INTERVIEW

“中目黒が「ストリート一色に染まる」10日間”を語るクロストーク【前編】

今、読者諸君が読んでいる『knowbrand magazine』の世界観をリアルな空間で具現化し、表現・発信することで、より多くの方々に“モノの価値を知る楽しみ・価値あるモノを発見する喜びを体験・体感して頂く”べく、これまでにも数多く企画されてきたPOP-UP ショップ・シリーズ。

2019年のラストとしてセカンドストリートが新たに挑むのは、これまでになかったセレクトショップとのコラボレーション企画。外部店舗での開催は今回が初となる。本日12月20日(金)〜12月29日(日)の10日間限定、POP-UPショップ「2nd STREET POP-UP in MFC STORE」。その中身に迫る。

セカンドストリートが中目黒に創り出す
期間限定のMy Favorite Closet。

今回『knowbrand magazine』では、その舞台となる中目黒の気鋭セレクトショップ「MFC STORE エムエフシー・ストア」のディレクションを務めるSNS世代のファッション インフルエンサー、7.5万人以上のフォロワーたちからの熱い視線を集め続けるBBさんが登場。ストリートの“今”を知る男と、セカンドストリートにおいて長らくバイイングも務めてきた、ストアディレクターの井澤拓也による対談を敢行。

【前・後編】に分けてお届けする本記事。今回はその【前編】として、あまり知られることのないファッション インフルエンサーの日常から、エムエフシー・ストアとセカンドストリート、お互いから見たショップの印象と魅力などを、自由に語ってもらった。

右:BB(ビビ)
1987年生まれ。大阪府出身。高校卒業後、デザインを独学で学びアパレルデザイン勤務を経て2017年〈EXAMPLE エグザンプル〉を立ち上げ。2018年に「MFC STORE エムエフシー・ストア」をオープン。現在は、エムエフシー・ストア ディレクター、エグザンプル プロデューサーを兼任。 Instagram:@bb_lion625

左:井澤 拓也(いざわたくや)
1986年生まれ。新潟県出身。学生時代セカンドストリートでのアルバイトを経て、社員として入社。その後、店長・エリアマネージャーを歴任後、商材のスペシャリストであるストアディレクターに就任。特にストリート、デザイナーズブランドへの造詣が深い。過去2回開催された2nd STREET POP-UPのプランニング、ディレクションも担当。

MFC STORE
2018 年に自分たちの好きなものを展開・提案するショップとして東京・中目黒にオープン。2019 年には同、中目黒に初の路面店を増床。国内外の人気ブランドの正規取り扱い、海外買い付けのインポート商品やスニーカー、スーベニアのオリジナルアパレルを展開するセレクトショップ。
公式サイト:https://mfcstore.official.ec/
Twitter:@mfc_store  Insragram:@mfc_store

2nd STREET POP-UP in MFC STORE
期間:2019年12月20日(金)〜12月29日(日)
場所:MFC STORE
時間:12:00〜20:00
住所:東京都目黒区東山1-3-3 アルス中目黒201

MFCとは、“My Favorite Closet”の略なんですよね。

— 今年8月に開催された「2nd STREET POP-UP “NIKE ARCHIVE”」では、「MFC STORE エムエフシー・ストア」プロデューサーの近藤さんにご出演頂きましたが、BBさんは『knowbrand magazine』も初登場です。
(→関連する記事は、こちら

BB よろしくお願いします!

井澤 ストリート界隈ではその名が知られている一方で、実際は普段、どういったことをされているか知らない方も多いのでは?と思うのですが。

BB じゃあ、そこから話しちゃいましょうか。まず起床は朝8時。朝食を食べて、自分のアカウントからInstagramの投稿をアップする準備を9時半くらいにします。ちなみにアップするのは毎日10時と18時。ここから僕の1日がスタート。その後、事務所に出勤するのが10時半。そこでは、自分がディレクションしているアパレルブランド〈EXAMPLE エグザンプル〉の企画を考えるというのが主。
あとはコラボなどの商談だったりが19時くらいまであって、その後に時間があればアイテムやルックの撮影。で、その合間にエムエフシー・ストアの手伝いをしたり、「SOSHI-Net ソウシ ネット」というYouTubeチャンネルの企画をサポートしたり、普段はこんな感じですかね。あとは知人・友人から招待されたイベントなどに顔を出したりと、基本は一般的なアパレル・ディレクターの方々と変わらない日々を送っています。

Instagram:@bb_lion625より

—で、そこから帰宅してプライベートタイムですか?

BB 23時くらいに帰宅して、エグザンプルの次のシーズンのデザインを考えたりして寝るのは朝4時。僕はショートスリーパーなので、それ位で十分なんですよね。

井澤 めちゃくちゃ多忙ですね!BBさんにはPOP-UP“NIKE ARCHIVE”も見て頂いていますが、そこで感じたセカンドストリートの印象ってどうでした?

BB 僕自身は古着とサラ(新品)物のどちらもフラットな目線で見てきたし、接してきたというのがまずあって。なので、セカンドストリートさんを含めたリユースストアにもよく足を運びます。「そういえば、こんなんあったわ!」って過去の思い出を堀り起こしてくれたり、逆に「こんなん。あったんや!」っていう新たな発見にも出会えたりして、新品のみを取り扱うショップには無い良さがあると思っていますし、実際楽しませてもらっています。

井澤 ありがとうございます! POP-UP“NIKE ARCHIVE”なんて、まさにおっしゃる通りのそれでしたね。

BB そうですね。僕もかなり楽しませてもらいました! 今って90年代のモノもヴィンテージって呼ばれる時代じゃないですか? 2000年代初期にリリースされたアイテムなんかも普通に並んでたりするし、僕らが10代〜20代の頃に通っていた古着屋と違って、新時代の古着を見ている感じというか。そもそもあの頃は80年代のアイテムがレギュラー古着と言われていたし、そこから20年とか経ったら種類も量もが増えて当然。その分、当時は追いきれてなかったモノだって沢山あって、そういったモノが並ぶ店内を端から端までチェックすることで、発見できることも多いし、より楽しめるんじゃないかなと。

井澤 BBさんはストリートに精通しているという印象が強いのですが、セカンドストリートではフロアのどの辺りをチェックされるんですか?

