FASHION

枯渇化必⾄!こだわるならUSA製オールド〈STÜSSY ステューシー〉を! 【前編】Tシャツ・スウェットetc.

時を経て風化せず、むしろ深みを増す。そんな数少ない“絶滅危惧種”のなかでも、今とりわけ注視に値する服がある。枯渇化する未来が定められたネオ・ヴィンテージの雄、USA製の〈STÜSSY ステューシー〉だ。

苛烈な初期衝動、自由と共存への飽くなき情熱。それらが渾然一体となり、「OLD STÜSSY オールドステューシー」は無二のバイブスを響かせる。サーフ、アート、ミュージック。多彩なカルチャーと融合して“ストリートのキング”にまで成長を遂げたブランドの、誇り高き魂を代弁する。

ただそれを眺めるか、それとも実際に身に纏うか。決断は今。

〈STÜSSY ステューシー〉
頼れる同志とともに、
ストリートの伝説を紡ぐ

傍観者か当事者か。自らのスタンスを決めるうえで、まずは強力な背中押しを。シンデレラに例えるにはあまりにヒップでエッジィな、世界的サクセスストーリーを紐解こう。

発端は1980年。カリフォルニア州のラグナビーチでローカルのためのボードシェイパーを務めていたショーン・ステューシーが、自身の名を記したプロモーショングッズを作成。サーフボード、Tシャツ、ショーツなどを彩るシンプルな“殴り書き”で、歴史の扉を開いた。

1982年には、ウエストコーストで開催されていた業界最大級のマーケットショー「アクション・スポーツ・リテイラー(ASR)」に出展。サインロゴをプリントしたTシャツ1,000枚とボード24本は大好評を博し、瞬く間にソールドアウトを記録している。

ビーチサイドから立ち上った熱狂は、次第に都会へも侵攻する。しかもサーファーだけでなく、スケーターやラッパーをも巻き込んで。一見ベーシックなフォントデザインに込められた、自己主張と開放感。その軽やかで独特な空気が、同じく自由を愛する同胞に受け入れられたことは想像に難くないだろう。

ファッション好きなら誰もが知っている〈STÜSSY ステューシー〉のロゴ

 

勢いはますます加速し、1986年にニューヨークとロサンゼルスにてショールームがオープン。同年に日本展開もスタートさせ、文字通りに海を越えてコミュニティの存在感が高まっていく。そして1987年、ついに決定打が放たれた。「IST(International STÜSSY Tribe)」構想の誕⽣である。

世界中の⾳楽家やスケーター、DJ、アーティストなど、類似した感性を持つ仲間たちが、ショーン・ステューシーの旗の元に集結。彼らは単なる寄せ集め集団ではなく、崇高な“トライブ(部族)”として爆発的憧れの対象となった。なお、とある雑誌インタビューでの邂逅を経て、アジア人として初めて藤原ヒロシ氏がISTに選出されている。

著名人やトレンドリーダーに無償で服を着てもらい、話題を提供する。熱が冷めたインスタントな現代社会においては、ありきたりなマーケティングと捉えられるかもしれない。ただし当時としてその手法は極めて珍しく、フレッシュで純粋な温度感が存在していたのも事実。猿真似ではない、オリジナルの強みが確かに存在したのだ。

そんな構想の成功もあって、1990年代に入るとワールドワイドな発展に拍車がかかる。ロンドンや東京などの主要都市で⼈気が急激に拡⼤し、ストリートブランドの代名詞に。1991年にニューヨークの1号店、翌1992年に⽇本初の直営店「STÜSSY GEAR ステューシーギア」が東京・⾃由が丘に完成。前者は後の〈Supreme シュプリーム〉創始者であり、「UNION NYC」を手掛けたジェームス・ジェビアによって運営されたことも熱心なファンの語り草となっている。

とはいえ、現在に至るまですべてが順調だったわけではない。1996年には創業以来最大の経営難に直面し、ショーン・ステューシーが電撃退任を発表。その後2011年に彼はアート・サーフ・ファッションを融合した新ブランド「S/DOUBLE エスダブル」を⽴ち上げたが、2016年に休⽌している。

それでも本物は死なず。業界内外からラブコールが鳴り止まないまでにステューシーは持ち直し、“新生”エスダブルも2024年にリスタートを切った。もちろん、前述の通りオールドステューシー再評価の機運は高まるばかり。この波、やはり乗り遅れるべからず。

→〈シュプリーム〉に関する特集記事はこちら

枯渇化必⾄!
USAオールド〈ステューシー〉
名作揃いのTシャツで、
異色を放つ“ハーレーT”

前編となる本稿では計5着のUSA製傑作トップスを紹介するが、まずは超ベーシックアイテムであるTシャツから。とはいえステューシーのそれは単なる日常着の枠から強烈にはみ出した、ステイヤングなアイコンである。

ステューシーの代表作であるTシャツにあって、“ハーレーT”は異色の存在感を放つ。

そんな名作揃いのカテゴリーにあって、この通称“ハーレーT”は少々異色。ある意味でステューシーのイメージから外れた〈Harley Davitson ハーレーダビッドソン〉とおぼしきグラフィックが、背面に堂々とプリントされている。

背中に位置するイラストは、1940年代に作られたヴィンテージバイクがモチーフ?

