キャンプで焚き火やバーベキューを楽しむときは、まず火起こしをしなければなりません。うまく火起こしをするために必要な道具や、火起こしの手順を知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、キャンプでの火起こしに必要な道具を紹介し、薪を使う場合と炭を使う場合に分けて、火起こしの手順を解説します。さらに、火起こしのコツやマナーなども紹介しているので、初心者の方は、ぜひ参考にしてください。
なお、〈2ndSTREET セカンドストリート〉では、キャンプで役立つさまざまなアイテムを販売しています。新たにキャンプ用品を購入する際は、お近くのセカンドストリートの店舗やオンラインストアをぜひご利用ください。
キャンプで火起こしが必要になる場面
キャンプに欠かせないのが「火起こし」です。
例えば、キャンプでバーベキューをする際は、火起こしをする必要があります。また、夜間や寒い日のキャンプでは、暖を取るために焚き火をすることもあるでしょう。これらの場面で自ら火を起こすことが、キャンプの醍醐味と言えます。
火起こしができるようになると、キャンプだけでなく災害時にも応用可能です。「難しそう」というイメージがあるかもしれませんが、やり方を知っていれば、誰でも簡単にできます。
なお、火起こしをして楽しむ「キャンプファイヤー」のやり方については、以下の記事で紹介しています。
また、以下の記事では、冬キャンプの魅力や寒さ対策などを解説しているので、あわせて参考にしてください。
キャンプでの火起こしに必要な道具
まずは、キャンプで火起こしに必要な道具を揃えましょう。代表的な道具は、以下の通りです。
- さまざまな大きさの薪、または炭
- 焚き火台・バーベキューコンロ
- 着火剤
- ライター・バーナー
- 耐熱グローブ・軍手
- トング・火ばさみ
- 火吹き棒・うちわ
- 水の入ったバケツ
- 火消し壺
薪と炭には以下のような違いがあるため、場面によって使い分けるのがおすすめです。
| 薪 | 木を切って乾燥させたもの 焚き火シーンに向いている |
| 炭 | 木材を蒸し焼きにして炭化させたもの 料理シーンに向いている |
ここでは、薪と炭の選び方を詳しく解説します。
薪の選び方と組み方
薪には、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2種類があります。
スギやヒノキ、マツなどの針葉樹の薪は、油分が多く火が付きやすい特徴があります。一方、カシやケヤキ、ナラ、シラカバなどの広葉樹の薪は、最初は火が付きにくいものの、火持ちがよいのが特徴です。
また、広葉樹よりも針葉樹の薪のほうが、手に入りやすく価格も安価です。
薪の代表的な組み方には、以下の4パターンが存在します。
| 井桁型 | 薪を「井」の字の形に組む方法です。スタンダードな組み方で初心者におすすめですが、火の勢いが強いため、料理には不向きです。 |
| 閉じ傘型 | 薪を高さのある円錐状に組む方法です。見栄えがよく、迫力のある炎を作れる点が魅力です。一方で、薪の消費が激しいというデメリットもあります。 |
| 開き傘型 | 薪を開いた傘のように低く組む方法です。火の勢いが弱いため、キャンプファイヤー向きではありませんが、焚き火をじっくりと楽しめます。 |
| 並列型 | 枕木を2本設置し、その上に橋を掛けるように薪を組む方法です。調理器具が置きやすいなど、実用的です。 |
なお、キャンプ場で拾い集めた薪を使おうとすると、薪が湿っておりうまく火起こしができない可能性があります。そもそも薪の収集を禁止しているキャンプ場もあるため、薪はホームセンターやキャンプ場で購入しましょう。
炭の選び方
炭には、主に以下の4種類があります。
| 黒炭 | ナラやクヌギなどから作られた、一般的なタイプの炭です。火を付けやすいものの、燃焼時間は短めです。バーベキューなどでどの炭にするか迷った場合は、黒炭を選べば問題ないでしょう。 |
