フライトジャケット

フライトジャケット
HISTORY

過酷なコクピット内でも、機能性を発揮する。

フライトジャケットとは、主に戦闘機に搭乗するパイロットのために作られたジャケットと、その影響を受けて作られたファッションアイテムの総称。

ここでは、その中でも高い機能性で人気の米軍のフライトジャケットの歴史を紹介する。

1927年にライトゾーン(気温10~30℃)向けのフライトジャケットしてリリースされたのが、「A-1」ジャケット。スタンドカラー、袖口や裾に施されたリブなどが特徴であり、夏季でも気温が低いことの多い上空に対応するため、ボディは薄手のレザーで作られている。1931年にはその後継となるA-2モデルがリリース。スタンダードカラーとなるとともに、前身頃がジッパーに変更された。

インターミディエイトゾーン(気温-10~10℃)向けのフライトジャケットとして米軍が1920年代に開発したのが、「B-1」ジャケット。その後1934年に登場した「B-3」は、シープスキンのボディにボアが内張りされるとともに、2本のチンストラップで温度調節することが可能となり、ヘビーゾーン(気温-30~-10℃)に対応できるようになる。その後このB-3を原型として、軽量化を図った「B-6」やコットンやパイルで簡素化された「B-10」、そしてナイロン製の「B-15」と、冬季用のフライトジャケットは進化してゆく。

1945年、吹きざらしだったコクピット内が密閉化し空調が整ったことを機に、ライトゾーン(気温10~30℃)向けとして生まれたのが、A-2の後継とされるL-2ジャケット。薄手のレザーに変わり、当時の最新素材・ナイロンを使ったボディで軽量化を実現するとともに、首まわりや裾などにリブを施すことで動きやすさと防寒性を両立。通信ケーブルや酸素マスクのホースを固定するためのレザータブが胸元に施され、左腕にポケットが付けられるなど、機能性も向上させている。

そしてこのL-2のボディをベースに中綿を施し、それまでB-15が使われてきたインターミディエイトゾーン(気温-10~10℃)に対応するようディテールチェンジを加えて1950年に生まれたのが、傑作「MA-1」。機内での動きを妨げないコンパクトなショート丈でありながら防寒性にも優れていると同時に、遭難時に発見されやすいようインディアン・オレンジと呼ばれる蛍光色が採用されているのも大きな特徴。1976年に後継モデルのCWU-45/Pが生まれるまでの四半世紀に渡って採用され続けてきたという。

さらに先述のL-2が生まれた1945年、ヘビーゾーン(気温-30~-10℃)向けのジャケットもまた「N-2」「N-3」としてナイロンのボディとなり、大きなリニューアルを遂げている。

ともに大型のフードと二重の前立ては共通しているが、ショート丈の「N-2」はジップによりフードがセパレートできるようになっており、ヘルメット着用時の可動性が高いということもあって、後継モデルの「N-2A」「N-2B」も含めパイロット達に愛用されていたという。

セミロング丈の「N-3」は、腰を覆う着丈で極限の寒さでも高い保温性を確保することができるため、パイロットよりも屋外での活動を行うクルー達に好まれていたという。後継モデルである「N-3A」を経て1953年に作られた「N-3B」は、その機能性の高さからファッション界にも強い影響を与えている。

ここでは時代を追ってフライトジャケットの系譜を語ってきたが、適応ゾーンごとの考察も「Military wear Vol.01「適応ゾーン」を軸に理解する。フライトジャケットの系譜。」としてまとめられているので、ぜひ併せてチェックしてみてほしい。

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