CHROME HEARTS

クロムハーツ
HISTORY

孤高の銀、反骨の系譜。
1988 | LOSANGELS,USA | Richard Stark

時代という大きなうねりに抗い、己の道を切り拓く者たち。メインストリームに背を向け、純粋な創造への渇望と信念のみを羅針盤とする魂。ファッションの世界で、〈CHROME HEARTS クロムハーツ〉ほど、その孤高の精神を体現するブランドはない。それは単なるアクセサリーではなく、所有者の生き様と共鳴する、銀の雄叫びそのものである。

クロムハーツの歴史は1988年、リチャード・スタークという男の情熱から始まる。レザー製品のセールスマンとして、愛車のハーレーダビットソンに跨がり、全米中を走り回っていた彼は、既存の概念を超えるレザーウェアを探し求めていた。しかし、彼の審美眼に適うものはマーケットに存在しない。そこで同業者で同じくバイカーでもあったジョン・バウマン、さらに彫金職人レナード・カムホートも加わり、自分たちが理想とするレザーライディングウェアと、そこにあしらうシルバーパーツの製作を始めた。これが後に世界を熱狂させるクロムハーツの幕開けである。ちなみにブランド名の由来や意味には諸説あり、リチャード自身は「響きがクールでかっこいいから付けた」と言い切っているが、そのあたりの謎や余白こそがブランドの魅力のひとつといえるだろう。

クロムハーツが創り出す唯一無二の世界観は、宣伝広告を一切行わずとも、口コミだけで本物を求める者たちに届いていた。特に、ガンズ・アンド・ローゼズのボーカルのアクセル・ローズやギタリストのスラッシュといった反骨のアイコンたるロックスターたちがいち早く着用。その姿は、何よりも雄弁な広告塔となったのは言うまでもない。商業主義とは一線を画すスタンスと、徹底したクラフトマンシップ。クロムハーツの名声は高まり続け、1992年、アメリカファッションデザイナーズ協会(CFDA)からアクセサリー部門の最優秀デザイナー賞が贈られる。いわば”異端児”が、その実力でメインストリームの扉をこじ開けた瞬間であった。これを機に世界的なブランドへと飛躍するが、一方でメイド・イン・USAへのこだわりと職人たちの手仕事という核は決して揺らぐことはなかった。

クロムハーツのアイコンは、フローラルクロスやダガーといった繊細さと無骨さが融合した重厚かつ美しいリングやブレスレット、ネックレスといったシルバーアクセサリーだったが、リチャード・スタークの美学は、最高級のレザーウェアからアイウェア、そして家具に至るまで、ライフスタイルのすべてを網羅する領域へと拡張されていった。それはアイテム数を増やすといった単なるビジネスの拡大ではない。クロムハーツというフィルターを通して世界を再構築する壮大な試みだ。そこには常に、最高の素材と妥協なき職人技、そして創設以来の反骨精神が息づいている。

創業から30年以上を経たいまも、クロムハーツは孤高の輝きを失わない。リチャード・スタークとその家族が中心となり、魂は次世代へと継承される。世界中の店舗は、ブランドの世界観を体感させる荘厳な空間。そこに足を踏み入れた者は、否応なくその宇宙の引力に捉えられるだろう。流行を追わず、自らが文化を創造する。大量生産・大量消費の時代にあって、クロムハーツの在り方はひときわ異彩を放つ。それは、刹那的なトレンドに身を委ねない成熟した大人たちのための最後の砦ともいえる。クロムハーツは身に着ける者の生き様を代弁し、時には守り札となり、時には共に戦う鎧となる。その銀の輝きは、これからも決して錆びることなく、本物を知る者たちの魂を照らしつづけるに違いない。

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