FASHION

〜銀と革の王者〈クロムハーツ〉【キング・オブ・シルバー編】〜

3年振りとなる行動制限のない黄金週間も幕を閉じ、マスクこそまだ外せずとも、かつての日々を取り戻そうと再び動き出した時計の針。いまだ不安定な世界情勢もあってか、ニューノーマルという名の新たな生活様式で塗り替えられた日常にも、ついて回るは不安の影。

そんな中にあっても気温は上昇し、日を追うごとに色濃くなりゆく夏の気配。装いが軽装になるのと比例し、自ずと目が向く腕まわりや胸元。あぁ、そこに強く光を放つアクセサリーがあれば、我々は少しだけ力強く前に進めるかもしれない。――今回取り上げるのは、そんな力を与えてくれるであろう“銀と革の王者”について。いかに時代が移り変われども、武骨なまでの存在感と洗練さが美しく調和したデザインで世界中のシルバーフリークから絶大なる支持を集める〈CHROME HEARTS クロムハーツ〉を紐解く。

銀と革で体現される
不可侵にして不朽の魂。

まずは〈CHROME HEARTS クロムハーツ〉が、世界的アクセサリーブランドへと成長するまでの轍を追っていこう。同ブランドの始まりには白浪五人男ならぬ、銀(シロガネ)三人男が深く関わっている。まず一人目は、創立者であるリチャード・スターク。レザー製品のセールスマンとして、愛車のハーレーダビットソンに跨がり、全米中を営業に走り回っていた彼は、同業者で同じくバイカーでもあった二人目の男、ジョン・バウマンと出会い意気投合。共同でビジネスを始める。やがて二人はその傍らで、既存のバイカーウェアに満足することができず、自分らが理想とするレザーライディングウェアの製造に着手する。ここに三人目の男、彫金職人のレナード・カムホートも巻き込んでレザーとシルバーのブランドを本格的にキックスタート。こうして1988年、クロムハーツはフルスロットで駆け出した。

その翌年、早くもブランド飛躍の契機が訪れる。リチャードの友人が監督を務めるB級ホラーコメディ映画『Chopper Chips In Zombie Town』の衣装を担当することになったのだ。低予算という制約から、製作されたのはシンプルなレザーライダースなどではあったが、これを機に彼らが生み出すプロダクトのデザイン性・クオリティの高さが認められ、バイカーを中心に人気を博していく。ちなみにブランド名の由来には諸説あり。リチャード自身は「響きがクールでかっこいいから付けた」と言い切っているが、件の映画の仮タイトルである『Chrome Hearts』が関係していることは想像に難くない。さらには、熟練のバイカーが初心者をからかう際に使う“CHROME DON’T GET YOU HOME(バイクをピカピカにしていたって、よく走る訳じゃない)”をもじって、“CHROME DON’T GET YOU HOME,BUT CHROME HEARTS WILL GET YOU SOMEWHERE THAT MAKES YOU FEEL LIKE YOU’RE HOME(クロムハーツは自分が自分だと思える場所まで連れて行ってくれる)”をキャッチフレーズとしたことからも、彼らの根幹にあるバイカーアティテュードが大いに影響していると見て間違いないだろう。

以降、クロムハーツの人気はハードロック界にまで波及。とりわけ当時、絶頂期にあったガンズ・アンド・ローゼズのボーカル、アクセル・ローズやギタリストのスラッシュが着用したことにより、一気に人気にも着火ファイアー。さらに1992年には、アメリカファッションデザイナーズ協会(CFDA)のアクセサリー部門で最優秀賞を受賞。これにより、自分らと仲間の為に吟味された最高の素材を用いて、バイカーゆえの価値観で具現化されたプロダクトは、ファッション界の重鎮やセレブリティにも愛されるようになり、その世界的な人気を不動のものにした。以上、噺の枕のはずが案外長くなってしまったので、ここからは実際にアイテムを見ながらその魅力に触れていく。

【リング】
無二の世界観を指先に宿す、
キング・オブ・シルバーの大看板。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_01

【キング・オブ・シルバー編】と銘打った本稿では、ブランドを代表するシルバーアクセサリーの名品をジャンルごとにお見せしていこう。第一幕は、多くの人々にとってクロムハーツを象徴するアイテムの筆頭として認知されているリングから。