緻密なイラストをよくよく観察すれば、通称「パンヘッド」エンジンを搭載した1948年頃のモデルのハーレーに酷似。フロントの「スプリンガーフォーク」、ヘッドライト、前後のフェンダーデザインやハンドルとシートの形状など、細部の表現にアメリカンカルチャーへの敬愛が見て取れる。

お馴染みのロゴとショーンフォントで描かれた「REMIXED CLASSICS」のメッセージが、胸元に踊る。

大胆なグラフィックの下部には、お馴染みのロゴとともに「BUIL FOR THE LONG HAUL」と記す「ショーンフォント」が。直訳すれば、「⻑期間の使⽤に耐えうるほど頑丈に、⾼い耐久性を持って作られている」。バイクもTシャツも、真の愛を持って接すればエターナルな輝きを失わない。

付属の紺タグは、2000年前後の生まれとともにアメリカで作られたことを指し示す。

ところで、他の老舗ブランドと同様にステューシーも年代ごとのタグデザインが異なり、それが製造時期を見極める貴重な手掛かりに。本作のタグは「紺タグ」と呼ばれ、1998年〜2000年頃の復刻版であることを明らかにする。

フロントにもバックと同じメッセージが添えられた“初代”ハーレーTは1980年代の生まれ。そんな先輩に希少価値の面では道を譲るものの、ブランドの正道からは逸脱せず。タグの最下部に置かれた、「MADE IN USA」表記がその証左だ。

〈ステューシー〉の「Tシャツ」に関する特集記事はこちら

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枯渇化必⾄!
USA製オールド〈ステューシー〉
王道ロゴがフランス国旗上に輝く
ワールドワイド・スウェット

お次もデイリーウェアとしては大定番ながら、Tシャツに比べて弾数が少ないスウェットをピックアップ。とりわけ、メイド・イン・USAのオールドステューシーとなればプレミア化は火を見るよりも明らか。いち早く手に入れておきたい逸品だ。

ヴィンテージ然としたフェードカラーと鮮やかな両面プリントがマッチした、フリーク垂涎のスウェット。

程良くフェードしたボディがナチュラルなヴィンテージテイストを醸す1着は、左胸と背中に鮮烈なアイキャッチを配置。フランス国旗を形作るトリコロールの上で、定番のロゴが鮮やかに主張する。

お馴染みのロゴとトリコロールを組み合わせて、外周にはワールドワイドなブランドの矜持を記す。

そのサークルの外周は、「BUILT IN USA・MADE FOR WARLD」の文字で飾られる。アメリカで作られた、全世界のためのデザイン。ステューシーのグローバルな人気が垣間見えるとともに、地に足のついたブランド哲学を象徴する簡潔な金言といえよう。

やや横長にデザインされた1990年代の紺タグの裏側には、粋なメッセージも。

首元のタグには、ロゴとサイズ表記の下に当然の如く「MADE IN USA」と記載。その裏を返すと現れる「HAVE A GOOD VIBE!!」のメッセージも、実に粋ではないか。

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枯渇化必⾄!
USA製オールド〈ステューシー〉
背中と胸元で
「Sクラウン」&「クロスボーン」が
夢の共演

同じくスウェットで、もうひと型。渋みあるモスグリーンカラーのキャンパスに、フリークを虜にするアイコンが華々しく。「Sクラウン」と「クロスボーン」をダブルで備えた、文句なしで主役級の1着だ。

背中と胸元。双方にアイコニックな“ダブル主役”を乗せたオールドステューシーは、さましくお宝!

