FASHION

シャツに学ぶチェック柄の種類と歴史。「ギンガム」「タータン」「マドラス」「オンブレ」ほか

時に名門ブランドの歴史を掘り返し、また時に傑作アイテムの人気の理由を紐解く。こうして手を替え品を替え、様々なモノ語りを編み上げてきた『know brand magazine』。だが今回は少し視点を変えて、ディテールに注目。“柄”という切り口から眺めるのはファッションの深淵、そのほんの入り口。

さて、ひと口に“柄”といっても千差万別。文字通り膨大なパターンが存在する中から今回深掘りするのは、誰もが一度は触れた経験があろう「チェック柄」。街で、雑誌で、ネットで──そして自宅のクローゼットの中にも、気付けば視界のどこかにある格子模様。

そこに込められたルーツや意味、知りえなかった出来事を辿ってみると、いつものアイテムにも新しい価値を見出すことが出来る…かもしれない。

シャツに学ぶチェック柄①
「Gingham Check
ギンガム チェック」とは?
折り目正しい優等生は、また汎用性も高し。

格子柄の嚆矢として放つ1本目は「Gingham Check ギンガム チェック」。白などの薄い色と別の色の2色で構成され、縦と横の太さや間隔が一定の格子柄を指す。代表的なのが黒や紺。その他に可愛らしさのある赤との組み合わせ。これらを筆頭にカラバリも多く、チェック柄の代名詞として愛されている。

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チェック柄認知度ランキングの上位常連といえば「Gingham Check ギンガム チェック」。

ここで気になるのが名前の由来。有力とされるのがマレー語で縞模様を意味する「Genggnag」からという説。元々、マレー語圏で使われていた縞模様の綿布がヨーロッパに輸出され広まったとされる。さらに平織り布地の産地であったフランス・ブルターニュ地方の「Guingamp」から来ているなど諸説あるため、真相は藪の中。

ともあれイギリスを中心にヨーロッパで広まっていく過程で、チェック(格子)柄のギンガムが誕生。以降、チェック柄のギンガム=ギンガム チェックとして定着していったようだ。

ちなみにイギリスでは、理髪店で前掛けに用いられていたことから“エプロン・チェック”とも呼ばれるが、フランスに渡ると“ヴィシー・チェック”に変わる。こちらは繊維産業でかつて活況を呈していたフランス・ヴィシー地方の紡績工場を訪れたナポレオン3世と皇后一行が、ギンガムチェックの綿織物にひと目惚れして大量にお持ち帰り。後のパリで大流行させたことでヴィシーの名が付けられたそうだ。

清潔感や若々しさ、きちんと感があるのに親しみやすいルックは、海を越えて自由の国アメリカでも人気を博していく。明るく・清潔感を感じさせ、若者が身に付ければ誰でも優等生に早変わり。その一方でカジュアルだけでなくドレスやビズとも抜群の相性の良さを見せるため、人生の酸いも甘いも噛み分けた年輩が着用すると、非常に洒落た様相に。

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細かな格子柄の胸元には〈Brooks Brothers ブルックスブラザーズ〉の象徴、ゴールデンリーフがさりげなく。

ボタンダウンシャツことポロカーラーシャツを世界で初めて製作した〈BROOKS BROTHERS ブルックスブラザーズ〉でも定番としてラインアップされているギンガム チェックを、国民的アイドルグループ・AKB48は同名タイトル曲で“恋の模様”と歌った。誰もが一度は手に取った経験があり、そして夢中になる汎用性の高さ。さもありなん。

(→「ボタンダウンシャツ」に関する別の特集記事はこちら)

 

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  (→「ブルックスブラザーズ」の「ギンガムチェックシャツ」をオンラインストアで探す)

 

シャツに学ぶチェック柄②
「Madras Check
マドラス チェック」とは?
涼しげで軽やか。夏に着たくなる多色使い。

万能型のギンガム チェックに続いて紹介するのは、春夏についつい手が伸びる「Madras Check マドラス チェック」。涼しげで軽やかなカラーリングが心躍らす魅惑のチェックだ。名前の由来にもなっているインド東南部のマドラス地方(現・チェンナイ)を原産地とする平織綿布を祖とし、多色で大柄な格子柄が特徴である。

本場インドで生産された当初のマドラス チェック生地=インディア マドラス コットンはヨーロッパに渡り、その通気性の高さもあって夏のワードローブに欠かせない素材に。1930年代には、当時のアメリカにおけるステータス・シンボルであったカリブ海へのリゾート旅行の土産物として、その存在も急速に認知されていった。

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さらりとした肌触りと多色使い、リゾート感も持ち合わせた「Madras Check マドラス チェック」。