「KEEPER RING キーパーリング」
華やかさと溢れ出す
生命力を表現する番人の輪。

クロムハーツが築き上げてきた独自の世界観は、多様なモチーフを世に生み出してきた。その中でもブランド設立当初から存在し、今なお圧倒的人気を誇る内の1つが「フローラル」。大きく刻まれた「CHクロス」の隙間を埋めるように繊細に刻まれた花が、華やかさとともに溢れ出す生命力を表現する。このモチーフを採用した中でも代表的モデルが“番人”の名を冠した「KEEPER RING キーパーリング」である。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_KEEPER RING-キーパーリング_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_KEEPER-RING-キーパーリング_02

華やかさと荘厳さを併せ持つ「フローラル」の代表作といえば「KEEPER RING キーパーリング」。

リングの中心で威厳を放つゴシックなクロスは、降り掛かる“災いから身を守る”という意味合いから転じて“生きる力”の象徴とされてきた。また“交わる、交流する”という意味もあり、バイク・音楽・映画・宗教・伝統など、様々なカルチャーや要素が交わることで生み出されてきたブランドの世界観を象徴しているとも考えられる。近年ではミニサイズにリデザインした細身のタイプもあり、愛するパートナーの身を外敵から守る護符代わりに贈るファンも多いのだとか。番人の名は伊達じゃない。

「DAGGER RING ダガーリング」
短剣を象り
“強くあろうとする意思”を具現化。

先述したフローラルに使われていたCHクロスがそうであるように、クロムハーツには3大モチーフと呼ばれるブランドを象徴するアイコンがある。次に紹介する「DAGGER RING ダガーリング」の主題である「ダガー」も同じく3大モチーフの内の1つ。優美な曲線で表現された中世の短剣は“強くあろうとする意思”を具現化したものであり、リングを覆うような大胆な配置でデザインされている。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_DAGGER-RING-ダガーリング_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_DAGGER-RING-ダガーリング_02

純血の証を象った「DAGGER RING ダガーリング」は、ペアリングや結婚指輪としても人気が高い。

ロックやタトゥーの世界では、アメリカン・オールドスクールのデザインとしても愛されてきたダガーだが、古くは“純潔の証”とされ、お守りとしての意味もある。一見武骨に見えるが、指を通すと意外にも馴染みやすく、女性の細い指にもよく似合う。それゆえにペアリングや結婚指輪に選ばれることもあるとか。さすがに、このリングを差し出して求婚すれば「だが(ダガー)断る」とは言われまい。

「SBT BAND RING
SBTバンドリング」
波間で繋ぐクロス。
シテにもワキにも変幻自在。

モチーフは、CHクロスの縦横比を揃えた「CHプラス」と波を象った「スクロール」。4つのクロスの間を波が絡まる様に美しい曲線で繋ぐ「SBT BAND RING SBTバンドリング」は細身でありながら、その立体的な作りにより適度に武骨感もある秀逸なデザインとなっている。また模様が浮き出るように燻し加工を施すことで、銀と黒の対比が強調され、静謐な中にも力強さを感じさせる隙の無い仕上がりが愉しめる。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_SBT-BAND-RING-SBT-バンドリング_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_SBT-BAND-RING-SBT-バンドリング_02

重ね付け用に買い求めるファンも多いのが、この「SBT BAND RING SBTバンドリング」だ。

裏面にもしっかりと刻み込まれたブランドネーム。決して大げさ過ぎず、されど物足りなさを感じさせることのない優れたバランス感覚は、さすが王者の貫禄。その細身のフォルムもあってか、親指や小指でその実力を発揮し、重ね着け用のリングとしても出番は多い。着用する舞台に合わせてシテ(主役)にもワキ(脇役)にもなる汎用性の高さこそが、このリングの最大の魅力といえよう。

「SPACER RING スペーサーリング」
さり気なく立てる中指、
スペシャルにも勝るノーマル。

不変であることが普遍であるとは限らない。その世の理を体現するモデルが「SPACER RING スペーサーリング」である。直線的なリングの表面にブラックレターでテキストやアイコンを刻んだだけのシンプルさから、男女問わずファースト・クロムハーツとして選ばれることも多く、同じ名称でも刻印違いで数種類のデザインが存在する。ここではブランドネームとクロスが刻まれたタイプをお見せしよう。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_SPACER_RING-スペーサーリング_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_SPACER_RING-スペーサーリング_02

