テレビを処分するにあたり、処分費用がいくら掛かるのか気になる方も多いのではないでしょうか。リサイクル料金はメーカーやサイズによって異なるため、自身が所有しているテレビがどれに当てはまるのかを、しっかりと確認しておくことが大切です。
この記事では、テレビの処分に関する基礎知識を紹介したうえで、具体的な処分費用や処分方法を解説します。また、テレビを処分するときの注意点についてもまとめていますので、参考にしてください。
【基礎知識】テレビを処分するうえで知っておきたいこと

まずは、テレビを処分するうえで知っておきたい基礎知識について紹介します。
テレビは粗大ごみとして処分できない
結論からいうと、テレビは粗大ごみとして処分できません。2001年に施行された「家電リサイクル法」により、テレビは消費者が料金を払ったうえで家電販売店などに回収してもらい、リサイクルする必要があると定められているためです。
廃棄物を減らすことを目的として経済産業省が定めた法律で、集められた家電は資源として再利用されます。
なお、家電リサイクル法では、テレビを含む以下の家電が対象となっています。
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
一部のテレビは家電リサイクル法の対象外
テレビは家電リサイクル法の対象品目のひとつですが、以下で挙げる一部のテレビに関しては対象外になります。
- 一次電池または蓄電池を使用する液晶・有機EL式テレビ
- ディスプレイモニター(テレビチューナー付きを含む)
- 建物に組み込めるように設計された液晶・有機EL式テレビ
- コインボックス内蔵型テレビ
- プロジェクションテレビ
一方で「小型家電リサイクル法」が適用される可能性がある ため、家電リサイクル法の対象外のテレビを処分する際には、自治体に処分方法を確認するのがおすすめです。小型家電に該当する場合、公共施設などにある「小型家電回収ボックス 」に入れることで、無料で回収してもらえます。
テレビの平均使用年数は10.7年とされている
内閣府の調査によると、テレビの平均使用年数は10.7年です。また、買い替え理由として最も多いのは「故障」の69.7%で、次が「上位品目への移行」の20.8%となっています。
とはいえ、あくまで平均的な年数であり、使用頻度などによってはこれよりも前に買い替えが必要になるケースも考えられます。処分するか迷うテレビがある場合は、平均使用年数も参考にしつつ、どうするかを決めるとよいでしょう。
参考:内閣府「消費動向調査」(令和6(2024)年3月分調査)
テレビの処分費用はいくら?料金の目安をチェック

テレビが不要になった際には、決められた手続きに従って処分する必要があります。ここではテレビの処分費用の分類や、メーカー・種類別のリサイクル料金の目安についてご紹介します。
テレビの処分費用は大きく2つに分類される
日本でテレビを処分する際には、「収集・運搬料金」と「リサイクル料金」の2種類の費用が必要です。
収集・運搬料金は小売業者ごとに異なるため、回収を依頼する際は事前に確認しておきましょう。対して、リサイクル料金はテレビの種類やメーカーで異なります。
なお、収集・運搬料金とリサイクル料金を合わせたテレビの処分費用の相場は3,000円~5,000円程度です。
処分には「家電リサイクル券」が必要
テレビを処分する際は「家電リサイクル券」が必要です。家電リサイクル法では、テレビやエアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などを処分する際に、一般財団法人家電製品協会を通じてリサイクル料金をメーカーへ支払うことが定められています。家電リサイクル券は、リサイクル料金を払った証明となるものです。
支払う方法は、「料金販売店回収方式」ならびに「料金郵便局振込方式」の2種類です。
料金販売店回収方式は、回収する家電販売店で支払って、家電リサイクル券を用意してもらう方式です。必要事項は店舗側で記入するため、料金の支払いのみで済みます。
一方、料金郵便局振込方式は、郵便局に備え付けられている専用の用紙を使って支払う方式で、必要事項を自身で記入する必要があります。料金を振り込んだ後に、郵便局の窓口で受け取る流れです。
