季節の変わり目にメンズが羽織るべきライトアウターとは? ズバリ選ぶはこの定番5着ってワケで
春夏秋冬がもたらす風情は、装いを楽しむ歓びを与えてくれる。だがその一方で「端境期」、いわゆる「季節の変わり目」がもたらす予測不能な寒暖差は、常に我々を悩ませる。
この曖昧な季節に、一体何を羽織るべきか。
それは、装いに一家言を持つメンズにとって永遠の課題と言えよう。そこで鍵を握るのが、一枚でスタイルの主役にも名脇役にもなる「ライトアウター」の存在である。
ライトアウターの定義に“端境期に羽織れる軽量な上着”とあるため、街頭でよく見る外套も薄くて軽ければ当該対象。ただそれでは範囲が広すぎる。そこで本稿においては、確かな歴史とディテールの随所に秘められた語りどころを備え、“モノ好きゴコロをくすぐるモノ”というテーマを設けるとしよう。要するに、『knowbrand magazin』読者諸氏ならば誰もがご存知のあの定番。そのおさらいというワケだ。
メンズが羽織るべきライトアウター①
〈McGREGOR マックレガー〉
「DRIZZLER JACKET
ドリズラー・ジャケット」
かのジェームス・ディーンも着用した
不良少年の象徴…というのは
実は間違い。
「ライトアウターの定番とは?」との問いに対するアンサーとして、メンズカジュアルウェアの元祖的アイテム〈McGREGOR マックレガー〉の「DRIZZLER JACKET ドリズラー・ジャケット」を1着目に挙げたい。
〈McGREGOR マックレガー〉の「DRIZZLER JACKET」。せっかく選ぶならカラーは赤一択。
デヴィッド・ドニガーによって1921年に設立されたファッションブランド、マックレガー。アメリカはニューヨーク生まれだが、その名は創業者の出生地・イギリスの伝統的氏族“マックレガー家”に由来するというから、同地とも縁が深い。
事実、スコットランドより輸入したアイテムにマックレガー家を象徴する伝統的なチェック柄や、王冠、紋章などをあしらったスポーツウェアを展開したマックレガー。
その代表作の1つとして今なお世界中で愛されているのが、1945年に発売された同作。聞き慣れてはいるものの意味は知らない人も多い“ドリズラー”という言葉は、霧雨や小雨を意味する英語の“drizzle ドリズル”から。これは小雨が降る中でもゴルフを楽しめるように開発されたという経緯に由来するとか。
当初は、「SCOTTISH DRIZZLER スコティッシュドリズラー」の名で販売されていたが、1950年代にアメリカでアイビールックが流行った際に、その定番アイテムとして大ヒットを記録。誰もがドリズラーと呼ぶようになったため、1960年代に背中の織りネームも「DRIZZLER ドリズラー」へと書き換えられ、令和へと至る。