表面に刻まれたブラックレターの「FUCK YOU」テキストがクールな雰囲気を放つ「SPACER RING スペーサーリング」。

ブランドネームとクロスに混じって、シレッと刻まれたのは4文字のFワード。シンプルながらも“らしさ”溢れるメッセージに、かつて反体制・反逆者の烙印を押されていたバイカーたちのマインドが顔を覗かせる曲者だ。そもそも同作は、都市限定として展開されていた「FUCK YOU」シリーズに刻まれていた都市名をブランドネームへと置き替え、定番としてリデザインされたもの。そのプレーンな容貌から、ファンの間では通称“ノーマル”と呼び習わされているが、その活躍度は普通どころか3倍使えるエース級。

【ブレスレット】
時に武骨に、時に美しく、
腕元からマインド・アップアーマード。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_02

続いて第二幕は、腕元を飾るブレスレット。その歴史は古く、古代エジプトにおいて既に、宗教的・呪術的な意味合いの強い装飾品として存在していたという。装飾的かつ精神的武装を図るとするならば、ここで集めた4作品はまさに適役だ。

「FLORAL CROSS ID
FANCY CHAIN BRACELET
フローラルクロスID
ファンシーチェーンブレスレット」
クロムハーツ・アディクトにとっての
“身分証明”。

重厚感あるプレートの上に、大胆に刻まれたフローラルクロスは美しくも迫力に満ち溢れた佇まい。その名は「FLORAL CROSS ID FANCY CHAIN BRACELET フローラルクロスID ファンシーチェーンブレスレット」。IDとはidentification=身元証明のこと。第一次世界大戦の頃、戦場で戦う兵士たちの身元を証明するためのものとして、腐食に強いシルバー製のブレスレットが誕生。本作の源流はここに在る。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_FLORAL-CROSS-ID-FANCY-CHAIN-BRACELET_フローラルクロスIDファンシーチェーンブレスレット_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_FLORAL-CROSS-ID-FANCY-CHAIN-BRACELET_フローラルクロスIDファンシーチェーンブレスレット_02

ファンシーといえども、武骨なルックスの「FLORAL CROSS ID FANCY CHAIN BRACELET フローラルクロスID ファンシーチェーンブレスレット」。

そしてこれに、クロスが1コマおきにあしらわれたファンシーチェーンが合体。その存在感たるや、鬼に金棒ならぬ“十字架に銀鎖”。レナード・カムフォートと共にブランド創成期を支えた天才シルバー職人、スタンリー・ゲスが自分用に作った私物が、そのクオリティーの高さと優れた機能性から称賛を受け、商品化されたという逸話もあり、まさにクロムハーツ・アディクトにとって“身分証明”となる傑作だ。

「PAPER CHAIN BRACELET
ペーパーチェーンブレスレット」
モチーフは、意外や
パーティー装飾でお馴染みの輪飾り。

パーティーや祝い事の際に、短冊状にした紙を連結させて作る輪飾りを、欧米ではペーパーチェーンと呼ぶ。誰しもが幼少期に一度は目にした事があるこの装飾と、形状が酷似していることから付けられたと思わしき名称は、そのものズバリ「PAPER CHAIN BRACELET ペーパーチェーンブレスレット」。連なるパーツ1つ1つに刻まれたブランドイニシャルに光る王者の手腕。遠目には控えめ、寄らば本物の風格。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_PAPER-CHAIN-BRACELET_ペーパーチェーンブレスレット_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_PAPER-CHAIN-BRACELET_ペーパーチェーンブレスレット_02

意外なモチーフが面白い「PAPER CHAIN BRACELET ペーパーチェーンブレスレット」。

元々、ペンダント用に開発されたリーズナブルラインのネックレスチェーンをブレスレットに転用しているため、想像以上にナロー&ライト。また、あまり知られてはいないが、ジョイントパーツの差込部分は、強度を考慮して925シルバーではなく14Kゴールドを使用しているとか。神は細部に宿るというが、見た目のみならず機能性まで及ぶ気遣いに、ブランド創成期から受け継がれてきた銀職人の矜持を見る。

