FASHION

夏の日差しを援護射撃に。サングラスの準備はいいか?

暑い。いよいよ本格的な夏の到来だ。Tシャツ、ショーツ、サンダル。猛暑を迎え撃つ軽装において、主役となるアイテムはそんなところだろうか。いや、もうひとつ忘れてはならない存在が。サングラスである。

ときに我々はなぜサングラスをするのか。むろん真夏の強烈な太陽光から目を守り、眩しさを軽減するためだ。だがそれは半分正解で、半分誤り。むしろ、実用的側面だけではサングラスの魅力を半分も伝えられないからだ。

有り体な言い方になるが、サングラスとはキブンを変えるスイッチだ。デザイン性や機能性が土台となり、着用者を夏らしいキブンにさせてくれる。言い換えれば、サングラスは夏を楽しくさせてくれる「相棒」だ。

では早速、相棒を探しに出かけよう。世界中で愛される名ブランドの名作の数々。まずはそれらをあらためて知ることで、夏の高揚感が余計に迫ってくるはず

時代を超えて愛されるクラシック。

そもそもサングラスとは、いつどうやって生まれたのか。多くのウェアや装備品と同様、パイロットらが使った「ミリタリーギア」が時を経て一般化した流れはあるようだが、実は、はっきりとはわかっていない。いずれにせよ、眩しさから目を保護する目的で生まれた実用品であるのは間違いなかろう。

ミリタリーギアとしての出自を持ち、ファッション、ことアメカジと親和性が高いのが〈Ray-Ban レイバン〉だろう。「光線(=Ray)のアクセスを禁ず(=Ban)」を語源とするブランドが正式に誕生したのは1937年。しかし、ルーツはさらに遡る。1929年に米国陸軍航空隊の依頼を受けて「ボシュロム社」が発表した、太陽光を遮る緑色のレンズ。これこそ「レイバン・グリーン」と呼ばれるもので、「ティアドロップタイプ」のフレームをまとって発表された。つまり、米国で古くから事業を続ける光学機器メーカーであるボシュロム社を、そもそもの出発点とするのだ。

ティアドロップを日本語で表せば、「涙の雫」。その形状を今に伝える代表的モデルが「AVIATOR アビエイター」だ。

〈Ray-Ban〉の「AVIATOR」

今や「アビエイター=ティアドロップ」と認識されるほど世界的に有名で、かのダグラス・マッカーサーが愛用したことから「マッカーサーグラス」とも呼ばれる。独特のレンズシェイプに加え、細くも存在感のあるメタルフレーム、そしてアイコニックなダブルブリッジがワイルドさを加速。アメリカ的クラシカルなテイストは、何ものにも代えがたい。

よりコンサバティブに目元を支えるのが、街での着用率がすこぶる高い「WAYFARER ウェイファーラー」だろうか。こちらは、フレームの角が丸みを帯びた「ウェリントン」と呼ばれるタイプ。

〈Ray-Ban〉の鉄板モデル「WAYFARER」

世界最大の眼鏡企業である「LUXOTTICA ルックスオティカ」社が製造・販売を行うようになった1999年以降はイタリア製が主流

1953年生まれのウェイファーラーは、アビエイターと同じくクラシックな趣を感じさせながらも、よりファッション性の高いモデルとしてデザインが多様化。「ボブ・ディラン」が愛用するなど、ロックシーンとも強く結び付く傑作である。

「CLUBMASTER クラブマスター」もレイバンのシンボリックなモデル。1986 年のリリース以降、知的な「ブロウタイプ」のロングセラーとして地位を確立している。ブロウという名称の由来は読んで字のごとく「眉毛」のことで、フレーム上部だけ厚みがあるためにこの名がついた。

クラシカルな「ブロウタイプ」の「CLUBMASTER」

色気漂うファッションアイテムとして。

サングラス=ファッションアイテム。であれば当然、アパレルを展開するファッションブランドのサングラスも押さえておきたい。〈TOM FORD トム フォード〉は、その筆頭といえよう。

