CULTURE

“TOKYO カルチャーの発信源”・渋谷 PARCO に「2nd OUTDOOR」がある理由-後編-

東京都・渋谷。日本のカルチャーの中心地として世界的に認知されているこの街の一角、公園通りの真ん中に「渋谷 PARCO」が登場したのが 1973 年。以来、80 年代後半まで同店を中心とする“セゾンカルチャー”が、都市生活者に向けたライフスタイルの提案やエンタテインメントを通じた情報発信を行い、ファッションのみならず音楽やアートなど日本に新たな文化的潮流を生み出し、その牽引者となっていたことはよく知られた話。

そして 2019 年、日本から世界へとカルチャーを発信するベースステーション、“新生”渋谷 PARCO として完全リニューアル。渋谷・公園通りに物理的&文化的ランドマークが戻ってきたと大きな話題となった。そんな同店の 5F に 2021 年 9 月 10 日に誕生したのが「PARCO OUTDOOR PARK(パルコ アウトドア パーク)」である。現在、フロアの約半分をアウトドアショップが占めるこのエリアの 1 周年を記念し、リユースショップを全国展開する「2nd STREET セカンドストリート」のアウトドア専門店「2nd OUTDOOR セカンドアウトドア」が、期間限定でオープン中。

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そこで本記事では、PARCO OUTDOOR PARK から貞安 遥さん、2nd OUTDOOR からは川口 亮さんというキーマン2人に集まってもらい、【前編】・【後編】の2回に分けて、会話の中から“渋谷 PARCO に 2nd OUTDOOR がある理由とはなにか”を紐解く。この【後編】では、【前編】で聞いた“2nd OUTDOOR とは、どんなショップなのか”、また“そこでは、どういったアイテムに触れることができるのか”という内容から、さらに一歩進めて、本インタビューの根幹部分へ迫っていく。

渋谷 PARCO 5F のPARCO OUTDOOR PARK に、なぜ 2nd OUTDOOR が出店?

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-この 2nd OUTDOOR が並ぶ、渋谷 PARCO5F の PARCO OUTDOOR PARK が、どういった背景から誕生したエリアなのか教えていただけますか?

貞安:2019 年のリニューアル以降、ありがたいことに“渋谷 PARCO=ファッションの発信地”というイメージが再び定着しましたが、館内には映画館や劇場もありますし、各種イベントを行ったりと色々なカルチャーを常に取り込んできました。我われはカルチャーにとってストーリーがすごく大事だと考えています。そういった部分において、渋谷 PARCO と非常に親和性が高かったのが、“ライフスタイルのトレンドとしてあった”アウトドアというジャンルでした。

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-なるほど。そこでアウトドアをテーマにしたエリアを作るという話になったと。

貞安:ですが量販店的なことをやっても面白くないし、そもそもコダワリを持ったお客様が多いのが渋谷 PARCO。フェスや音楽だったりアウトドアクティビティだったりと、多様なカルチャーと繋がったコミュニティを表面的なモノではなく、しっかりと取り込めるようなエリアを作るためにはどうすればいいか。そこで、100 年の歴史を誇るアウトドアストア「ogawa GRAND lodge オガワグランドロッジ」と、北欧デンマーク発のアウトドアブランド〈NORDISK ノルディック〉のオフィシャルコンセプトストアである「NORDISK CAMP SUPPLY STORE SHIBUYA ノルディスク キャンプ サプライ ストア シブヤ」をキーにして、”機能性とモノとしての美しさやファッション性”を兼ね備えたゾーニングで誕生したのが PARCO OUTDOOR PARK です。

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-オープン時、業界内でも「渋谷 PARCO が本気でアウトドアを取り扱うそうだ」と話題になりました。川口さんは、このニュースをどのように見ていましたか?

川口:そうでしたよね。ただウチの場合、2nd STREET はもちろん 2nd OUTDOOR も郊外型店舗が中心となるので、渋谷という日本のトレンドの中心で起きている出来事に対して、どうしても現実感がないというか、まるで別の国をお話のように捉えていた節はありました。そもそも、お客様から買取をしてまた店舗で販売するという 2 次流通の業態が、1 次流通の他店舗さんから嫌がられるところも多いですし。

-【前編】でもその辺りのジレンマについてお話されていましたが、そんな中で渋谷 PARCO さんサイドはなぜ出店を打診されたのでしょうか?

