似ているように思える扇風機とサーキュレーターですが、両者の違いが分からないという方も少なくないかもしれません。この記事では、扇風機とサーキュレーターの違いを解説します。
扇風機とサーキュレーターを涼しさ、機能性、静穏性、電気代などで徹底比較しています。また、それぞれを使用するおすすめのシーンもあわせて紹介していますので、扇風機とサーキュレーターそれぞれの特徴を理解し、快適な空間作りにお役立てください。
扇風機とサーキュレーターの違い
扇風機やサーキュレーターが何か分からない方に向けて、まずはそれぞれどのような家電なのか知り、違いを見ていきましょう。どちらも風を送る家電ですが、それぞれ異なる用途で作られています。扇風機とサーキュレーターには、扇風機は涼むために使用するアイテムで、サーキュレーターは空気を循環させるために使用するという違いがあります。
扇風機は直接風を当てて涼しくさせるもの
扇風機は、主に人が涼むために作られた家電です。古くから使われてきた団扇や扇子を機械化し、大型化したものと言えます。
扇風機は大型のファンを備え、広範囲に穏やかな風を送ります。人に直接風を当てることで、汗を蒸発させたり体から発生した熱を拡散させたりして、体感温度を下げる仕組みです。
サーキュレーターは空気を循環させるもの
サーキュレーターは、小さめのファンを搭載し、直線的な強い風を起こして空気を循環させる役割を持ちます。風の送り方が一方向かつ集中的ですが、真上にも風を送れるのが扇風機にはない特長です。
扇風機とサーキュレーターそれぞれの特徴を徹底比較
扇風機とサーキュレーターの大きな違いは先述した通りですが、ここではさらに細かく特長を比較していきましょう。
なお、実際の機能・性能は製品によって異なるため、ここでは一般的な製品をもとに解説しています。
涼しさを求めるなら？
直接風を浴びて涼みたい方には、穏やかな風を送る扇風機が適しています。
一方のサーキュレーターは、人に風を直接当てる想定で作られていません。風力が強いため、直接風に当たって涼みたい方には、サーキュレーターは向かないでしょう。また、風の向きが一方向なので、さまざまな方向をまんべんなく冷やすことにも不向きです。
サーキュレーターは、風で空気を循環させて部屋全体の温度を均一にする効果があります。そのため、エアコンと併用して、部屋全体を快適な温度する際に利用するとよいでしょう。
多機能なのは？
扇風機のほうが、多機能な製品が多く販売されています。多くの製品に備わっているタイマーや首振り機能はもちろん、一部の扇風機では空気の脱臭効果が期待できるものもあります。多機能な扇風機を選べば、さまざまなニーズに合わせた使い方ができるでしょう。
静かなのは？
静音性は、扇風機のほうがサーキュレーターより優れていることが多いでしょう。サーキュレーターは多くの空気を送るため、動作音や振動が大きくなりがちです。
静かさを重視する方は、扇風機を検討してみてください。
場所を取らないのは？
サーキュレーターは、扇風機より小型の製品が多い傾向にあります。サイズがコンパクトなため、場所を取らずに設置でき、移動や片付けも容易です。
設置場所や持ち運びの面で制約がある場合は、コンパクトなサーキュレーターを選ぶとよいでしょう。
電気代が安いのは？
サーキュレーターと扇風機を比較する際に、電気代が気になる方もいるでしょう。1時間あたりの電気代は、両者にほとんど差がありません。
どちらもそれほど電気代は掛かりませんが、DCモーター搭載などの省エネモデルを選べば、さらに電気代を抑えられます。
なお、エアコンを長時間使う場合は、サーキュレーターを併用することで電気代の節約効果が見込めます。サーキュレーターが室内の空気を循環させることで温度のムラをなくし、エアコンの冷気や暖気を効率的に利用できるからです。夏場はもちろん、冬場も、電気代の節約が期待できるでしょう。
扇風機の使用がおすすめのシーン
次に、実際の生活の中で、扇風機がおすすめのシーンを紹介します。扇風機は広範囲に穏やかな風を送る特長があるため、その特長を活かせる場合におすすめです。
エアコンを使いたくない
夏場にエアコンを常に使用すると電気代が高くなるだけでなく、冷たい風が直接体に当たることで乾燥や冷えを感じます。気温がそれほど高くない日や時間帯など、エアコンをあまり使いたくないときには、扇風機が役に立つでしょう。
扇風機は体に直接風を当てて使えるため、日によっては十分な涼しさを感じられます。
快適・静かに寝たい
夏場の快適な睡眠環境作りとして、エアコンを使うのは効果的です。しかし、夏の終わりや秋口などの就寝時に使うと、冷えすぎて寒さを感じることもあるでしょう。