| 白炭 | ウバメガシやアラカシなどを高温で焼き、灰を掛けて冷却した炭です。長時間安定して燃焼するうえ、煙や灰があまり出ません。一方で火は付きにくく、価格も高めです。「備長炭」も白炭に含まれます。 |
| オガ炭 | おが屑をプレスして成形した「オガライト」からできた炭です。長時間燃焼することや、煙や灰の量が少ないことなど、特徴は白炭に似ていますが、白炭よりも安価に購入可能です。 |
| 着火加工成型炭 | 炭を圧縮し、着火剤を練り込んで作られたものです。火を付けやすいため、初心者に向いています。ただし、比較的価格が高く、着火剤のニオイがすることがデメリットです。 |
使う炭の量は、「1時間当たり1kg程度」あるいは「大人1人当たり1kg程度」が目安と言われています。ただし、炭の種類や質、使い方などによっても変わるため、多めに準備しておくとよいでしょう。
【薪の場合】キャンプでの火起こしの手順
ここでは、薪を「井桁型」で組む場合の火起こしの手順を紹介します。
焚き火台に薪を組む
あらかじめ、薪を火持ちのよい太い（大きい）薪と燃えやすい細い（小さい）薪に分けておきます。太い薪から順に、「井」の字型で縦2本・横2本と交互に組んでいきましょう。
もし太い薪しかないときには、薪割りをして細い薪を作ります。薪割りには、手斧やバトニングナイフなどの道具が必要です。
着火剤を置く
薪を積み上げたら、井桁の中心に着火剤を置きます。着火剤には、着火剤そのものに火を付ける「固形タイプ」と、薪や炭に塗布して火を付ける「ジェルタイプ」があります。
また、キャンプの火起こしでは、以下のようなアイテムを着火剤として代用することも可能です。
- 新聞紙
- 牛乳パック
- 割り箸
- 松ぼっくり など
新聞紙は灰が舞いやすいため、固くねじってから使用するのがポイントです。
火を付ける
着火時には、やけどの危険があるため、耐熱グローブを装着しましょう。耐熱グローブは、熱い調理器具を移動させる際にも役立ちます。
また、安全対策のため、水の入ったバケツをそばに置いておくことも大切です。準備が整ったら、ライターやバーナーなどを用いて、着火剤に火を付けます。
注意点として、燃焼中は着火剤を継ぎ足さないでください。とくにジェルタイプの着火剤は、強い火力で着火するため、燃焼中の継ぎ足しは非常に危険です。
火力を安定させる
着火剤に火が付いたら、細い薪を井桁の中心に差し込んでいきます。火が消えそうなときも、細い薪を少しずつ加えると、火力が持ち直しやすくなるでしょう。火力を強めたいときには、火吹き棒やうちわ、送風機などで空気を送ります。
火が付いた薪を動かすときには、トングや火ばさみを使用します。ただし、火が付いた薪をすぐに動かすと、燃えにくくなるため注意が必要です。
薪全体が燃えて「熾火（おきび）」の状態になると、火力が安定します。
【炭の場合】キャンプでの火起こしの手順
キャンプでバーベキューをする際など、火起こしに炭を使うなら市販の火起こし器がおすすめです。火起こし器は煙突状の器具で、着火剤と炭をセットして火を付けるだけで、簡単に火を起こせます。
ここでは、一般的に手に入りやすい黒炭を使用し、火起こし器を利用した火起こしの手順を紹介します。
着火剤を置く
バーベキューコンロの上に、固形タイプの着火剤を置きます。薪で火起こしする場合と同様に、新聞紙などを着火剤として代用しても問題ありません。
なお、着火剤を置く前に、バーベキューコンロに厚手のアルミホイルを敷いておくと、炭や灰を簡単に片付けられます。また、熱によるコンロへのダメージも、最小限に抑えられるでしょう。
火起こし器をセットして炭を入れる
続いて、着火剤の上に火起こし器を被せ、その中に炭を入れていきます。
入れる炭の量は、火起こし器の7割程度に留めましょう。炭を入れすぎると空気が流れず、火が付きにくくなります。
火を付ける
