として幸せなんじゃないかなって思いますしね。あと何よりこれだけのボリュームとクオリティを揃えられるのは、同じくショップをやっている人間として単純にスゴイ! って感じますよ。以前、〈Supreme シュプリーム〉ポップアップイベントを行っていた際にも感じたことですが、バイヤーさんの確かな審美眼と知識量、そして血の滲むような努力が感じられますよね。

上田 しかも定番モデルからプレミアが付いている人気モデル、さらに歴史的なアーカイブモデルまで揃っているから、実物を手にとって歴史を肌で感じることが出来るじゃないですか? 新たな良さの再発見もあったりして。

—ということで、その潤沢なアーカイブコレクションが並ぶ店内を、お二人にはお客様に先駆けてチェックしていただきまして、この中から欲しい1足をピックアップしていただきます!

上田・近藤 お〜!

近藤 ソレ、先行で買っちゃってもイイんですか?

上田 ダメなら、せめてキープだけさせてください!

—ソコはお客さんも条件は同じということで、お二人ともすみません(汗)! では、それぞれピックしたモデルとその理由を教えてください。

近藤 僕はコレです!

—いまやプレミアムシリーズの代表格となっている〈Off-White™ オフホワイト〉×〈NIKE ナイキ〉の「THE TEN ザ・テン」コレクションから「AIR MAX 90 “BLACK” エア・マックス90 ブラック」ですね。

近藤 まず、僕の中で“白いスニーカーは履かない”というMYルールがあって。もちろんアイテムとして格好いいし、欲しいなぁとは思うんですけど“なんか自分じゃない気がする”んんですよ。コレはその点、黒アッパーに白スウッシュ。しかもエア マックス・シリーズの中でも殿堂入りモデルとさえ言える90がベースモデルで合わせやすくもある! もちろん欲しかったんですが当然買うことが叶わず……。なので、ここで出会えたのも何かの縁ってことで……ねっ、ダメですか!?

—ダメですって(笑)! 上田さんはどのモデルをピックしました?

上田 僕が選んだのはコレ! ナイキ SB の「AIR JORDAN 1 LANCE MOUNTAIN エア ジョーダン1 ランス・マウンテン」。

—ナイキSBとジョーダンブランドのコラボでは第2弾に当たるモデルですね。なぜコチラを選ばれたんですか?

上田 リリース当時(2014 年)、メチャ欲しかったんですよ。その頃はまだピザハットでバイトしていた頃、国内では6月7日に発売だったんですけど〈arktz アークティーズ〉のオンラインショップでは6月9日の00時に販売されるってアナウンスされていたんですね。ちょうど日付けが変わった瞬間に販売スタートってことで、21時のバイト終わりでそのままネットカフェに入って、00時まで瞬きもせずズ〜ッとボ〜ッと時間を過ごして(笑)。で、23時59分にサイトに飛んでスタンバっていたんですけど案の定、00時になってもページが更新されず……。でやっとのことで更新されたと思ったら、すでに完売(泣)。
メッチャ悔しかったので。今日ここで出会ったのはもう運命ちゃうかなぁ〜って。あと黒のペイントがダメージで削れたら、その下からブレッドとロイヤルが顔を出すっていう発想も画期的だったじゃないですか!? 古着が好きな僕にとって、ダメージやエイジングで変化していく過程を楽しめるっていうのも、たまらんなぁって。

—しかも、ここまでベースカラーが顔を覗かせている状態で見付かるっていうのも珍しいですしね。

上田 そうなんですよ! ソコはそれこそ、リユースショップだからこその楽しみ方というか。当時手に入れることが叶わず、普通にエア ジョーダン1のロイヤルとブレッドをネガティブ履き(左右でカラー違いを履くことを指す)していた自分自身に贈ってあげたいですね!

スニーカーは最高のコミュニケーションツール。

―では、最後にはお聞きします。なぜお二人は、こんなにもスニーカーという存在に惹かれるのでしょうか?

近藤 スニーカーって履くだけのモノじゃないじゃないですか。例えば、僕と上田さんだって年齢も育ってきた環境も、職業も違うし、普通だったら一生交わらずに生きていたと思うんです。でも、そんな2人がスニーカーという共通点で繋がることで、こうやって新たな関係性も生まれるし、僕自身の今の仕事にも密接に繋がっている。足元のハナシではありますが、スニーカーという存在に頭が上がらない! というのが正直なところですね(笑)。

上田 足向けては寝れないみたいな(笑)。僕も基本的に近藤さんと同じ。スニーカーはコミュニケーションツールとしてもすごく優れていると思っていて。例えばお互いの好きな映画の話をするにしても、「好きな映画は何ですか?」って聞いた上で、相手が答えてくれないと分からないじゃないですか? でも、スニーカーって天気の話題と一緒で、誰しもが見た瞬間にコミュニケーションが取れるんですよね。そこはすごく素晴らしいなって。そもそもスニーカーやファッションが好きじゃなかったら、このイベントにだって呼ばれてませんからね!

—この最高のコミュニケーションツールを、『knowbrand magazine』の読者にはこれからどう楽しんでもらいたいですか?

上田 スニーカー好きという人たちの中には、知識量やどんだけレアモデルを持っているかなど、いかにマウントを取るかって人もいてるんですけど、皆さんもっと柔軟に、スニーカーを愛する者同士楽しくやっていきましょ! というのが僕の想い。そうなっていくとイイなぁって思っています。

—自分の価値観を広げてくれたり、色んな世界にコネクトしていく入り口となる存在がスニーカー。もっと自由に、自分なりの視点で楽しんでほしいですよね。今回のイベントをキッカケにスニーカー好きが増えたら嬉しいです。ありがとうございました!

以上、POP-UP“NIKE ARCHIVE”開催記念トークイベントのリポートと、参加ゲストの二人によるスペシャル対談をご覧いただいたワケだが、いかがだったろうか?

600を超す全国の店舗から選抜したアイテムが、一堂に会するPOP-UP“NIKE ARCHIVE”。それはスニーカーシーンのトップランナーが歩んできた軌跡を、シリーズアーカイブと共に紐解いていく絶好のチャンス。第1弾となる(東京)原宿店での開催は残念ながら終了してしまったが、第2弾が8月16日(金)から8月25日(日)まで(福岡)福岡天神店で開催中。

さらに9月6日(金)〜9月16日(月)には、第3弾として(北海道)狸小路3丁目店での開催も決定

全国のスニーカーアディクト諸君、まだまだセカンドストリートから目を離さないよう、ご注視いただきたい!

前編はこちら

 

Text TOMMY
Photo Nobuyuki Kawai

POP-UP INFO
掲載商品は、代表的な商品例です。入れ違いにより販売が終了している場合があります。
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