スコットランドをルーツとすることが垣間見られるのが、織ネームに記された「Scottish スコティッシュ」の文字。後にこの文字は姿を消す。
そのシンプルなルックスにあってひと際目を引くのが、小ぶりなステンカラーだろう。首の付け根に沿うようにデザインされたその裏側には、ボタン留めのチンストラップが顔を覗かせ、フロントジップを上まで引き上げて左右を留めることでスタンドカラーに変身。このちょっとしたアレンジで首元の印象は一変。風除けとしての機能をも付与する。
小ぶりなステンカラーの襟は、立たせればスタンドカラーに早変わり。
注視すべき点という意味では、フロントポケットもまた然りだ。ポケット口にフタを配した逆玉縁ポケットは、ポケット内のモノが落ちにくいよう工夫が施されている。さらに角を落としたポケットスペースをダブルステッチで大きく囲むことにより、パッチポケットのような仕上がりに。ちょっとした部分だが、この気配りがシンプルなアイテムを魅力的に変える隠し味。
ラウンド型に縁取られた大きなポケットには、手だけでなくモノも出し入れしやすい斜めのポケット口をデザイン。
そんなマックレガーのドリズラー・ジャケットといえば、24歳という若さで早逝したアメリカの伝説的俳優、ジェームス・ディーンに紐付けて覚えている人も多いことだろう。彼が主演映画『理由なき反抗』で、不良少年を演じる際に着用したことで人気が爆発した…なんて言われていた時代もあるが、これは誤認。
正しくは、マックレガーが誇るもう1つの名作「ANTI-FREEZE JACKET アンチ・フリーズジャケット」を劇中では着用していた。ただ、劇中の決闘シーンで野次馬役のモブ俳優がドリズラー・ジャケットを着用していた…なんてウワサもある。真偽やいかに。
(→〈マックレガー〉の「ドリズラー・ジャケット」をオンラインストアで探す)
メンズが羽織るべきライトアウター②
〈BARACUTA バラクータ〉
「G9 ジーナイン」
己を貫く不器用な男にこそ似合う、
ジョンブル精神の象徴的アイテム。
セオリー通りにいくならば2着目はガラリと雰囲気を変えて…と思わせての不意打ち。なんだか既視感を覚える〈BARACUTA バラクータ〉の「G9 ジーナイン」。それもそのはず。最初に取り挙げたマックレガーのドリズラー・ジャケットと同じルーツを持ち人気も双璧をなす、これまた定番中の定番だ。
〈BARACUTA バラクータ〉の「G9」。メンズカジュアルウェアの王道的1着だ。
ただし、生まれはアメリカでなくイギリス。1937年、ジョン・ミラーとアイザック・ミラーのミラー兄弟がマンチェスターで創業。元々は〈Burberry バーバリー〉や〈Aquascutum アクアスキュータム〉といった有名ブランドのレインウェアの製造を請け負っていた同社。その高品質のアイテムを製造する技術力とノウハウを生かして立ち上げた自社ブランドこそが、バラクータ。
当初はコート製造を柱としていたが、次第に両人の趣味であるゴルフのウェアにも着手。そして1948年、雨に降られながらも苦労してラウンドするゴルファーを目の当たりにしたことから、GOLFの頭文字“G”と同社で9番目に製作されたアイテムを意味する“9”を組み合わせた名を冠する、このジャケットが誕生した。

裏地のタータンチェックはいわば家紋。こちらはスコットランドの由緒正しき一族、フレイザー家から譲り受けたという“フレイザータータン”柄。
先述のように前項の主役、ドリズラー・ジャケットと偶然にも同じゴルフをルーツに持つが、デザインは似て非なるもの。その1つが“ドッグイヤー・カラー”と呼ばれる襟にある。垂れ下がる様子が犬の耳を想起させるロングポイントカラーの一種で、襟先をボタンで留めることにより首元の防風性を獲得する。
広げた状態では文字通り、犬の耳を想起させるも閉じると印象が変わる、その名もドッグイヤー・カラー。
また、フラップ付きの斜めのポケットも用途に由来する。ゴルフにおける代表的なアクションといえばスウィング。この上半身を大きく動かす動作をした際にも中身のモノが落ちず、かつ雨や砂埃などの侵入を防ぐことからフラップは必須。クラブを握る手を暖めるハンドウォーマーとしても機能するよう、手を入れやすい角度で設計する配慮も光る。しかも袖口と裾はリブ仕様で、防風性と運動性の一挙両得を叶える。
袖口と裾にはリブ。防風性を高めるだけでなく、しっかりと手首やウエストに留まることでアクション時の煩わしさを解消。
後ろ身頃には、傘の形に似ていることから命名された“アンブレラ・ヨーク”が。肩に当たった雨がスムーズに流れ落ちるこの構造は、内側の蒸れを防ぐベンチレーションとしての役割も果たしている。多少の雨ならば傘などささない。そんなジョンブル精神を象徴するようなディテールにも思える。
滴る雨をスムーズに流す以外に、着用の蒸れを防ぐ 通気口としての役割も果たすアンブレラ・ヨーク。
かようにして随所にこだわりを詰め込んだG9は、アメリカの人気ドラマ『PEYTON PLACE ペイトンプレイス物語』(1964〜1969)にて、ライアン・オニール演じるロドニー・ハリントンが着用したことで “ハリントンジャケット”とも呼ばれ人気に。
その後、本国イギリスでは、モッズとスキンヘッズといったカウンターカルチャーの定番アイテムの座を獲得。かたや同じ島国の日本では、かの名優・高倉 健も愛用していたことで知られている。要は己を貫く不器用な男にこそ似合う1着というワケだ。
デザインこそ違えども、ゴルフ・ウェアがルーツの2着。アイビールックの代表的アイテムであると同時に、カウンターカルチャーの象徴ともなっている。
ウンチクついでにもう1つ。この形状のアウターは“スウィングトップ”とも呼称される。これはゴルフのスウィングがしやすい上着(トップ)を意味する和製英語で、ジャパニーズ・アイビールックの草分け的ブランド〈VAN ヴァン〉創業者・石津謙介氏が命名したもの。当然海外では通じないので、ご注意を。
さらに余談だが、マンガ『キン肉マン』に登場するイギリス出身の超人、ロビンマスクの変名はバラクーダ。名前に何かしらの関係性があるかは分からないが、とにかくすごいアウターだ。
メンズが羽織るべきライトアウター③
〈Champion チャンピオン〉
「COACH JACKETコーチジャケット」
ラフに羽織っても
サマになるシンプルさ。
その姿は普遍性を体現するかの如く。
ここまでの2着はどちらかといえば、ルールを遵守してカッチリ羽織ることで魅力が伝わるアイテムだったが、3着目はラフに羽織るだけでもサマになる。アメリカを代表するアスレチックブランドの雄、〈Champion チャンピオン〉の「COACH JACKET コーチジャケット」選手の入場。
〈Champion チャンピオン〉の「COACH JACKET」。これもまた純然たるスポーツウェアをルーツとする。
1919年に、アメリカ・ニューヨーク州ロチェスターで設立された「ニッカーボッカーニッティングカンパニー」をルーツとする同社。その名を聞いた誰もが脳裏に思い浮かべるのは、言わずもがなのスウェット。それも「リバースウィーブ」でまず間違いない。
ではなぜ今回、コーチジャケットをチャンピオンからピックアップしたのか。それは先の2着同様、アイビールックと縁の深いアイテムだからである。