耐熱グローブを装着したうえで、火起こし器の下部に開いている穴から、ライターやバーナーで着火剤に火を付けます。
着火剤に火が付いたら、あとは放置するだけです。火起こし器の煙突効果により、10～15分ほどで炭にも火が付き始めます。
なお、前章でもお伝えしたように、燃焼中は着火剤を継ぎ足さないでください。
コンロに炭を移す
火力が安定したら、トングや火ばさみで火起こし器の中からバーベキューコンロの上に炭を取り出していきます。
やけどに注意し、炭を1本ずつ慎重に移動させましょう。
火起こしのコツやマナー
ここでは、キャンプの火起こしで知っておきたい、コツやマナーを紹介します。ただし、前提としてキャンプ場のルールを優先してください。
薪や炭は置きすぎない
「薪や炭は、量が多いほど火起こししやすいのでは？」と考える方もいるかもしれません。
しかし、薪や炭を置きすぎると、空気の通り道がなくなり逆に火起こしに時間を要してしまいます。薪や炭は置きすぎないのが、火起こしのコツです。
防火マットで環境を守る
焚き火台を使っていても、地面に熱が伝わったり、燃焼した薪や灰が落ちたりすることで、周辺の草や芝生を焼いてしまうおそれがあります。
キャンプ場の環境を守るために、火起こしの際には防火マットや焚き火シートを使用しましょう。
なお、キャンプ場によっては、焚き火台などを使用しない「直火」が許可されている場合もあります。直火をしたあとは、焚き火の痕跡が残らないよう、綺麗に片付けるのがマナーです。
強風時は火起こしを控える
風により火の粉が飛ぶと、火の粉が当たりテントに穴が空く可能性があります。最悪のケースでは、山火事につながる危険もあるでしょう。
また、風下のキャンプサイト利用者にも火の粉や煙で迷惑がかかるため、強風時は火起こしを中止してください。強風の目安は、風速4メートル程度です。
なお、キャンプ場では風が強くなくても、テントなど可燃性のものの近くで火起こしをしないよう心掛けましょう。
火は適度な大きさに留める
なるべく火が消えないようにと、つい火を大きくしすぎてしまうケースがあります。火が大きすぎると、コントロールできなくなり危険です。
薪や炭を動かせば火力が調整できる程度を目安に、適度な大きさの火を楽しむことが大切です。火が大きくなりすぎたときには、薪や炭を1本ずつ抜き、水が入ったバケツに浸けましょう。
キャンプで焚き火をしたら後始末も忘れずに！
ここでは、キャンプで使い終わったあとの火の消し方を解説します。バーベキューや焚き火を楽しんだら火の後始末も忘れずに行ないましょう。
まず、緊急時を除き、焚き火台などに残った薪や炭に水を掛けて消火するのは望ましくありません。いきなり水を掛けると、予想外の爆発が起こったり、焚き火台やバーベキューコンロを傷めたりするおそれがあります。
燃え残った薪や炭は散らし、自然に火が消えるのを待ちましょう。火が消えたら、燃えカスや灰を火消し壺に入れます。
炭は、内部が完全に消火するまで1時間以上かかりますが、火消し壺に入れれば簡単に鎮火可能です。火消し壺がない場合は、水を入れたバケツに少しずつ薪や炭を入れて消火しましょう。
まとめ
キャンプでは、バーベキューや焚き火をするために火起こしが必要になります。火起こしには、薪を使う方法と炭を使う方法があるため、本記事で紹介した手順やコツを参考に場面によって使い分けるのがおすすめです。
また、火は取り扱いに十分注意しなければなりません。後始末を含め、キャンプ場のルールや火起こしのマナーはきちんと守りましょう。
火起こしに使うキャンプ用品を新たに購入するなら、全国840店舗とオンラインストアを展開する、セカンドストリートをご利用ください。〈2ndSTREET セカンドストリート〉なら、各種メーカーからキャンプ用品を選べます。
また、キャンプ用品は、アウトドア専門のリユースショップ「セカストアウトドア（旧セカンドアウトドア）」でも数多く取り扱っています。リユース品はもちろん新品も充実しているので、ぜひ一度足を運んでみてください。