〈GUCCI グッチ〉や〈SAINT LAURENT サンローラン〉でクリエイティブディレクターを歴任したトム・フォードが手掛けるが、映画監督もこなすなど多彩な彼はアイウェアホリックとしても知られる。自身がメガホンを撮った映画『シングルマン』内で、主演のコリン・ファースが掛けた1本はあまりにも有名だ。

「力強く、タフでセクシー」なデザインは、服と同様にアイウェアにも踏襲。それは、ウェリントンタイプの「snowdon スノードン」からも伝わってくるだろう。

〈TOM FORD〉の「snowdon」

プラスチック素材の一種である肉厚のアセテートフレーム、そのテンプル部分にゴールドであしらわれるのがご存知「Tバー」。さりげなく演出される唯一無二の色気、サマースタイルのアクセントにうってつけだ。

テンプル部分のTバー

ある意味でモダンな「ビンテージ」。

現在、アイウェア業界においては「ビンテージ」、もしくは「レトロ」といった古き良きテイストが一大キーフレーズになっている。そのファッション的な潮流を作り出したと言っても過言ではないのが、〈OLIVER PEOPLES オリバーピープルズ〉だ。

1987年の創業以来、アメリカンヴィンテージを体現。当時、デザイナーのラリー・レイトらがNYで出会った600本ものデッドストックに感銘を受け、ブランドをスタートさせたという。ただし、彼らは古さだけを追い求めたわけではない。ディテールはモダンにアップデートされ、掛け心地に直結するクオリティも重視。ゆえにアメリカブランドでありながら、日本製を貫いている。

例えば「1955」。デビューコレクションの復刻モデルに当たるこちらは、アセテートのフレームをベースとしながらメタルブリッジを採用したコンビネーションタイプ。メタルブリッジには彫金がなされ、テンプルとフロントでデザインを変えたものなど豊富なラインアップも特徴だ。

〈OLIVER PEOPLES〉の「1955」

クオリティの高い日本製。ブリッジの彫金も美しい

ちなみにフレームの形は丸みを帯びた逆おむすび型の「ボストンタイプ」に分類されるが、この「ボストン」や前述の「ウェリントン」という呼称は、いずれもアメリカの地名である。だが地名と型には特段の因果関係はなく、その呼び方も日本独自のもの。名付け親は、山本哲司。2018年までオリバーピープルズの製造を担っていた1972年創立のアイウェアブランド〈EYEVAN アイヴァン〉の創業者である。

機能美を宿すスポーツアイウェア。

スポーツアイウェアの草分け的存在といえば〈OAKLEY オークリー〉だ。ブランドの礎となったのは、やはりスポーツ的発想。しかし、それはアイウェアではなく、モトクロスやBMXに使われるハンドルのグリップだった。

1975年、創業者のジム・ジャナードは当時ただのゴムチューブだったグリップを改善すべく、「アンオブタニウム」という素材を開発。水分を得てグリップ力を増す同素材は、実に画期的なものだった。これがのちにアイウェアにも活かされていく。現在では約600もの特許を取得するなど、進化はとどまることを知らない。
もちろん、機能とデザインは切り離せるものではなく、その意味ではオークリーの魅力は機能美と言ったほうが正しい。「Frogskins フロッグスキン」は1985年に登場し、一時は廃盤となるも2007年に復活。

〈OAKLEY〉の「Frogskins」

〈OAKLEY〉の「Frogskins」

フレームは軽量かつ耐久性に優れ、レンズは波長の異なるUV-A、UV-B、そして有害な青色光を100%遮断。使い勝手の良いボストンタイプで、サーファーをはじめとするアスリートだけでなくファッショニスタからの支持も厚い。

ひとえにサングラスといっても、その実態は多種多様。それぞれにバックボーンや信念があり、着用者の趣向にコミットする。日差しをプロテクトする実用性は、あくまでその一部にすぎない。

繰り返しになるが、サングラスは夏を最大限に楽しむための相棒だ。そう考えれば、夏の日差しは天敵ではなく、むしろ援護射撃。あなたの夏に、幸あれ!

ONLINE STORE
掲載商品は、代表的な商品例です。入れ違いにより販売が終了している場合があります。
SHARE

RELATED

関連ブランド