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貞安:渋谷 PARCO にはリニューアルオープン時から買取専門店が入っていたのですが、そこも非常に好調で。良いモノを長く使い、循環していく“サスティナブル”という社会的テーマは、渋谷 PARCO としても重要な課題だったため、そこに特化しているという点が、我われの求めるものに合致していたのは大きいです。また、【前編】でもお話ししたように、売り場面積自体にも限りがある中で、いかにして PARCO OUTDOOR PARK 内で他ショップとの差別化を図れるか。そこでリユースショップならではの“買取”というアクションがキーポイントになると、我われは考えました。しかしそれは、在庫を沢山抱えることが出来る郊外店舗だからこそやれることで、なかなか都心で実現させるのは難しい。ただ、ここ渋谷でも確実に需要があると想定できましたし、そこでモノとヒトを繋げて循環させるハブ的存在があった方がいいということで、今回出店いただく運びとなりました。

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-アウトドアパークの 1 周年のタイミングになったのにも、何かしらの理由が?

貞安:ヴィンテージやリユースに対して、お客様の理解が進んで土台が出来てきたタイミングだったというのは、理由の1つにあるかなと思っています。ちょうど今年 2 月に、4 F で色々な古着屋さんを集めて、定期的に入れ替わっていくという新しい売り場づくりを Vintage Collection Mall さんに展開いただいたのですが、同店舗が渋谷 PARCO 屋上でイベントを実施した際も、非常に好調でしたし、お客様がそういったものを求めてるっていうのを我われも実感しています。

(→渋谷 PARCO 「PARCO OUTDOOR PARK(パルコ アウトドア パーク)」の詳細は、こちら)
(→2nd OUTDOOR の詳細は、こちら)

しっかりとテーマを設けて商品を集めることで、アイテム自体の価値を上げる。

-2nd OUTDOOR を渋谷 PARCO さんに出店するにあたって、意識した点を教えてください。

川口:お話をいいただき実際に建物を内見させていただいたのはもちろん、渋谷 PARCO さんの近隣エリアに出店している同業他店も視察した結果、「正直、これなら戦えるな」と思いました。どこもあくまで“ブランド古着屋”という視点でリユースアイテムを扱う店舗が多かったので、それに対して、我われはしっかりとテーマを設けて商品を集めることで、アイテムそのものの価値を上げるように意識しました。例えば、郊外店舗の売り場に 1 点だけ置いてあるだけでは売れづらいモノを、数と種類を 1 ヶ 所集めたことで販売速度を上げることが出来るのではないだろうか? と。

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-実際にお客様はどのような反応を示していますか?

川口:やっぱり郊外店とは違って、平日の夜帯はファッション感度高めの方が多く、対して土・日の昼間はファミリー層が多めと、少し客層も分かれているように感じています。それに、そもそも渋谷 PARCO を訪れるお客様の多くが、すでにお目当てのアイテムがあるか、何かしら気になるモノがあれば買い物をしようという方々ということもあって、ちょっと値の張るアイテムもよく動いています。

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貞安:たしかに皆さん本当にコダワリが強いお客様が多いので、価格で判断するのではなくモノの価値をしっかり理解されていて、コレだと思ったら躊躇なく買っていかれますね。特にヴィンテージのウェアやギアは一点物が多いので、そういった一期一会的な出会いも含めて、皆さん楽しんでいらっしゃるのではないかなと思っています。

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-アイテムとしてはどんなモノが人気ですか?

川口:具体的なブランド名を挙げると、アウトドアなら〈Columbia コロンビア〉や〈Marmot マーモット〉よりは〈SnowPeak スノーピーク〉や〈ARC’TERYX アークテリクス〉といったファッションにも取り入れやすいブランドの方が動きが良かったり、ヴィンテージ古着の中でいえば、ミリタリー系やワーク系は好調だけれど、デニム系はイマイチだなぁといった感じでしょうか。

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川口:そういった意味では、渋谷というエリアでどんなアイテムが受け入れられるのか、我われ的には消費傾向を探るアンテナショップ的な役割も果たしているのかなと。実際、“ヴィンテージ”とひと括りにしてはいますが、どういったアイテムが渋谷 PARCO のお客様にハマるのか未知数だったので、最初に入れたアイテムの中で反応が良かったモノを強化し、芳しくなかったモノを入れ替えるようにしました。その中で、だいぶ正解が見えてきた気はしています。

-店頭に並べることで需要を推し量ることが出来ると。ちなみにアイテムの入れ替えも頻繁に行われるのでしょうか?