【メーカー・種類別】テレビのリサイクル料金の目安
テレビの処分に掛かるリサイクル料金は「一般財団法人 家電製品協会」のWebサイトで調べられます。検索窓にメーカー名を入力するとリサイクル料金が表示されます。
主要メーカー別に分類した、テレビの種類やサイズによるリサイクル料金の一覧は以下の通りです。
| ブラウン管式 テレビ(15型以下) | ブラウン管式 テレビ(16型以上) | 液晶・有機EL・ プラズマ式 テレビ(15型以下) | 液晶・有機EL・ プラズマ式 テレビ(16型以上) | ||
| 区分コード | 21 | 22 | 51 | 52 | |
| メーカー | パナソニック | 1,320円 | 2,420円 | 1,870円 | 2,970円 |
| TVS REGZA | 1,320円 | 2,420円 | 1,870円 | 2,970円 | |
| 日立 | 1,870円 | 2,970円 | 1,870円 | 2,970円 | |
| シャープ | 1,870円 | 2,970円 | 1,870円 | 2,970円 | |
| 三菱電機 | 1,870円 | 2,970円 | 1,870円 | 2,970円 | |
| ソニー | 1,870円 | 2,970円 | 1,870円 | 2,970円 | |
| 富士通ゼネラル | 1,870円 | 2,970円 | – | 2,970円 | |
なお、テレビの種類やサイズによって区分コードが割り振られています。自分で記入する際は間違えないようにしましょう。
テレビのサイズの調べ方
テレビのサイズは、本体の裏面や前面パネルの角などに表示されている型名・型番で調べられます。サイズは、2桁の連続した値で表されることが一般的です。
例えば、テレビの型名が「58AB1C」の場合、サイズは58型(58インチ)を表しています。
おすすめのテレビの処分方法8つ

テレビを処分すると決めたら、次は処分方法を選びましょう。ここでは、テレビを処分するおすすめの方法を8つご紹介します。
1.買い替え時に処分を依頼する
新しいテレビに買い替える場合は、古いテレビの処分を新しいテレビの購入先に依頼できます。テレビの買い替えに際し、古いテレビを引き取ることが家電リサイクル法で定められているからです。
下取りに出す際は、年式が新しくて状態がよいテレビなら下取り価格が付くケースがあります。テレビの購入額を値引きしてもらえる可能性もあるでしょう。
ただし、下取り出す場合も原則的にリサイクル料金や収集・運搬料金が必要です。消費者の負担になりますのでご注意ください。
2.購入店舗で処分してもらう
古いテレビを購入した店舗に処分を依頼することも可能です。こちらも家電リサイクル法で定められています。回収時にはリサイクル料金や店舗が定める運搬料金が掛かるため、事前に問い合わせておくことをおすすめします。
3.リユースショップ・リサイクルショップで買取してもらう
まだ使えるテレビを処分する場合は、リユースショップやリサイクルショップで買取を依頼するのがおすすめです。ほかの方法ではお金を掛けて処分する必要がありますが、買取なら臨時収入を得られる可能性があります。比較的新しいものや、テレビの状態やモデルなどによっては、高値で買取してもらえることもあるでしょう。
また、リユースショップによっては、出張・査定の費用などは無料で、家電の出張買取に対応しているところもあります。処分のコストや手間を抑えて、査定額に応じたお金を受け取れるのは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、ブラウン管テレビ・プラズマテレビ・地デジ放送が受信できないテレビは、買取に対応してもらえない可能性があります。
4.自治体に処分方法を問い合わせる
新しいテレビを購入する予定がない場合や、購入した店舗が分からない場合は、自治体に処分方法を問い合わせましょう。市町村によっては、自治体が指定する業者に回収してもらえる場合があります。ただし、その際もリサイクル料金などの費用が掛かる点には注意が必要です。