このようなシーンでは、扇風機が便利です。穏やかな涼風を送るので、「エアコンを使うほどの暑さではないけれど何もないと寝苦しい」という夜に役立ちます。
また、近年の扇風機には静音機能が搭載されているものが多いため、就寝時の使用におすすめです。
複数人がいる部屋で使う
扇風機は、室内に複数人かいる場合の使用に適しています。多くの扇風機には首振り機能があり、横方向の広範囲に涼風を送れるからです。
ひとつのファンで複数人に風を届けられるので、家族や友人と一緒に過ごす時間や、リビングルームなどの共有スペースに適しています。
サーキュレーターの使用がおすすめのシーン
サーキュレーターの主な用途は空気の循環で、風力が強く、風が遠くまで届くのが特長です。この特長を活かせる具体的な生活シーンを紹介します。
エアコンとの併用で節約もしたい
涼しさを得るのにエアコンは効果的ですが、連続的に使用すると電気代が高くなります。エアコンを使用しながら電気代を節約したい方には、サーキュレーターの併用がおすすめです。
サーキュレーターの風により室内の空気を効率的に循環することで、エアコンの冷気・暖気を均一に広げられ、部屋全体の温度差を少なくできます。
一方、扇風機は風力が弱く、あまり遠くには風が届きません。そのため、広い範囲の室内を空気循環させる目的としては不向きと言えます。
エアコンとサーキュレーターを併用する際は、冷気と暖気の特徴を踏まえて使用すると、より効率的に室温を整えられるでしょう。具体的には、冷房使用時には部屋の下部、暖房使用時には部屋の上部を狙って風を当てます。
素早く洗濯物を乾かしたい
洗濯物を室内に干す場合、湿度や気温の影響でなかなか乾かないことがあります。この場合には、サーキュレーターが役立つでしょう。サーキュレーターはパワフルな風を送れるため、室内に干した洗濯物を素早く乾かす際に有効です。
とくに、雨天や夜に洗濯して室内干しするときなどは、サーキュレーターによって洗濯物の乾燥時間を短縮するとよいでしょう。湿度が高い日にもできるだけ早く乾かすことで、生乾き臭の発生を防げます。
入浴後の浴室をしっかり乾燥させたい
入浴後の浴室は湿気がこもりやすく、カビなどが生じやすい環境にあります。備え付けの換気扇だけでは十分な換気能力を得られない場合には、サーキュレーターを活用して乾燥を促すのもひとつの方法です。
サーキュレーターを浴室に設置し、風を循環させて湿気を素早く排出すれば、より短時間に浴室内を乾燥させられます。
一人暮らしでかさばる家電を置きたくない
一人暮らしの場合は、部屋のスペースが限られていることが多いため、かさばる家電を置きたくないという方もいるでしょう。
そのようなケースでは、コンパクトなサイズのサーキュレーターが便利です。小型のサーキュレーターなら持ち運びも簡単なうえ、設置スペースをあまりとりません。
サーキュレーター付き扇風機もある
扇風機とサーキュレーターのどちらを購入すべきか迷う方は、サーキュレーター付き扇風機を検討してみてはいかがでしょうか。両方欲しいけれど予算や置き場所の制約があるという場合も、一体型であれば問題をクリアできるかもしれません。
扇風機はサーキュレーターの代わりになる？
そもそも扇風機とサーキュレーターは、異なる用途で使用される家電です。構造自体は大きく違わないため代用できることもありますが、結局は十分に目的を果たせないケースも考えられます。
例えば、扇風機で洗濯物を乾かそうとしても、使い方に工夫が必要だったり、風力に満足できなかったりするかもしれません。とくに、室内の空気循環が必要な場合には、部屋が広くなればなるほど扇風機での代用が難しくなる傾向にあります。
したがって、基本的には用途に応じて扇風機とサーキュレーターを使い分けたほうがよいでしょう。
悩むときには一体型の製品も検討
扇風機とサーキュレーター、どちらの機能も欲しいけれど、予算や置き場所の問題で一方しか選べないケースもあるでしょう。その場合は、1台で兼用できる「サーキュレーター機能付き扇風機」を選ぶのがおすすめです。
名前の通り、扇風機にサーキュレーターの空気循環機能を組み合わせたもので、ひとつで両方の機能を兼ね備えています。
一体型の製品を選ぶ際は、静音性の高いDCモーターや風量調節機能、首振り機能の有無などをチェックするとよいでしょう。
まとめ
扇風機とサーキュレーターは、それぞれ用途が異なる家電です。購入検討する際は、まずは使いたいシーンによって、扇風機かサーキュレーターかを決めましょう。迷ったときには、サーキュレーター付き扇風機という選択肢もあります。
リユースショップのセカンドストリートでは、扇風機とサーキュレーターをどちらも取り扱っています。新品よりもリーズナブルに手に入れられるため、予算に合わったものを探し、室内を快適な環境へと整えてみてはいかがでしょうか。
