REGAL

リーガル
HISTORY

 

日本の革靴文化を築いたアメリカ生まれ、日本育ちの名門。
1961| TOKYO, JAPAN

日本のビジネスシーンにおいて、足元を飾る革靴といえば、多くの人がまずその名を思い浮かべるブランドがあるだろう。そう〈REGAL リーガル〉だ。誠実で、質実剛健。まるで空気のように当たり前に存在する、信頼の証。しかし、そのルーツが遠くアメリカにあることを知る者は、ファッション好きを自負する層に限られるかもしれない。これは、一世紀以上の時を超え、日本の靴文化そのものを築き上げたリーガルの物語である。

そもそもリーガルの歴史は1880年、アメリカ・マサチューセッツ州の靴工場に端を発する。「REGAL」とは「王者」を意味する言葉。その名の通り、世界中の人々に最高品質の靴を届けたいという情熱が、すべての原点であった。堅牢なグッドイヤーウエルト式製法をいち早く採用し、履き込むほどに持ち主の足に馴染む快適さと、修理を重ねて長く愛用できる耐久性を実現。リーガルの靴は、実用性と品質を重んじるアメリカの精神を体現し、瞬く間に全米へと広がっていく。

大きな転換期が訪れたのは1961年。日本の日本製靴株式会社(現・株式会社リーガルコーポレーション)が、リーガルのブランドを有していた米国ブラウン社と技術提携を結び、日本でのリーガルの生産・販売を開始したのだ。当時の日本において、本格的なグッドイヤーウエルト式製法の革靴はまだ稀有な存在。リーガルがもたらした衝撃は、単なる一ブランドの上陸に留まらなかった。それは、日本の革靴における品質基準を根底から引き上げ、新しい文化を創造するに等しい出来事であった。当初は米国人向けの木型だったものを、日本人の足に合うよう改良を重ね、実直なものづくりでひたむきに信頼を積み重ねていく。

リーガルの名を語る上で欠かせないのが、1960年代のアイビールックブームを牽引した数々の名作の存在だ。甲部分に馬の鞍(サドル)を置いたようなデザインが特徴的な「サドルシューズ」。トゥにW型の装飾が施された華やかな「ウイングチップ」。そして、日本にアメリカントラディショナルスタイルを浸透させた〈VAN ヴァン〉との提携で生まれた「VAN REGAL」は、当時の若者たちの心を鷲掴みにし、ファッションアイテムとしての地位を不動のものとした。ビジネスシーンでの絶対的な信頼と、ファッションシーンでの普遍的な魅力。この二つの顔を持つことこそ、リーガルとは何たるかを雄弁に物語っている。

1990年、ついに商標権をブラウン社より正式に取得し、リーガルは名実ともに日本のブランドとなった。しかし、その靴づくりに宿る精神は、創業の地アメリカで生まれた質実剛健の魂そのもの。現在でも年間10万足もの靴を修理し、末永く履き続けてもらいたいという哲学は、まさにその証左である。時代の変化に対応しながらも、決して揺らぐことのない哲学。流行が目まぐるしく移り変わる現代においても、多くの男たちが重要な局面でリーガルの靴を選ぶのは、その普遍的な価値を知っているからに他ならない。今日もまた、日本のどこかで、リーガルは実直な一歩を支えている。これから先も、変わることなく時代の足音を刻み続けていくのだろう。

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