ブランドの頭文字に王冠を乗せたSクラウンは、ショーン・ステューシーによって1980年代に生み出された初期の代表的モチーフ。オールドステューシーの魅力が凝縮した、エターナルなグッドデザインである。

「Sクラウン」と「クロスボーン」が合体し、スタイリッシュに夢の共演を果たす。

クロスボーンはロゴやスカルとの組み合わせが定番ながら、本作ではSクラウンとの夢の共演が実現。ブルー&ホワイトの色彩は清々しく、シックなボディカラーとのギャップがモダンコーディネイトのアクセントにもなってくれるはずだ。

2000代初期のモデルに付属するこのタグも、裏側に「MADE IN U.S.A.」と記される。

タグのデザインから判断するに、本作は2000年初頭(2001〜2005年)の作品か。その表面には生産国表示はないものの、裏面の刺繍でMADE IN USAが保証されている。以上を踏まえると、製造の正確な時期は2003年頃。おそらくはアメリカ産の最終シーズンに当たると思われる。

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枯渇化必⾄!
USA製オールド〈ステューシー〉
遊びを知る大人の余裕を表現した、
アノ「モノグラム」柄

パクリではない。オマージュ、リスペクトであり、カウンター的パロディである。シャツの全面に配された既視感のある小紋柄が、型にハマらないやり口を痛烈にアピール。ステューシーらしいウィットに富んだ、中毒性のある柄シャツに違いない。

ステューシーの柄シャツを象徴する、遊び心に満ちたモノグラムは必見。

おそらく、いや確実に〈LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン〉の影響を受けたモノグラムは、つぶさに観察すれば幾層もの仕掛けに驚かされる。本家さながらの幾何学的花柄の傍らで、カルチャー香るターンテーブルデザイン、はたまた〈CHANEL シャネル〉と瓜ふたつの「S」を左右に重ねた通称「シャネルロゴ」まで組み合わせているのだから。

インパクト特大のモノグラム柄のなかには、ターンテーブルや某著名ブランドのロゴを模したデザインも。

やや贔屓目に見て語るならば、これこそステューシーの先見の明。今や珍しくなくなったストリートファッション×ラグジュアリーの融合を、時代に先んじて取り入れた好例。と、言えなくもない。はず。

見るものを圧倒するルックスに反して、ベースシルエットはスタンダード。使い勝手のいいB.D.シャツの仕様に。

さて、本体のベース自体はとことんベーシックなB.D.シャツを踏襲。あくまで着回しやすいオーソドックスフィットに大胆な柄を乗せることで、刺激ある日常を提案しているとも捉えられよう。

クラウンが刺繍された小さいタグに、堂々と「MADE IN U.S.A.」の証しが。

首元のタグは90年代のデザインだが、Tシャツやスウェットのそれとは異なりロゴのみを記載。製造国の表記はない。とはいえご安心されたし。ボディ内側にはクラウンが刺繍された黒いタグとともに、「MADE IN USA」とプリントされた白タグの姿あり。

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枯渇化必⾄!
USA製オールド〈ステューシー〉
タフ&ラフにこなしたい
「BURLY GEAR バーリー ギア」の
名作ベスト

派手な柄にもプリントにも頼らない、ともすればストイックなビジュアル。ただし紛れもないオールドステューシーの花形、「BURLY GEAR バーリーギア」のベストに本稿のトリを任せたい。

柔らかなスウェット生地を纏う「BURLY GEAR バーリー ギア」のベスト。シンプルデザインにも“らしさ”が香る。

「筋骨逞しい道具」を意味するこのフレーズ、実はブランド創設当初からウェア全般の総称として⽤いられていた。本作の堅牢な作り、無駄を削ぎ落としたソリッドなテイストもその看板に違わず。流行り廃りへの目配せとは無縁の、ヘビーデューティな面影を今に伝える。

ポケット脇には、さりげなくピスネームを配置。丁寧なパイピングもお見逃しなく。

レイヤー自在で着回し力が高く、フリースの温かみは大人を優しく包み込む。まさに、これからの季節に大活躍必至の相棒候補だ。唯一、フロントに配されたポケット脇のピスネームに小さな「SSリンク」が輝く。その繊細な味付けも、大事の前の小事となりうる。

ロゴ入りの背タグ、スペックを表示する内タグともにショーンフォントを使用する徹底ぶりに悶絶。

見逃し厳禁のディテールは、タグデザインにも散見する。ブランドロゴと「BURLY GEAR」の文字を刺繍した背中のタグ、MADE IN USAを記す内タグのいずれも、唯一無二のショーンフォントを採用。傍目からは気付かれずとも、着用者のココロを楽しく踊らせる。

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服を着る。それが外敵や気候から身を守るための、ただ生きるためだけの行為であれば、この世はなんと退屈なことだろうか。面白い服とはただの道具・装備ではなく、作り手と着る人の双方にとって自己表現と共有を助けるマルチツールであるべきだろう。

そんな理想を飄々と実現したかつてのステューシーに今、再びの愛情を示さずにいられない。より強く打ち鳴らすその拍手には、もう巻き戻すことのできない青春の痛みも伴って。

次回の後編では、冬場を彩るアウターを中心にお届け。終わらない伝説の“当事者”になると決めた賢明なあなたに、さらなる吉報を届けよう。

(→「枯渇化必至!こだわるならUSA製オールド〈STÜSSY ステユーシー〉を!【後編】」はこちら)

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