「CROSSBALL BRACELET
クロスボールブレスレット」
柔らかな曲線を描き出す
クロスボールを、立体的に連結。

細く小さな平面状のプレートを丸め・繋げた「ペーパーチェーンブレスレット」に対し、やや膨らんだ円盤状のパーツと丸カンを連結させて立体的にデザインされたのが「CROSSBALL BRACELET クロスボールブレスレット」。その名からも容易に想像が付くように、クロムハーツの象徴的デザインであるクロスの象形がボールパーツの1つ1つに刻まれている。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_CROSSBALL-BRACELET_クロスボールブレスレット_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_CROSSBALL-BRACELET_クロスボールブレスレット_02

「CROSSBALL BRACELET クロスボールブレスレット」は男女問わず、クロムハーツが楽しめる名品。

また本作の特徴としては、自由な位置でロック出来るフリーサイズ仕様が挙げられる。よって手首にアジャストさせてクロスボールを多めに垂らすも良し、手の甲あたりにユルめに着けても良しと変幻自在。しかも曲線で構成されたデザインは、文字通り角が立たず男女問わずクロムハーツらしさを楽しむことが叶う。ちなみにボールのサイズによって#1と#2に分別され、ここで紹介するのはボールが大きく、より武骨な印象を強める#2。どちらを選ぶかは、着け方同様お好みで。

「BEAD Bracelet
ビーズブレスレット」
ソリッドかつモダン。
輪に和を感じさせるニューフェイス。

最後は、2015年誕生と期待のニューフェイス「BEAD ビーズ」シリーズをご覧あれ。ルックスに関わるビーズの大きさは、4mm、6mm、8mm、10mmがラインアップしており、さらに素材は、ジェイド(翡翠)、ブラックコーラル(黒珊瑚)、ターコイズ(トルコ石)、シルバーの4種類から。写真のモノは、4mmのブラックコーラルとシルバーのコンビネーションが、ソリッドかつモダンで新鮮な味わい。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_BEAD-Bracelet_ビーズブレスレット_02

「BEAD Bracelet ビーズブレスレット」は、どこか和のテイストをも感じさせる。

またこのビーズはゴム紐によって繋がっているため、前述の「クロスボールブレスレット」よろしくフリーサイズで着脱容易。さらに重ねるならば、“日本の国石”翡翠や、古くから帯留めやかんざしなどに用いられてきた黒珊瑚など、我々のDNAに呼応する素材が選ばれている点も興味深い。ちなみに、創業者リチャードの妻、ローリー・リン・スタークは親日家で、神社仏閣を見て回るのが好きということでも知られる。そう聞けば 数珠にも見える ビーズかな。

【ペンダント】
豪快で繊細、武骨にして流麗なる
名作モチーフを胸元に。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_03

この【キング・オブ・シルバー編】の大詰めは、首元を飾るペンダント。“モード界の皇帝”とも称されたデザイナー、故カール・ラガーフェルドが残した「メンズで着けていいアクセサリーはクロムハーツくらい」という言葉を、いざここで証明せん。

「LARGE CH CROSS WITH BALE
ラージCHクロス ウィズ ベイル」
クロムを代表する至高のクロスが
胸元に示す自信と威厳。

先述の「キーパーリング」にもあしらわれていたCHクロスを大型化させ、より視線が集まりやすい首元を舞台に主演を飾る本作。シンプルでありながらもアーティスティックな造形美は、ブランドの大看板であるという確固たる自信と威厳を示す。ロザリオ(十字架)を思わせるスラリと四方に伸びたフォルムもあまりに神々しく、対峙する者に「身に着けるに相応しき者になろう」とさえ思わせるマスターピースだ。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_LARGE-CH-CROSS-WITH-BALE_ラージCHクロス-ウィズ-ベイル_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_LARGE-CH-CROSS-WITH-BALE_ラージCHクロス-ウィズ-ベイル_02

「LARGE CH CROSS WITH BALE ラージCHクロス ウィズ ベイル」。クロムハーツのイメージといえばコレという人も多い。

で、CHクロスが何かは分かったが、ベイルとは? こちらはペンダントトップとネックレスを連結させる、いわゆる丸カンを指す。他アクセサリーブランドであれば黒子役の連結パーツを、主演と同じ舞台に立たせる姿勢にも、クロムハーツのプロダクトに対する矜持とこだわりが感じられる。あとは、ここに「ペーパーチェーンネックレス」や「NEチェーン」などを装着することで、満員御礼のクロム十八番の完成だ。

