FASHION
Patagonia spirits & philosophy

環境保護の精神と独自の経営哲学を持つパタゴニア社が生み出したプロダクト。

その高い機能性でコアなアウトドア好きを魅了するとともに、鮮やかな色とファッション性の高さからおしゃれな人々の間でも人気のブランド、パタゴニア。

今回は世界中に多くのファンを持つ同社の企業理念や、環境を第一に考えた素材などを紹介するとともに、同社の代表作ともいえるレトロXカーディガンや、生産終了となった今も人気が上昇しているダスパーカダウンジャケットをピックアップしたいと思う。

独自の哲学を持つ創業者の、環境に対する思い。

パタゴニアの創設者は、イヴォン・シュイナード。

「社員をサーフィンに行かせよう」という、社員との信頼関係を大切にする独自の経営論を語った著書でも知られる彼は、現役のクライマーにしてサーファーでもある。

1953年、シュイナードは若干14歳にして登山に魅せられ、18歳の頃には独学で製造したピトンやカラビナなどのクライミングギアの販売を始める。ほどなくその高い機能性が仲間たちの間で話題となり、1970年ごろにはアメリカ最大のサプライヤーへと成長することとなる。

しかしクライミング人気が高まるにつれ、岩がどんどん無残な姿となっていくことを目にし、1972年には岩を傷つけるクライミングギアの製造・販売をストップ。その後は、クリーンクライミングという岩を傷つけない手法のクライミングを提唱したという。

この時の彼の思いは現在まで引き継がれており、環境保護の意識が希薄だった80年代からカタログに再生紙の使用を続けているのに加え、現在ではペットボトルや中古衣料などをリサイクルした原料を同社の製品に使用しているという。

シュイナードは岩を傷つけるギアの生産を終了するのと時を同じくして、イギリスからカラフルな色で丈夫な素材のラグビーシャツを輸入し、クライミングウェアとして販売を始める。その機能性の高さと美しいカラーリングはまたしても評判を呼び、1973年、イヴォンはパタゴニアというブランド名でアウトドア用品の輸入・製造を始めることとなる。

フリースの原型であるシンチラ素材を開発。

そのころはまだクライミングのための専用ウェアは存在せず、クライマーたちはラグビーシャツやウールのセーター、コットンの肌着などを重ね着して雪山に出ていたという。

そこで理想のクライミングウェアを求めて試行錯誤したのち、汗を吸収しにくく、保温・速乾性に優れた素材としてパタゴニアが注目したのが化繊パイルだった。

パタゴニアはモルデン・ミルズ社と共同でパイル生地の研究を行い、1984年、柔らかで毛玉のできにくいシンチラ素材の開発に成功することになる。

最新技術とレトロなルックス、レトロXカーディガン。

そこで紹介したいのが、このシンチラの技術を生かして作られたレトロXカーディガン。

人気の旧型であるクラシックレトロカーディガンのルックスを活かしたまま、機能性をプラスしたレトロX。ファッション好きなら知らない人はいない、アウトドアアパレルを代表するアイテムであるとともに、リサイクルした素材を使用することにより、環境に配慮した製品でもある。

クラシックレトロカーディガンとレトロXは、一見かなり似ているものの、クラシックレトロカーディガンは毛足13mm、レトロXは毛足8mmのシンチラ素材を使用しており、さらにクラシックレトロカーディガンはフロントカットが丸みを帯びているなどの違いがある。

さらにレトロXは、表地とメッシュ裏地の間に風を防ぎながら湿気だけを逃す、P.E.F.バリヤーを挟み込んでいるため、汗をかいても蒸れないつくりになっているのだ。

ちなみに、レトロXの内タグには4桁の記号が書かれており「FA02」の場合は「FALL 2002」、つまり2002年の秋というように、製造年がわかるということも豆知識として記しておく。

今後さらにプレミア化が予想される、ダスパーカ。

そしてもう一つ紹介したいのが、空気を閉じ込める=Dead Air Spaceの頭文字から名付けられた、パタゴニアの中でも高い保温性を誇るダスパーカ。1992年から2016年まで25年間製造され、人気が高いモデルだったものの、現在は生産中止になっていることから、中古市場でも現在注目を集めているモデルだ。

美しいカラーも特徴で、左からポップオレンジ、バターナッツ、ゲッコーグリーンという名称がつけられている。

このダスパーカ、年ごとにリリースされる色が違い、特に初期のものはプレミアムがついているという点でもコレクター心をくすぐられる。その中でも最も希少なものは1992年リリースのプライトパープルと言われ、フードが取り外し可能なこのモデルが市場に出回ることはほとんどないという。

ディテールの違いでも時代を判別することができる。ポケットのジッパーを閉めた時にスライダーが下に来るものが2001年以前のモデル。ポケットの位置も低く、袖口にパイピングが施されている。

もちろん見た目だけでなく、素材にもパタゴニアのこだわりは詰まっている。

リップストップの生地にポリウレタン・コーティングとDWR加工を施した、耐水性と防風性に優れた軽量で丈夫な素材が用いられているとともに、立体的なシルエットで、フロントのジッパーを高い位置まで閉めてフードを被っても動きやすく、外気をシャットダウンすることにより防寒性を高めることができる。

中綿には化繊を使ったダウンが使われているのも大きな特徴。一般的にはダウンは羽毛が良いとされているが、実は日本のような湿気の多い地域では、羽毛のダウンは湿気を含んでしまうことが多くある。ダスパーカは湿気に強い化繊を使っているため軽量で乾きやすく、タウンユースはもちろん、過酷な環境の雪山でもその機能性を発揮するのだ。

今後さらなるプレミア化が予想されるため、お気に入りの一枚に出会ったら、ぜひ手に入れておきたい。

ユーズドウェアの購入も推奨するという、
パタゴニア社の環境に対する思い。

このように、地球環境保護の観点からリサイクルした素材を用いながら、色鮮やかで機能的なアウトドアウェアを作り続けているパタゴニア社。同社はWORN WEAR®というwebサイトを運営し、ユーズドのパタゴニアを購入したり、修理して使い続けることも推奨しているという。

気になった方は、同社の製品をぜひ店頭で手に取って見てほしい。

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