そしてコレにいち早く目をつけたのが、アメリカの老舗ブランド〈Brooks Brothers ブルックス ブラザーズ〉。大量に仕入れた生地から夏用のレジャーウェアを制作し、大々的に発売!…したのは良いのだが、ここで問題が。本場インドで生産された当初のマドラス チェック生地は、すべての工程が稚拙で、使用する機械も旧式。生地に傷や織りムラが出来るだけでなく草木染めの天然染料は染み込みにくく、なのに洗えば色が滲んでくるトホホ具合。

多発するこのトラブルに購入客は当然激怒するも、ブルックスブラザーズはその色滲みを逆手に取る起死回生の一手を思いつく。同じモノが存在しない店舗限定のスペシャルピースとして、「Guaranteed to Bleed(滲み保証付き)」の説明書きを付けて販売したのである。このマーケティングキャンペーンが功を奏し、当初の生産数を超えるオーダー数が殺到したとか。まさに災い転じて福(服)となしたワケだ。

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色が滲むというトラブルさえも個性に書き換え、ファッションの一部にさせてしまった手腕はさすが。

1950年代後半から60年代前半にかけては、東部の大学生たちからも多くの支持を集め、アイビールックを象徴する柄となった。キャンパスライフを送る中で徐々にこなれていく色と風合い。これが若者たちの心情にフィットしたのも人気の理由だったのだろう。

かようにしてマドラス チェックは大フィーバー。ブルックス ブラザーズと時同じくして、アメリカントラディショナルの双璧を成す〈Polo Ralph Lauren ポロ ラルフ ローレン〉でも、マドラス チェックを使用したジャケットやショーツなど、多数のアイテムが展開されブームを盛り上げていた。

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赤をベース色とするマドラス チェックはインパクト抜群。ラインやベースカラーの自由度が高いため、このように様々な組み合わせが存在する。

とりわけ異なるマドラス チェックの生地を繋ぎ合わせてパッチワークした「クレイジーマドラス」は高い人気を誇った。90年代後半、裏原宿カルチャーの洗礼を浴びた読者諸氏であれば、雑誌『asayan』の誌上フリーマーケット企画「バイヤーズ・キャノンボール」で、界隈のファッショニスタたちの買い付けリストに入っていたクレイジーマドラスに羨望の眼差しを送った覚えもあるかと。

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どちらのブランドのマドラス チェックも捨てがたい。自分好みが選べる多様性は大きな魅力だ。

ちなみにマドラスチェックの柄には特定のルールは存在せず、暗めの配色から多色でランダムな色使いまで多種多様。それら全てをフリーダムに飲み込む懐の深さは、インドを流れるガンジス川にもよく似たり。

(→〈ポロラルフローレン〉の「クレイジーマドラス」に関する記事はこちら

 

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シャツに学ぶチェック柄③
「Tattersall Check
タッタソール チェック」とは?
トラッドスタイル信者が愛する、
縁の下の力持ち。

3つ目は、なんとも聞きなれないネーミングの「Tattersall Check タッタソール チェック」。白地や生成り地のベースに2色のラインを交互に配した格子柄である。生まれはイギリスのロンドン。

リチャード・タッターソールという人物が1766年、馬の取引を行う会社をロンドンに設立。ここの馬市場「タッタソール」で使用された馬用ブランケットの模様が名前の由来だ。表記には「タターソール」「タッターソールズ」などの揺れがあり、日本では馬や柄にちなみ「乗馬格子」「二重格子」とも呼称される。ラインの色は赤×黒、茶×黄などの組み合わせが多く、主にシャツやベストの柄として出会う機会が多い。

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大人っぽく、落ち着いていて飾りすぎない印象を与えるタッタ ソール チェック。

今回は、同郷のブランド〈Nigel Cabourn ナイジェル‧ケーボン〉のシャツをサンプルとして用意した。イギリス陸軍のアーカイブを下敷きにした、ブリティッシュオフィサーシャツといわれる定番スタイルで、前立て部分から裾にかけて描き出されるカーブがポイント。飾りっ気なくシックな雰囲気の柄により、ブリティッシュカントリーとミリタリーの要素が巧みにミックスされている。

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アメリカントラディショナル、ブリティッシュトラディショナル系の着こなしにも相性バツグン。

アメリカントラディショナルを掲げる〈J.PRESS Jプレス〉でも、タッタソール チェックのボタンダウンシャツは定番となっているし、“ギターの神様”とも称されるミュージシャン、エリック・クランプトンがオーナーを務める、ブリティッシュトラディショナルの名店「CORDINGS コーディングス」においても、同柄のシャツはアイコンとして愛されている。

見た目は地味だが使える、そんな縁の下の力持ち。英米問わずトラッドスタイルの信奉者にとって、決してハズすことの出来ない柄なのである。

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  (→「ナイジェル・ケーボン」の「タッタソールチェックシャツ」をオンラインストアで探す)

 