「1 BALL BS FLEUR CHARM
1ボールBSフレアチャーム」
華麗なるユリの紋章をモチーフに、
揺れ動く曲線の美しさ。

この「BSフレア」もクロムハーツには欠かせないモチーフの1つ。手掛けたのは“始まりの三人”に名を連ねるレナード・カムフォートその人。フランス王家とも縁の深い百合の紋章“フルール・リス”をアイデアベースにしたともいわれるチャームは、美しくしなやかな曲線が何よりの魅力。同じくフレアモチーフが刻まれたボールの“揺れる動き”が加わることで、様々な角度に光を反射しながら色気を増していく。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_1-BALL-BS-FLEUR-CHARM_1ボールBSフレアチャーム_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_1-BALL-BS-FLEUR-CHARM_1ボールBSフレアチャーム_02

美しくしなやかな曲線を描くチャームが首元で揺れる「1 BALL BS FLEUR CHARM 1ボールBSフレアチャーム」。

それでいて両面にしっかり刻まれたデザインにより、裏表を気にすることなくラフに楽しめる男気親切設計。なおBSとは、ボーイスカウトの略。アメリカはもちろん世界的にもボーイスカウトのシンボルはユリであり、そこからもインスパイアを受けたからだとか。“備えよ常に”をモットーに“より良き世界を作る”ために活動する彼らのマインドを受け継ぐ本作。今この時代にこそより強い輝きを放つに違いない。

「3 TRINKETS PENDANT
3トリンケッツペンダント」
3つのモチーフが擦れ合い共鳴し、
増してゆく傷と想い。

締めくくりは、ダガー・アンカー(シールドという説も)・クロスという人気モチーフを重ねた「3 TRINKETS PENDANT 3トリンケッツペンダント」。「フローラルクロスID ファンシーチェーンブレスレット」がスタンリー・ゲスの私物から商品化されたように、こちらは創始者リチャード・スタークが愛用していたアイテムを、その反響の多さから1998年に商品化したものだそう。そう聞けば、より味わい深き名品なり。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_3-TRINKETS-PENDANT_3トリンケッツペンダント_01

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_3-TRINKETS-PENDANT_3トリンケッツペンダント_02

着用して過ごす中で増えていく傷により、さらに輝きが増していく「3 TRINKETS PENDANT 3トリンケッツペンダント」。

トリンケットは“小さな装身具”を意味し、各々にブランドネームの文字も刻まれていて細部まで抜かりなし。プレートの三重奏は身に着ける内にお互いが擦れ合い共鳴し、傷を増やしていく。そしてその1つ1つがオーナーともに歩んできた道程の証明として、デザインへと昇華される。傷は決してマイナス要素ではなく、むしろ変化・進化の瑞兆となり、想いと輝きを増していくのだから、シルバーとは実に面白きもの。

CHROME-HEARTS_クロムハーツ_pc

クロムハーツは世界的ブランドとなった現在でも“良質な素材が手に入るまでは制作に入らない”という徹底した姿勢を貫いている。この創業当時から変わらぬ、アーティストとしての強い信念とモノ作りを追求するクラフトマンシップに対し、人々は“キング・オブ・シルバー”の賞賛を贈るのである。

リチャードは、日本初のオンリーショップとしてオープンしたクロムハーツ トーキョーの20周年記念パーティー時のインタビューで、「クロムハーツは150年続く会社にするつもりで始めた。幸いにも私たちには子どもたちがいて、彼らはこのビジネスを愛している。世代を超えて存続していくと思う」と述べた。かの大泥棒の辞世の句を借りるならば、「銀・革や 浜の真砂は 尽きるとも 世にクロムハーツは尽きまじ」といったところか。というワケで今回はここまで。続く次回は【アルチザン・オブ・レザー編】。銀(シルバーアクセサリー)と双璧を為すブランドの骨子、革(レザーアイテム)の真骨頂。知らざあ言って聞かせやSHOW。

(→【アルチザン・オブ・レザー編】は、こちら

ONLINE STORE
掲載商品は、代表的な商品例です。入れ違いにより販売が終了している場合があります。