1980年代に使用されていた青刺繍のタグ。made in USAの文字もどこか誇らしげ。
もはや言うまでもないが、コーチジャケットの名は野球やアメリカンフットボールなどのコーチが着用していたことから名付けられたという説が濃厚。そしてアメフトをキーワードに紐解いていくと、アメリカの8つの名門大学からなるアイビーリーグに辿り着く。ゆえに今回はその代表格、ハーバード大学のコーチジャケットを用意した次第だ。
…といっても、無駄なくシンプルであるがため特筆すべき点を見つけるのは難しい。見どころをしいて挙げるとすればフロントか。一枚襟仕立ての首元と着脱も容易なスナップボタンを採用し、いざ出番となればすぐに脱ぎ捨ててフィールドに飛び込める。このフットワークの軽さがコーチジャケットの魅力。
スナップボタンをしっかり首元まで留めれば、キッチリ感も演出出来る。
左胸に視線を落とせば、1636年創立と全米最古の大学にして、名門中の名門・ハーバード大学の校章がキラリ。一般的にはエンジやバーガンディーと呼ばれるボディカラーはクリムゾン。西アジアの言語でカイガラムシを意味する「qirmiz ケルメス」に由来し、同校だけでなく日本の有名私立、早稲田大学や立命館大学のスクールカラーにも使われており、知性と伝統の象徴とも言い換えられる。

誇り高き証、左胸に入ったハーバード大学の校章がデザインのアクセントになっている。
袖口にはほんのお気持ち程度だがゴムの絞りがあり、希望するポジションで袖を留めておける。名門とはいえ、滑り止めは必要なのだ。またこの絞りは袖口からの風の侵入を防ぐ働きも兼ねている。どれもこれも至って普通。いや、だからこそ永く愛することが出来る、これぞまさにザ・普遍性。

ゴムの絞りが付いた袖口には、チャンピオンの象徴である通称“目玉”こと“Cマーク”。
近年では、スケーターやバイカーといったカウンターカルチャーのイメージこそ強いが、そのルーツが爽やかな汗が似合う軽やかなスポーツウェアであることが、お分かりいただけただろう。リバースウィーブだけがチャンピオンではない。かといって反抗するばかりでは能がない。そんな真理に辿り着いた大人が着てこそ輝く1着だ。
(→〈チャンピオン〉の「コーチジャケット」をオンラインストアで探す)
メンズが羽織るべきライトアウター④
〈US.ARMY US.アーミー〉
「IPFUトレーニングジャケット」
有名韓流スターも虜にした、
ミリタリーとスポーツの
ハイブリッドアウター。
昼間は日差しがあっても、日が傾くと途端に肌寒くなるこの季節。優れた機能性を備え、サッと手に取って軽やかに羽織れるスポーツウェアは非常に重宝する。そんなワケで、4着目はミリタリーとスポーツの合い(愛)の子「IPFUトレーニングジャケット」にロックオン。ミリタリーといっても定番のオリーブではなく、グレーを基調としたモダンな配色で、汎用性の高さも人気の理由。
〈US.ARMY US.アーミー〉の「IPFUトレーニングジャケット」。ストリートでも人気が高いアイテム。
IPFUとは、Improved Physical Fitness Uniformを略したもので、1990年代に開発されたアメリカ軍のトレーニングウェアを指す。詳細に述べると、海軍と空軍ではPTU(Physical Training Uniform)と呼ばれ、同じ陸軍でも時代によってAPFU(Army Physical Fitness Uniform)と呼称されるモデルもあるなど、いくつかのバリエーションが存在する。そこで今回取り挙げるのは、通称“前期”と呼ばれるモデルだ。