川口:はい。季節的な切り替えのタイミングと実際の商品の動きを見た上でのフィードバック。あとはイベントがあった際のタイミングでと考えています。11 月 18 日から開催される渋谷 PARCO の 3 周年イベントは”音”がテーマなので、そこに合わせて商品を追加しようと思いますし、ヴィンテージ古着でも“ちょっとこの辺集めてみたら面白いかも”というジャンルを扱うことが出来ればと考えています。

時代を超えて愛されるモノやデザインを見つけ出す“楽しみ”を提供する。

-では、最後に改めてお聞きします。2nd STREET が、渋谷 PARCO さんに 2nd OUTDOOR を出店したことで、お互いにとって、そして訪れるお客様にとってどんなメリットやプラス効果が期待できるのでしょうか?

川口:今回のインタビューで何度か話にも挙がったように、“我われが普段関わることの少ない層のお客様が、どういったモノを求めているのか”を肌で感じることが出来ているのは、大きなプラスになっていると思います。また、そういったお客様に対して、これまで街中にはなかった 2nd OUTDOOR という業態を知ってもらう。その入口になってくれれば良いなと考えています。

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-他店舗とは違った提案とフレキシブルな対応という点では、渋谷 PARCO さんサイドとしても心強いのでは?

貞安:本当に何を相談しても、絶対に応えてくれる。その安心感といったら(笑)。渋谷 PARCO としても、同業他店とは違った形での企画や、様々な取り組みをしたいと考えていますし、それを軸としたデジタルコンテンツを作って情報を発信するまでを含めてが、我われの仕事。なのでこうしてお互いが利益を享受できる Win-Win の関係は理想的だなと思っています。

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-“サスティナブル”を重要なテーマとして捉えている渋谷 PARCO さんにとって、モノを循環させるリユースショップ、2nd OUTDOOR の存在は大きいということですね。

貞安:そうですね。渋谷 PARCO において、最先端のトレンドを提案していただいているショップは沢山ありますが、リユースという絶対に他のブランドやショップには出来ない提案をしていただけているというのは、本当に大きな意味があると思っています。お客様の中にも、時代を超えて愛されるモノやデザインを、自分自身の手で見つけ出して楽しむ術を知っていらっしゃる方々は多いですし、実際にそういった“楽しみ”をお客様に提供できる。これが我われにとって何よりのプラスとなっています。また、お客様にとってのメリットでいえば、これまでは遠くまで行かなくては体験できなかった 2nd OUTDOOR が渋谷という街中で楽しめるという利便性もあります。駐車場も完備されていますので、車でパッと持ってきて、5F に持っていって買い取ってもらう。そうやって気軽にお付き合いいただけると、我われとしても嬉しいですね。

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以上、【後編】では、“そもそも PARCO OUTDOOR PARK になぜ、2nd OUTDOOR が出店したのか”。その根幹部分に迫りつつ、“渋谷 PARCO と 2nd STREET、その両者に相互的にもたらされる影響”について語ってもらった。また記事中にも出てきたが、11 月 18 日の渋谷 PARCO 3 周年イベントに際して仕込んだ、“2nd OUTDOOR ならでは”なアイテムも売り場で展開中。まだ同店を訪れたことがないという読者諸兄は、ぜひこのタイミングに一度足を運ぶことをオススメする。

(→【前編】は、こちら)
(→2nd OUTDOOR 渋谷 PARCO 店の魅力を特集した別コンテンツ『talk about 2nd STREET』は、こちら

●ショップデータ
2nd OUTDOOR 渋谷 PARCO 店
住所/東京都渋谷区宇田川町 15-1 渋谷 PARCO 5F
電話番号/03-6455-0005
営業時間/11:00〜21:00

●プロフィール

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左_貞安 遥さん
(株式会社 PARCO 渋谷店 営業課)
渋谷 PARCO 5 階の PARCO OUTDOOR PARK にオープン時から携わり、その魅力をもっとも知る人物。松本 PARCO 勤務時代にハマって以来、そば屋巡りが趣味。

右_川口 亮さん
(2nd STREET 事業部 2nd STREET 商品 1 課 マネージャー)
「2nd OUTDOOR 渋谷 PARCO 店」の立ち上げから関わり、そのコンセプトから商品セレクトまで、もっとも熟知している。最近は『スプラトゥーン 3』にハマっているそう。

 

Text : TOMMY
Photo: Nobuyuki Kawai

2nd OUTDOORとは
掲載商品は、代表的な商品例です。入れ違いにより販売が終了している場合があります。