また、自治体の指定業者の中には、玄関先での引き取りを前提としているケースもあります。その場合、テレビの設置場所から玄関先までは、自身で運び出すなどの対応が必要です。
5.指定引取場所にテレビを持ち込む
自身でテレビを運搬できるのであれば、最寄りの「指定引取場所」へ直接持ち込むのもひとつの方法です。指定引取場所とは、使用済みの家電リサイクル法対象機器の引き取りのために、各メーカーが設けている拠点のことです。
実際にある場所は「一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター」のWebサイトから検索できます。自分で持ち込むので収集・運搬料金を払う必要はありませんが、リサイクル料金は必要です。また、家電販売店を通さずに処分するため、料金郵便局振込方式にて家電リサイクル券を購入しなければなりません。
なお、家電リサイクル券を貼る位置はテレビの種類によって異なります。
- ブラウン管式:右側面上部の取っ手の下
- 液晶・プラズマ式:背面左上部
ガラスをリサイクルするときに障害が出るので、画面には貼らないように注意しましょう。
6.不用品回収業者に処分を依頼する
不用品回収業者にもテレビの処分を依頼できます。回収料金は掛かりますが、電話やメール、Webサイトから依頼するだけで自宅まで回収しに来てくれます。自身で運搬するのが難しい方や、忙しい方などにはおすすめの方法です。また、面倒なリサイクル券の記入も業者に代行してもらえます。
7.ネットオークションやフリマアプリで売る
まだ使えるテレビの場合、ネットオークションやフリマアプリで売るという方法もあります。ただし、自身でテレビの写真を掲載したり、梱包・発送を行ったりする手間が掛かる点には留意しましょう。
加えて、個人同士での取引であるため、トラブルに巻き込まれるおそれもあります。
8.友人・知人に譲る
友人・知人にテレビを譲る方法なら、処分の費用などが発生しません。とはいえ、テレビが必要な人を探したり、運搬したりする手間は掛かるので、まずはほかの方法を検討してみることをおすすめします。
テレビを処分するときの注意点

ここからは、テレビを処分するときの注意点を3つ紹介します。
壊れたテレビは無料で処分してもらうのが難しい
テレビを無料で処分する方法としては、リユースショップやリサイクルショップに持ち込みをして売る方法があります。また、フリマアプリで売る方法でも、配送料などを差し引いて利益が得られる場合は、無料となります。
とはいえ、これらの処分方法を活用できるのは、使用できる状態のテレビに限られるので注意が必要です。基本的に、壊れたテレビを無料で処分してもらうのは難しいでしょう。
テレビを初期化してから処分する
デジタル放送を受信できるテレビには個人情報が記録されているため、処分する前に初期化することが不可欠です。初期化の作業は、メーカーの取扱説明書や公式サイトに記載された内容を確認してから行いましょう。
また、テレビでネットワーク動画配信サービスなどのアプリを使っていた場合は、ログアウトの手続きをしておくことも大切です。
悪質な不用品回収業者に注意する
不用品回収業者にテレビの処分を依頼した際、悪質な業者とのトラブルに巻き込まれるケースがあります。とくに、「無料回収」をうたっているような不用品回収業者には注意が必要です。
具体的なトラブルとして、無料なのは基本料金のみといわれ、追加料金を請求される事例などがあります。また、費用が高額なので回収をキャンセルしたら、キャンセル料金を請求された事例などもあるので気を付けましょう。
まとめ
テレビの処分費用は、収集・運搬料金とリサイクル料金を合わせて3,000円~5,000円程度が相場とされています。具体的な処分方法として、購入店舗で処分してもらったり、自治体での処分を利用したりすることが可能です。
ただし、まだ十分に使えるテレビを処分したい場合は、リユースショップ・リサイクルショップで買い取ってもらうのがおすすめです。全国に850店舗以上を展開する〈2nd STREET セカンドストリート〉では、各メーカーの液晶テレビや有機ELテレビの買取査定を実施しています。
お住まいのエリアによっては出張買取もご利用いただけますので、ぜひチェックしてみてください。