ミリタリー由来のアイテムであることを証明するのが背タグ。若干雑なステッチも雰囲気。
何より視線をクギ付けにさせるのが、ボディ前後に大胆にあしらわれたV字型のリフレクターラインだろう。光を反射し、夜間でも安全にトレーニングが出来る実用的意匠ではあるが、普段使いにおいては自転車に乗る際や夜間のランニングに活躍し、さらにファッションの一部として個性を演出する一手ともなり得る。
インパクト抜群なV字のリフレクターライン。光を当てるとこのように反射する。
首元のデザインと着心地を左右するライナーにもフォーカス。スタンドカラーの襟は、首周りを守りながらもトレーニングの邪魔にならないよう、やや短くコンパクトな仕上がり。加えて内側には、汗をかいた際の不快感を解消するメッシュ素材を採用し、快適性を高める工夫がなされている。

左胸にあしらわれたARMYの刺繍もデザインアクセント。なくてもイイけど、あると嬉しいオマケ。
対する外装はサプレックスナイロン。柔らかくコットンに似た手触りとナイロン由来の高強度、速乾、撥水、防風かつ通気性と6拍子揃った機能素材だ。これによりある程度の寒さや、降雨であれば無問題。リブが絞られた袖と裾は、着用した際に体にジャケットを密着させ、ズレを防ぐ効果があるほか、防風性を高める役割も果たすのだから必要にして十分…すぎて、もはや過積載の様相。
トレーニングウェアに由来するリブが絞られた袖と裾。サプレックスナイロンとも相まって機能性も良し。
他にも忘れてはいけないのが、随所に配備された通気用のベンチレーション。汗をかきやすい脇下は、ジップ式で開閉し、即座に送風。背面もV字のリフレクターラインに沿ってベンチレーションが。寄って見ると同部には均等に縫い付けが施されているのが分かる。この一手間が、激しい動きを行なうトレーニングにおいてもバタつきを防ぎ、通気性とストレスフリーを両立。
肩はラグランスリーブでゆったりとしたシルエット。 脇下にはジップで開閉可能なベンチレーションが。
リフレクターラインを巧みに活かしつつ、デザインと機能性を両立した背中のベンチレーション。
とここまで…細部をアレコレ説明してきたが、トレーニングウェアとして使用するだけでは、もったいない。タウンユースでも十分活躍が期待出来るし、BIGBANGのG-DRAGONも愛用者の1人であることは界隈でも有名。たとえ兵役に行く予定がなくとも、ワードローブの仲間入りを検討してみてはいかがだろうか。
(→〈US.アーミー〉の「IPFUトレーニングジャケット」をオンラインストアで探す)
メンズが羽織るべきライトアウター⑤
〈US.ARMY US.アーミー〉
「JUNGLE FATIGUE JACKET
ジャングルファティーグジャケット」
WOW WAR TONIGHT。
ガッカリさせない期待に応える、
街着でカモ柄ムーヴメント。
アイビー→スポーツ→ミリタリーと繋いだライトアウターのバトンも最後の1着。ラストを飾るのは、読者諸氏も大好物であろうミリタリーウェアから。正式名称は「コンバット・トロピカル・コート」…いや「JUNGLE FATIGUE JACKET ジャングルファティーグジャケット」という通称の方が、圧倒的に通りも良いか。
〈US.ARMY US.アーミー〉の「JUNGLE FATIGUE JACKET」。これは正式名称ではなく通称。
なにやら不思議な名前のこのジャケットだが、その正体は1960年代にアメリカ軍がベトナム戦争時に着用していた熱帯地域用野戦服。タウンユースでミリタリーアイテムを着用することは珍しくないが、その中でも本モデルをご紹介するには理由がある。戦地となったベトナムのジャングルは、常に高温多湿な気候。そこに適用した戦闘服として開発された…とくれば納得。サラリとした着心地の本モデルをライトアウターとして活用してみるのはいかがだろうか? という提案だ。

