DSQUARED2
遊び心と極上の仕立てが交差する。大人の不良性を引き出す至高のラグジュアリー
1994 | MILAN,ITALY | Dean Caten & Dan Caten
男のワードローブにおいて、デニムほど己の生き様を色濃く映し出すアイテムはない。無骨でありながら、どこか匂い立つような色気を感じさせる。そんな相反する魅力を完璧なバランスで体現し、世界中の伊達男たちを熱狂させるブランドがある。〈DSQUARED2 ディースクエアード〉。北米特有のスポーティーで自由な空気感と、イタリアの洗練されたテーラリングが融合した、唯一無二のラグジュアリーカジュアルである。
ブランドの創立者は、1965年にカナダのトロントで産声を上げた一卵性双生児の兄弟、ディーン・ケイティンとダン・ケイティン。ニューヨークの名門パーソンズ美術大学でデザインを学んだ彼らは、1991年にファッションの本場イタリアへと渡る。〈VERSACE ヴェルサーチェ〉や〈DIESEL ディーゼル〉といった名だたるブランドで経験を積み、1994年にミラノで初のメンズコレクションを発表。彼らの才能を高く評価したディーゼルの創業者、レンツォ・ロッソの強力な支援も、ブランドを世界的地位へと押し上げる大きな推進力となった。
ブランド名の由来は、極めてパーソナルでありながらウィットに富んでいる。創設者のディーン(Dean)とダン(Dan)、2人のファーストネームの頭文字である「D」と、彼らが双子であることを彷彿とさせる「2乗(Squared)」を組み合わせたものだ。彼らが掲げる哲学は「Born in Canada, Living in London, Made in Italy」。母国カナダの大自然から着想を得たユーモア、活動拠点であるロンドンのエッジィな空気感、そしてイタリアの最高峰の職人技。これらが三位一体となることで、艶やかで立体的なコレクションが誕生するのだ。
ディースクエアードにとって大きな転機となったのは2000年のこと。世界的ポップアイコンであるマドンナのプロモーションビデオ「Don’t Tell Me」、そしてワールドツアーの衣装を手掛けたことで、その名は世界中に轟くこととなる。カントリーやウエスタンの要素を取り入れながらも、シャープでセクシーにまとめ上げられた衣装は世界中を熱狂させた。単なるカジュアルウェアの枠を超え、極上のエンターテインメント性とラグジュアリーを同居させた瞬間である。
中でも、ブランドのマスターピースとして圧倒的な支持を集めているのがデニムだ。ハードなダメージ加工やペイント、絶妙な色落ちといったヴィンテージさながらのラギッドな表情。しかし一度足を通せば、計算し尽くされたカッティングにより、驚くほど美しく色気のあるシルエットを描き出す。この「不良っぽさ」と「極上のエレガンス」の共存こそが、数多くのトップアスリートやファッショニスタを虜にしてやまない。日本国内の愛好家たちの間でもその人気は絶大であり、親しみと敬意を込めて「ディースク」の愛称で呼ばれている。
遊び心を忘れない大人にこそ、ふさわしい服がある。熟練の職人技によって仕立てられた最高級の素材に、あえてダメージという傷を刻む贅沢。双子の兄弟が織りなす情熱の系譜は、いつの時代も男の奥底に眠る反骨精神を優しく、そして力強く刺激する。日常の風景をドラマチックに変える圧倒的な色気を、ぜひ自身の肌で体感してほしい。