BB もちろん僕自身ストリートが基本にありますが、10代の頃にいわゆる古着屋で働いていた経験もあるし、そこで得た知識が今も残っているので、アメカジやヴィンテージのコーナーもよく覗きますよ。

井澤 そちらへのご意見もぜひ聞かせてください(笑)。ちなみにセカンドストリートが、他のリユースストアよりも強いと感じる部分ってありますか?

BB 以前のインタビューで近藤も言っていたと思いますが、まずバイヤーさんが有能すぎる!POP-UP“NIKE ARCHIVE”なんて、企画として大当たり過ぎじゃないすか!?あれを実現させたというのはもちろん、物量とクオリティ、そしてコンディションの良さも含めて、多分あんだけのモノを揃えられるショップは、まず無いんちゃうかなって。正直チートっすよ(笑)。

2019年7月26日〜8月4日の10日間、セカンドストリート原宿店で開催された「2nd STREET POP-UP “NIKE ARCHIVE”」

井澤 いやぁ〜、でも正直キツかったです(苦笑)。〈NIKE ナイキ〉のスニーカーのアーカイブを集めるという、自分らの得意とするジャンルだったしお客様には大変喜んで頂けましたが、そこに関わる人間も多い中で「どれだけ円滑にイベントを進められるか?」を考えながら、数万点以上ある中から「本当にお客様が求めているのは何か?」を読み取ってアイテムをセレクトする。この2つを同時に進めるのが大変でしたね。

—アイテムは日本全国のセカンドストリートから集めたんでしたよね。

井澤 皆さん、アレって全国の店舗に「○○○を集めてください」という指示を出して集めたと思われているようですが、実は違うんです。僕も自分自身の目で見たいタイプなので、まずは全店のナイキの在庫データすべてに目を通して、登録されている型番から実際のアイテム画像を照会、さらにサイズやコンディションも確認し、良さそうなものを厳選してから、在庫を保有している各店舗に取寄の要請をかけます。そして後日、今度は到着した膨大な数のアイテムひとつひとつを肉眼で確認するという実に地道な作業なんです。まずセレクトを終えるまでに3日間かかりました(苦笑)。

「2nd STREET POP-UP “NIKE ARCHIVE”」は福岡と北海道でも開催され大盛況のうちに幕を閉じた。

—その苦労があった分だけ、素晴らしいイベントでした。さて、ここらで今回のPOP-UPの舞台となるエムエフシー・ストアがどういったお店なのか。BBさんから改めて教えていただけますか?

BB  そもそもMFCとは“My Favorite Closet”の略なんですよね。僕と近藤、その2人の大きなクローゼットというイメージで、お互いがイイな・欲しいなと思ったモノを集めたセレクトショップです。セレクトするアイテムの基準は“お客さんに提供したいと、どちらかが提案したモノ”。そこに合致すればもう1人も無条件で頷くというルールを決めて、国内外のアパレルブランドを中心に取り扱っています。

—エムエフシー・ストアに対して井澤さんは、どのような印象をお持ちでしたか?

井澤 他のセレクトショップと一番違うのは、嗅覚の鋭さというか先見性。僕もショップに立ったりバイイングも担当していたので、それなりに詳しいハズなんですけど、それでも「このブランドなに?」っていう、見たこと・聞いたことのないブランドや海外限定のアイテムがどこよりも早く置いてあるっていうのは、とても面白いですし大きな強みですよね。今後もお二人の好きなモノが増えていくって考えると、チェックする楽しみも尽きません。

—現在進行形で取り扱いブランドは増えているんですよね。

BB 確かに取り扱い数は増えています。これまで取り扱っていなかったブランドも「今だったらハマるんじゃないか?」というタイミングを見極めながら、最終的に“お客様に楽しんでもらえるショップ”になるよう、そこは臨機応変に対応しつつ。

井澤 エムエフシー・ストアさんって、新作や別注アイテムが発売される際に、毎回並びが発生しているじゃないですか?

BB そうですね、ありがたいことに。

井澤 それは実際、常連ファンの方が多いんですか?

BB ずっとオープン時から好きで並び続けている方もいらっしゃいます。あとウチの場合、オンラインと在庫を分けているんですが、やっぱり遠方の方でも気軽に購入出来る分、競争率は高め。なので、そちらが完売したら実店舗で購入するしかないということもあって、絶対にゲットしたいというお客様の多くが発売日に並んでくれています。

井澤 ファッションに対しての情熱をすごく感じますね。

BB コラボアイテムなんかだと並びの先頭が朝6〜7時からですし、そのまま夕方過ぎまで並びが途切れないといった感じで、ただただ「本当にありがとうございます!」と。

MFC STORE

BB氏がプロデューサーを務める〈EXAMPLE〉をはじめ国内外の人気ブランドがセレクトされている。

BBさんとは? エムエフシー・ストアとは? といった挨拶代わりのジャブから入りつつ、徐々に広がり深まっていくトークの深度。【後編】では、今回の核心に当たる「2nd STREET POP-UP in MFC STORE」の内容に迫っていく。

【後編】に続く

Text TOMMY
Photo Kohei Okuda

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