毎日の調理でフライパンを使い続けていると、いつの間にか焦げがこびりついてしまうものです。
「フライパンについた焦げを落としたいけれど、方法がわからない」という方も多いでしょう。
本記事では、フライパンに焦げがつく原因や落とし方を解説します。
フライパンの内側が焦げる3つの原因

フライパンを長く使っていると、ある程度焦げがついてしまうのは仕方ないことです。一方で、なぜフライパンが焦げるのかを把握しておくことで、焦げ付きを抑えられる可能性があります。
ここでは、フライパンが焦げる原因を3つ紹介します。
強火調理や余熱不足
フライパンの内側が焦げてしまう原因として、強火での調理や余熱不足が挙げられます。強火で一気に加熱するとフライパン全体に熱が均等に伝わらず、一部だけが高温になってしまい食材が焦げやすくなるためです。
特にフッ素樹脂加工のフライパンは高温に弱く、強火を繰り返すことでコーティングが劣化し、焦げ付きやすくなります。
油の使用量不足
フライパンに油を十分にひかずに調理を始めると、食材がこびり付きやすくなり、焦げの原因になります。特に卵や魚などは油が少ないと接着しやすく、焦げ付きやすいため注意が必要です。
コーティングの劣化
フライパンの内側が焦げ付きやすくなる原因に挙げられるのが、コーティングの劣化です。特にフッ素樹脂加工のフライパンは、使用を重ねるごとに摩耗しやすく、金属ヘラや硬いスポンジの使用で剥がれが進むこともあります。
フライパンの外側が焦げる3つの原因

次に、フライパンの外側が焦げる原因を、3つ紹介します。
フライパンの外側が焦げる原因に心当たりがないか、確認してみてください。
洗い残し
フライパンの外側に、油汚れや食材のカスが洗い残されていると、次回の加熱時にそれらが焼きつくことで焦げの原因になります。特にコンロと接する底面や側面は見落としやすく、汚れが蓄積すると黒ずみだけでなく、ニオイや煙の発生にもつながるため注意が必要です。
コンロの汚れ
フライパンの外側が焦げる原因は、フライパン本体だけでなくコンロ側にもあります。ガスコンロの五徳やIHクッキングヒーターの天板に油汚れやホコリが残っていると、加熱時に汚れがフライパンの底に付着し、焼きついて焦げになることがあります。
フライパンを丁寧に洗っていても、コンロが汚れていると焦げ付きの原因になるため注意しましょう。
火力が強すぎる
調理時に火力が強すぎると、フライパンの外側が過度に加熱され、焦げが付きやすくなります。高温になった外側には、わずかに残った油汚れや調味料が焼き付き、やがて頑固な焦げとなってこびりついてしまいます。
【素材別】フライパンの焦げの落とし方