シャツに学ぶチェック柄④
「Ombre Check
オンブレ チェック」とは?
どこか不良の匂いがする
サブカル的チェック柄。

「気付けば視界のどこかにある格子柄」という言葉は、人気のチェック柄とも言い換えられる。これを本稿のテーマとして遵守するならば、「Ombre Check オンブレ チェック」にも触れておかねばなるまい。

1950年代頃から、アメリカで多く流通していたファクトリーブランドである〈ARROW アロー〉や〈BRENT ブレント〉〈TOWNCRAFT タウンクラフト〉からも、開襟シャツの柄として数多くリリースされていた。当時は庶民でも手に取りやすい価格だったからか、懐の寂しい不良やバイカーたちが着用するようになり、次第に彼らのアイコンになっていく。

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以前は手に入れやすかったオンブレ チェックシャツも、昨今の古着ブームの影響でヴィンテージは価格高騰。

名前の由来である「Ombre」とはフランス語で「陰影」また「くすんだ色の」を意味し、濃淡それぞれの色を徐々に変化をつけつつ織り立てることで、チェックの境界部分にグラデーションが生まれ、ラフでカジュアルな雰囲気が醸し出されている。これまでの均等のブロックで規則正しく織られたチェック柄とは打って変わり、反体制的なムードさえある。これがアウトサイダーたちに好まれた理由の一つだろう。

事実、1960年代のアメリカを舞台に、若者グループの抗争を描いた映画「アウトサイダー」では、貧困層の不良グループがオンブレチェックシャツを、富裕層の優等生グループがマドラスチェックシャツを着用するなど、貧富や階層の違いの表現としても用いられた。

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テロテロとしたしなやかな質感も特徴の一つ。こだわるのであれば当時と同じレーヨン100%がオススメ。

その後も、1970年代を舞台にした映画『ロード・オブ・ドッグタウン』ではスケーターたちが、1990年代には、グランジカルチャーの象徴的存在・ニルヴァーナのVo.カート・コバーンが愛用。映画だけでなく音楽などのカルチャーとも縁の深いチェック柄として世に知れ渡っていった。そういう意味では、メインカルチャーの匂いがした前出3種に対し、サブカルチャー的な存在であると言えよう。

また、折からの古着ブームの影響もあって、ヴィンテージのシャツがかつての立ち位置を知る世代には信じられない位の高額で取引されている現状も興味深い。よほどの数寄者か富裕層、そして本物のアウトサイダーにしか纏うことを許されない柄となる日も、そう遠くはなさそうだ。

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  (→「タウンクラフト」の「オンブレチェックシャツ」をオンラインストアで探す)

 

シャツに学ぶチェック柄⑤
「Buffalo Check
バッファロー チェック」とは?
タフで力強い
アメリカンスピリッツを体現する。

先ほどのオンブレ チェックと並び、アメリカンカジュアルに欠かせないもう一つのチェック柄とくれば、アメカジ・ラバー基本のキ、「Buffalo Check バッファロー チェック」をお忘れなく。赤や緑、黄色などの濃色をベースに薄い黒のラインを重ねて交差部分を濃い黒で表現した、大きめの格子柄がそれ。

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大きな格子柄がワイルドで無骨なイメージを演出。アメカジ好きにはこの野暮ったさがたまらないのだ。

黒×白、黒×青など多くの配色が存在する中で、もっとも“らしい”と言えるのが黒×赤。“狩猟者が見通しの悪い山中でのハンティングの際に、仲間を誤射しないように生まれたもの”と言われている。素人は「派手すぎて狩りには向かないのでは?」と思いがちだが、主な獲物である鹿は色盲で赤と黒の識別が出来ないため問題ないという。この辺はハンティングウェアの定番色に色鮮やかなオレンジが用いられている理由と同じ。

さらにこの柄自体のルーツを探ると、先述した狩猟者が山中で人と獲物を誤認するのを防止するため発案したという説の他、スコットランドの英雄で義賊のロバート・ロイ・マグレガー考案説や、ニューヨーク州の都市・バッファローに由来説など、諸説入り乱れる。

とはいえ、「バッファロー チェック」という名称が、1830年創業・アメリカ最古のアウトドアウェアブランドの1つ〈WOOLRICH ウールリッチ〉発であることは間違いない。その名は当時のデザイナーが“バッファローの群れを飼っていた”からだとか。子どもの嘘みたいな話で真偽も定かではないが、なんともアメリカらしいエピック。他者にウンチクとして披露する際には、嘘つきと笑われる覚悟を持って臨むべし。

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ブランケットで有名な「WOOLRICH ウールリッチ」がバッファロー チェックという名称を広めた。