背中のタグにはサイズのほか、適正身長や胸囲といった細かな記載もある。
同モデルの採用期間は、1963年から1970年までの7年間。その間に各所のマイナーチェンジがあるものの、左右均等に配置された胸ポケットは1stから続く看板ディテ―ル。ポケットの中身が取り出しやすいように内側へ斜めに設計されている。この小さな配慮が戦地では生死を分けるポイントとなり、平和な現代ではデザインアクセントとなる。
左胸ポケットに目をやると、フラップ上にひっそりとペン差しが。内部に貫通しており、差し込まれたペンの先端はポケットの中へ。その様子たるや、まるで鬱蒼と茂るジャングルに咲いた一輪の花のようではないか。


両胸には、ファティーグジャケット最大の特徴である斜めのフラップポケット。さりげなく存在している左胸のペン差しも、あれば嬉しい心遣い。
ポケット下の迷彩柄に隠れて、さりげなくUSMC(アメリカ海兵隊)のステンシルプリントも。所属部隊を記すサインであると同時に、本モデルが改めてミリタリーアイテムであるという公的証明となっている。
加えて写真のモデルは、特殊部隊に支給された“グリーンリーフ”と呼ばれる迷彩パターンも相まって、なんとも良きムード。柄のベースがライトグリーンで、かつノーエポレット、リップストップ素材、左胸のみのペン刺しといった諸々のポイントから、1969年〜70年に制式採用されていた5thタイプに分類される。

ステンシルで入ったアメリカ海兵隊を意味するUSMCのロゴ。USMCとはUnited States Marine Corpsの略。
先述した5thタイプの特徴の中でも、もっとも分かりやすいのが袖口のあしらい。4thタイプまではV字型のガゼットが見受けられたが、絞り具合を調整するアジャストボタンが2つ縫い付けられただけのシンプルな作りとなっている。
袖の調整は2つのボタンで。このシンプルな袖口のあしらいこそ、4thタイプと5thタイプを見分ける際の1番のポイントだ。
両サイドにはラフに使える大型ポケットがスタンバイ。サイドにマチをあしらい、見た目以上の収納力を発揮する。加えてフラップにはボタン付き。しっかり留めておけばポケットの中身が紛失する心配もない。当時は銃弾や手榴弾が収まっていたかもしれないが、平和な令和の世には不要。ビールの350ml缶なんかを入れてみるのも良いだろう。
サイドに大きくマチを取ることで立体的に作られた両サイドのポケット。350ml缶もスッポリと収まる。
究極の実用性を備える本物のミリタリーウェアで、かつ特殊部隊に支給されていた迷彩仕様。タウンユースでは大袈裟すぎる‧‧‧と思うかもしれないが、こんな時代だからこそ備えあれば憂いなし。ぜひともこの無駄なスペックを楽しんで欲しい。中々に手に入れづらくはなっているが、自分で動き出さなきゃ何も起こらない。欲しいと叫んでリセールマーケットで探せ!
(→〈US.アーミー〉の「ジャングルファティーグジャケット」をオンラインストアで探す)
確かな歴史とディテールの随所に秘められた語りどころ。本稿で紹介した5着のライトアウターは、いずれも“モノ好きの心”をくすぐる永遠の定番である。この中に、新たな相棒が見つかったのであれば、これ幸い。
予測不能な気候、そして移ろいゆくトレンド。そんな曖昧な「季節の変わり目」にこそ、男の審美眼が問われる。何を選ぶか、何を羽織るか。その一手が、その日のスタイル、ひいては自身の印象を決定づけるのだ。
だからこそ、我々は定番を選ぶ。数多の男たちに愛され、時代を超えてきたという信頼。今回紹介した5着は、そんな安心感と高揚感を同時に与えてくれる。
“That’s all right.”信頼に値するこいつらがあれば問題ない。数多ある選択肢の中から選び抜かれたこの相棒を纏い、明日からのメンズファッションを、より確信に満ちたものにしようではないか。