フライパンについた焦げの落とし方を、素材別に紹介します。
使用しているフライパンの素材に適した方法で、焦げを落としましょう。
フッ素樹脂加工(テフロン)
フッ素樹脂加工のフライパンは、コーティングが傷付きやすいため、金属たわしや研磨剤入りの洗剤はNGです。焦げが気になる場合は、ぬるま湯に重曹を溶かしてフライパンを浸け置きし、柔らかいスポンジでやさしく擦り落とすのが基本。
頑固な焦げには、水と重曹を入れて10分ほど煮立てた後に一晩放置すると、汚れが浮いて落としやすくなります。
鉄製
鉄製フライパンは高温に強く頑丈なため、空焚きによって焦げを炭化させて落とす方法が効果的です。炭化した焦げは、冷ました後に金属たわしでしっかり擦り落とします。
洗剤はコーティングを落とす原因になるため避け、水だけで洗浄しましょう。洗ったあとは水気をしっかり拭き取り、サビ防止のために全体に薄く油を塗って保管するのが基本です。
ステンレス製
ステンレス製のフライパンは、重曹やクエン酸を使った洗浄が効果的です。重曹を溶かした水を加えて煮沸し、一晩置くことで汚れが浮きやすくなります。
しつこい焦げには、ステンレス対応のクレンザーや専用たわしで丁寧に擦り落としましょう。洗浄後は水分をしっかり拭き取り、乾燥させて保管するとサビやくもりを防げます。
アルミニウム製
アルミニウム製のフライパンは、軽くて熱伝導に優れていますが、傷付きやすくデリケートな素材です。焦げ落としには、重曹やクレンザーなどのアルカリ性洗剤は避け、中性洗剤と柔らかいスポンジでやさしく洗浄しましょう。
しつこい焦げには、水にお酢を加えて煮立たせるのが効果的です。酸性成分がこびり付きをゆるめ、素材を傷めずに落とせます。洗浄後はしっかり乾燥させて、変色や劣化を防ぐのがポイントです。
銅製
銅製のフライパンは熱伝導性に優れていますが、変色や腐食を起こしやすい繊細な素材です。焦げ落としには重曹やクエン酸といったアルカリ性・酸性の洗剤は使わず、専用の銅磨き剤か、酢と塩を混ぜた自然素材の方法が適しています。
もし焦げがひどい場合は、ぬるま湯にしばらく浸けて汚れをふやかし、柔らかい布やスポンジでやさしく擦りましょう。
チタン製
チタン製のフライパンは、錆びにくく軽量で丈夫ですが、焦げが一度つくと落としにくいという特徴があります。焦げを落とすには、フライパンに水と重曹を入れて煮沸し、冷ました後に柔らかいスポンジでやさしく擦りましょう。
なお、金属たわしや研磨剤入りの洗剤は、表面を傷つける原因になるため使用は避けてください。洗浄後はしっかり水気を拭き取り、乾燥させてから収納すると、より長く美しい状態を保てます。
フライパンの内側についた焦げの落とし方

次に、フライパンの内側についた焦げの落とし方を紹介します。
以下で解説する内容を参考に、フライパンの内側についた焦げをキレイに落としましょう。
天日干しで焦げを浮かせる
フライパンの軽い焦げ付きには、天日干しが効果的です。日光に当てて乾燥させることで、焦げが炭化し、表面から浮き上がりやすくなります。晴天が続く日に、日当たりの良い場所で数日間干すのがポイントです。
水で煮詰める
フライパンに水を入れて加熱し、10〜15分ほど煮詰めることで、焦げがふやけて浮き上がりやすくなります。洗剤や薬剤を使わず、水だけで行えるため素材への負担が少なく、安心して試せる方法です。
煮詰めたあとは火を止めてしばらく放置し、焦げが柔らかくなったらスポンジや木ベラでやさしく擦り落としましょう。
空焚きで焦げを炭化させる
鉄製フライパンには、空焚きで焦げを炭化させて落とす方法が効果的です。高温で加熱することで焦げが黒く乾燥し、金属たわしなどで擦りやすくなります。加熱後は水をかけて冷まし、焦げを削り落としましょう。
重曹を沸騰させて落とす
頑固な焦げには、重曹を使った煮沸法が効果的です。フライパンに水を張り、大さじ1〜5杯程度の重曹を加えて中火で10〜15分ほど沸騰させると、アルカリの力で酸性の焦げが分解されやすくなります。
火を止めたあとは数時間放置し、焦げがふやけたらスポンジでやさしく擦り落としましょう。
クエン酸やお酢を沸騰させて落とす
焦げがアルカリ性の場合は、酸性のクエン酸やお酢を使った煮沸で落とすのが効果的です。フライパンに水を張り、大さじ1のクエン酸(またはお酢)を加えて10分ほど沸騰させましょう。そして、焦げがふやけてきたらスポンジでやさしく擦ります。
フライパンの外側についた焦げの落とし方