その名からも連想されるように、着る者に力強く無骨な印象を付与するバッファロー チェック。その反面、やや野暮ったさも醸し出されるが、そこも良い。いや、そこ“が”良い。今、見かける機会も着る機会もめっきり減った王道アメカジファッション。その必須アイテムであるネルシャツやウールシャツには、同柄に秘められた不屈の精神とタフネスが今も息づいているのだ。

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(→「ウールリッチ」の「バッファローチェックシャツ」をオンラインストアで探す)

 

シャツに学ぶチェック柄⑥
「Tartan Check
タータン チェック」とは?
そもそもの用途は家紋なマイ・タータン。

思えば「Tartan Check タータン チェック」ほど、人々の生活と密に結びついたチェック柄はないだろう。マフラーやアウターの裏地、クリスマスのリボンなど冬には欠かせない演出装置としてもお馴染み。二重三重にチェック模様を重ねて複雑な柄を形成するこの伝統的な柄は、英国北部の地域・スコットランドを故郷とする。

元々は同地の氏族(クラン)が自家の紋章の代わりに用いていたもので、同じく島国・日本でいうところの家紋。ゆえにそのバリエーションも幾数多。その上、政府機関が管理するスコットランド・タータン登記所に登録されているもの以外は正式なタータンと認められず、〈Burberry バーバリー〉の「バーバリーチェック」や、伊勢丹の「マクミラン/イセタン」も当然のこと登録済み。

だからといって厳格な審査があるかと言われたらNO。同登記所のウェブサイトを通して申請すれば、誰でもオリジナルのタータンを作ることが可能だ。しかも登録費用はわずか数十ポンド。SNSの自アカウントのQRコードの如く、簡単に作れるというからぜひ一度試したいもの。

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現在では、氏族(クラン)だけでなく様々なバリエーションが多く存在するタータン チェック。

こうして現在では、地域に根ざしたディストリクト タータン、氏族を示すクラン タータン、王室専用のロイヤル タータン、軍隊用のアーム タータン、誰もが身に着けられるユニバーサル タータン、企業や組織が用いるコーポレート タータンの6種類に大別されるまでに増殖。

取り分け、イギリス王室が用いてきた「ロイヤル タータン」はスペシャル中のスペシャル。赤・黒・緑・黄などが組み合わさった「ロイヤルスチュアート タータン」は、かのエリザベス女王も愛用していることで知られるが、実は誰でも使用可能な王室公認のタータンでもある。

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スコットランド王室のスチュアート家にちなんだ名前を持つ「ロイヤルスチュアート タータン」。

そんな我々庶民にも馴染み深いタータンも1746年、消滅の危機があった。当時、スコットランドは対立していたイングランドと連合王国となるも、反政府軍による武装蜂起が頻発。その中心であったハイランド人たちは鎮圧された後、徹底的に弾圧・処刑されることに。この時、政府は彼らの民族衣装であったタータンの使用を禁ずる“タータン禁止令”を施行。

一方、反乱を防ぐために組織された軍隊には特別にタータンの使用が許可された。そのタータンこそ「ブラック ウォッチ」。紺と濃緑の地に走る黒いライン。闇に紛れる暗い色調から“黒い見張り番”を意味するこの柄を着用した勇猛なるスコットランド連隊は、世界中の派遣先においてその名を轟かせることなる。

弾圧の憂き目に遭った反政府軍の人々は、これを契機にアメリカやカナダへ移民。かくしてタータンはイギリスを飛び出して国外へも広まっていったのだから、なんとも皮肉な話ではないか。

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唯一、タータン禁止令時にも使用が許可されたのが「ブラックウォッチ」。連隊の愛称がそのままタータンの名称に変化したため、柄名の後ろにタータンは付けないのがお約束。

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裾にそっと添えるポロ ラルフ ローレンのアイコン「ポロポニー」。ダークカラーのブラックウォッチによく映える。

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無限ともいえる色のコンビネーションにより、表情豊かなタータンが数多く誕生した。

大西洋を渡ったアメリカでもタータン、そしてブラックウォッチの人気は揺るぎない。アメトラの定番ブランド、ポロ ラルフ ローレンのシャツ「The Big Oxford ザ ビッグオックスフォード」では、リラックスしたサイジングと落ち着いた印象を与えるブラックウォッチを巧みに融合。数多あるタータンの中でも、トップクラスの実力(使い勝手の良さ)を誇るその姿は、まさしくスコットランド連隊の如し。

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縦縞と横縞が交差した格子状の模様、チェックは日本古来の伝統的な模様の1つでもあり、永遠、発展、繁栄などの意味を持つ。ゆえに一種の縁起ものとも言える。

今回紹介した以外にも、ハンドトゥース、アーガイル、グレン チェック、ガンクラブ チェックなどなど、種類膨大、並べれば枚挙に暇がない。なので、これらの紹介はまた別の機会に譲るとして、最後にここまで我慢してきた一言を。

「どのチェックも要チェック!」

…柄にもないことは言うものではない。

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