FASHION

縮絨、再構成、パッチワーク…COMME des GARÇONSの代表的ディテールから、魅力に迫る。

1973年に設立され、1981年から現在に至るまでパリコレクションに参加し続けるCOMME des GARÇONS。

ファッション好きなら知らない人はいないであろう、日本が世界に誇るブランドだが、その名は知っていても同ブランドを手にしたことはない、という人も多いのではないだろうか。もしくはPVCトートやロゴ入りのコーチジャケット、COMME des GARÇONS PLAYなどの話題性の高いアイテムなら持っている、という人もいるかもしれない。

その理由としては、「モード性が強く、着こなしが難しそう」という同ブランドの持つイメージが大きいのではないだろうか。もちろんレディースラインのCOMME des GARÇONSや、COMME des GARÇONS HOMME PLUSのアイテムにはかなり個性的なアイテムも多いことは否定できないが、その一方でデイリーに使えて機能性が高いアイテムも多く存在するのだ。

今回は、再構成/縮絨/パッチワーク/イラストレーションという、COMME des GARÇONSを代表する手法を紐解くことで、これまで同ブランドに触れることが少なかった方々にも伝わるよう、その魅力を解説して行きたいと思う。

ベーシックウェアを
「再構成」するというクリエイション。

それまでモードかつヨーロピアンな印象が強かったCOMME des GARÇONSの転換期となったのが、2002年のJUNYA WATANABE COMME des GARÇONS MANのデビューだったように思う。

同ブランドがアメリカンワークウェアの要素を取り入れながら大胆に再構成を行うことで、モード好き以外の男性にもファン層を広げることに成功し、COMME des GARÇONS全ラインへの刺激にもなったのではないだろうか。

そんな同ブランドでまず紹介したいのは、ウールメルトンのジャケットとスタジャンを大胆にドッキングさせたブルゾン。ブレザーを意識した大きめのラペルや丸みを帯びたフロントカットなど、ボディ部分はジャケットをベースとしながら、スタジャンの大きな特徴であるレザーで補強したポケットも加え、さらにウエスト部分を切り替えることで変化をつけている。

Levi’sとのダブルネームのカバーオールは意外にもタイトなシルエットになっており、是非デニムとのセットアップで着用してほしいアイテム。色鮮やかなステッチ、使い込むほどに味の出るレザーのポケット、チェックで切り替えられたアーム部分など、一見ベーシックにでありながら随所に同ブランドならではのこだわりが感じられる。

ツイードやデニムの裏地などで大胆に補強されたデニムパンツも興味深い一品だ。ウエストのアジャスターベルトやサイドのボタン、あえてフロントに取り付けられたコインポケットなど、気になる部分を挙げていくときりがないほど。もちろんディテールだけでなく、同ブランドのデニムはどれも着用した時のシルエットも秀逸なので、ぜひ機会があれば試着だけでもしてみてほしいと思う。

今回紹介したアイテムに限らず、JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS MANの魅力の一つに、古着への造形の深さを感じさせるディテールがある。トリプルステッチに猫目ボタンやドーナツボタン、エルボーパッチ……興味の湧いてきた方は、是非店頭で同ブランドを手にとってみてほしい。

独特の風合いがファンを魅了する
「縮絨」と「ポリ縮絨」。

縮絨とは洗いをかけた後に乾燥することで生地を圧縮させる手法のこと。この手法を生地に施すことで、写真のJUNYA WATANABE COMME des GARÇONS MANのようにヴィンテージ感のある風合いに仕上がる。この他、製品洗いすることで独特の歪みを生じさせたウールジャケットやコートなどもCOMME des GARÇONS HOMME PLUSの秋冬物には多く見られる、ファンには人気のアイテムだ。

ポリ縮絨とは、ポリエステルに加工を加えた、独特のシワやツヤ感が特徴生地を使用したアイテム。程よくモード感がありながら、デニムや白シャツなどベーシックなアイテムとも相性抜群で、非常に使い勝手のいい素材。製品に施された加工のおかげでシワなどが気にならないため、旅行の際などにも非常に重宝するはずだ。

ポリ縮絨のアイテムには、この飴色のボタンがつけられることが多い。よく見るとこのボタン自体も変形したような形をしているが、これは加工によるものではなく、このような形に成形したもの。

これらの縮絨・ポリ縮絨のアイテムは、ファンからも人気が高く、多くのシーズンでリリースされているアイテム。多少のマイナーチェンジはあるものの、素材感やボタンのデザインはさほど変わらずにデザイン違いでリリースされることもあり、異なるシーズンのジャケット&パンツをセットアップとして着用してみるのもいいのでは。

遊び心が全開になった
「パッチワーク」。

ストライプシャツに外しかけのネクタイが縫い付けられたような、だまし絵風のデザインが特徴的なのは、COMME des GARÇONS HOMME PLUSのシャツ。さらに胸部分にはチェックのパイピングが施されたポケットが重ね付けされており、ギャルソンらしい一筋縄ではいかない一枚。ジャケットを使ったドレスアップスタイルに取り入れて、Vゾーンから遊び心のあるディテールを見え隠れさせるのも面白い。

さらにパッチワークのアイテムを毎シーズンリリースしているのが、COMME des GARÇONS SHIRTS。写真のシャツはさまざまなブルー系のストライプが巧みに組み合わせられた一枚。一見派手に見えるが、襟や袖、そして背面はごくシンプルに仕上げられており、そのシルエットも普遍的なもの。デニムなどのベーシックなアイテムと合わせてもバランスが取りやすく、思った以上に着こなしやすい。

アーティストの発掘にも貢献する
「イラストレーション」。

COMME des GARÇONS HOMME PLUSのTシャツは、イタリアのシュールレアリズム画家、ピエロ・フォルナセッテイの作品を借用したと思われるアイテム。こちらはあえて縦に2つ配置することで生じる違和感が面白いアイテムだ。

モンスターがユーモラスなタッチで描かれているのは、COMME des GARÇONS SHIRTSのTシャツ。鮮やかな赤と青、そして力強い線で描かれたイラストを上下に配置することで、余白が際立つ一枚だ。

淡い色合いでありながら力強さも感じさせるこちらのシャツは、気鋭の若手芸術家、安野谷昌穂の作品を起用したもの。あえて総柄にせず白シャツと切り替えていることで、イラストの持つ独特の世界観とシャツの清潔感の両方が際立っている。

余談ではあるが、2016-17のA/Wシーズンで同ブランドとコラボレーションして以降、安野谷昌穂は世界からも注目されるアーティストへと成長を遂げている。このように、若手のアーティストを発掘・起用していくところも、COMME des GARÇONSの魅力の一つではないだろうかと思う。

今回はCOMME des GARÇONSの代表的なディテールや技法を見て行くことで、その魅力を説明してきたわけだが、モードなだけでなく、デイリーにもコーデしやすいアイテムも多く存在するということがお分かりいただけただろうか。その中でも自身のスタイルにマッチしたものや、好みのラインなどがあったなら、是非一度COMME des GARÇONSのコーナーをのぞいてみてほしい。

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