次に、フライパンの外側についた焦げを落とす方法を紹介します。
フライパンの外側の焦げが気になる方は、以下で解説する方法を実践してみてください。
焦げ取りシートを使う
フライパンの外側にこびりついた焦げには、焦げ取り専用シートの使用がおすすめです。水に浸して貼りつけるだけで焦げが浮き上がり、あとはスポンジで軽く擦るだけ。洗剤を使わなくても汚れを落とせるうえ、素材を傷つけにくいのが特徴です。
クレンザーで擦り落とす
フライパンの外側にこびりついた頑固な焦げには、クレンザーが効果的です。微粒子の研磨成分が、黒ずみや汚れをしっかり削り落とします。水で湿らせたスポンジや、水分を吸収しにくいラップを使って擦ると、より効率的に落とせるでしょう。
ただし、柔らかい素材のフライパンには使用を控えるか、目立たない場所で試してから使用してください。
重曹ペーストを使う
重曹に少量の水を加えて作る重曹ペーストは、外側の焦げをじっくり分解するのに効果的です。焦げ部分に塗って数分~数十分置いたあと、スポンジなどで擦り落としましょう。
ただし、アルミや銅などデリケートな素材には不向きなので、事前に素材を確認してから使用してください。
フライパンの焦げを落とす際の注意点

次に、フライパンの焦げを落とす際の注意点を紹介します。
注意点を守らないと、かえってフライパンが傷つく原因になるため、事前に確認しておきましょう。
焦げを無理に擦らない
焦げを力任せに擦り落とそうとすると、フライパンの表面を傷つけたり、コーティングが剥がれたりする恐れがあります。特にフッ素樹脂加工のフライパンは繊細なため、金属たわしや強力な薬剤の使用は避けましょう。
金属たわしや強力洗剤は使いすぎない
頑固な焦げを落とすために、金属たわしやクレンザーを使うことがありますが、頻繁に使うとフライパンの表面を傷つけ、かえって焦げ付きやすくなります。
特に、コーティング加工されたフライパンには不向きです。使用する際は、鉄やステンレスなど対応素材を確認し、最小限にとどめることが大切です。
コーティングを守るためにやさしく洗う
コーティング加工されたフライパンは、柔らかいスポンジと中性洗剤でやさしく洗うのが基本です。重曹や熱湯を使うと、表面を傷つけずに焦げを落とせます。急激な温度変化も避けることでコーティングの劣化を防ぎ、フライパンの調理性能と寿命を保てます。
フライパンに焦げを付きにくくする5つの方法

最後に、フライパンに焦げを付きにくくする5つの方法を解説します。
フライパンを清潔に保ち、長く使い続けるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
油をなじませる
調理前にフライパンを軽く熱してから油をひくと、表面に油膜ができて焦げ付き防止に効果的です。鉄製やコーティング加工のフライパンは、油をなじませることで食材のくっつきを防ぎ、寿命を延ばすことにもつながります。
フライパンを急に冷やさない
調理後すぐに冷水をかけると、急激な温度変化によりフライパンが変形したり、コーティングが劣化する原因になります。特にフッ素樹脂加工などのコーティングは剥がれ、焦げが付きやすくなります。使用後は、自然に冷ます時間をとるのが長持ちのコツです。
木・シリコン製の調理器具を使う
金属製のヘラやトングは、フライパンの表面を傷つけ、コーティングの剥がれや焦げ付きの原因になります。表面を傷めないためには、木製やシリコン製などの柔らかい素材の調理器具を使うのがおすすめです。
調理後は料理を入れっぱなしにしない
料理をフライパンに入れたままにすると、余熱で焦げ付きやすくなり、調味料の成分が素材を劣化させる原因になります。特に酸や塩分を含む料理は、腐食やサビを引き起こすこともあるため、調理後はできるだけ早く器に移しましょう。
クッキングシート・アルミホイルを活用する
焦げ付きやすい料理を作る際は、クッキングシートやアルミホイルを敷いて調理すると、フライパンを汚さずに済みます。フライパンの表面を保護できるため、コーティングの劣化や焦げ付きの防止につながります。
まとめ
フライパンの焦げは、使い方や洗浄方法が影響するため、日常的に適切なケアをすることが大切です。焦げの原因としては、強火での調理や油不足、コーティングの劣化などが挙げられます。素材に合った正しい焦げ落とし方法を学び、無理に擦らずやさしく洗うことで、フライパンを長持ちできます。
日頃の使い方やメンテナンスを見直し、焦げを防ぎながら快適に調理を楽しみましょう。
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