イヤホンには複数の種類がありますが、近年は「カナル型」と「インナーイヤー型」が主流です。特にカナル型は、外部からの音を遮音する構造になっており、集中して音楽を聴きたい方に評価されています。
この記事では、カナル型イヤホンの概要やメリット・デメリットを解説します。購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
カナル型イヤホンとは?

カナル型イヤホンは、耳栓のような形状のイヤーピースを耳のなかに差し込んで装着するタイプで「密閉式」ともいわれます。耳道に密着するため、周囲の音を遮断しやすく、音漏れが少ない点が大きな特徴です。耳道を英語で「ear canal」と呼ぶことから、「カナル型」の名称で呼ばれるようになりました。
元々は、音響関連のプロ向けに製造されていましたが、2000年代以降広く普及し、現在はイヤホンの主流となっています。特に、通学や通勤中に音楽を楽しみたい方や、迫力ある音を堪能したい方に人気です。
各メーカーから多様な種類がリリースされており、イヤーピースの材質やサイズをカスタマイズできるタイプも増えています。
その他のイヤホンとの違いは?

イヤホンには、カナル型ではない種類も多数あります。ここでは、インナーイヤー型とオープンイヤー型との違いを見ていきましょう。
インナーイヤー型イヤホンとの違い
インナーイヤー型イヤホンとの違いとして、まず「装着方法」が挙げられます。インナーイヤー型は、耳の入り口に軽く引っ掛けるように装着するため、圧迫感が少なく、周囲の音も自然に聞き取りやすいのが特徴です。そのため、長時間の使用にも適しています。
自然な装着感や開放感も魅力の一つで、音楽を聴きながら周囲の状況に気を配りたい場面にも向いています。ただし、カナル型と比べて遮音性が低く、音漏れがしやすい点はデメリットです。特に電車内や公共の場など、周囲の音環境が気になるシーンでは注意が必要です。
また、周囲の音を遮断して集中力を高めたい場合も、インナーイヤー型よりカナル型が適しています。
近年では、カナル型・インナーイヤー型ともに、ワイヤレスタイプが登場しています。装着感や遮音性の違いなどを理解したうえで、使用目的に合ったイヤホンの種類を選ぶことが大切です。
オープンイヤー型イヤホンとの違い
オープンイヤー型イヤホンは、耳の穴を完全に覆わず、耳のくぼみや耳の周囲に引っ掛けて装着するタイプのイヤホンです。耳道を塞がないため、圧迫感がほとんどなく、周囲の音を自然に聞き取れます。
また、インナーイヤー型よりも開放感があり、外音を取り入れながら音楽を楽しめる点もメリットです。ただし、音漏れがしやすく、周囲の騒音も入り込みやすいため、静かな環境での使用や集中したい場面には向きません。
一方で、カナル型イヤホンは耳のなかに密着して装着するため、遮音性が高く音漏れの抑制が可能です。周囲の音を遮断してクリアな音質を楽しみたい場合にはカナル型、周囲の音も聞きたい場合にはオープンイヤー型を選ぶようにしましょう。
ヘッドホンとイヤホンの違いが知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
カナル型イヤホンのメリット

カナル型イヤホンには、装着感のよさや遮音性の高さなどのメリットがあります。ここからは、主なメリットについて詳しく見ていきましょう。
耳によくフィットする
カナル型イヤホンの大きなメリットは、耳の穴にしっかりフィットし、動いても外れにくい点です。イヤーピースが耳道に密着する構造のため、通勤中や運動時などの体を動かす場面でも、安定して使用できます。
ただし、耳の形に合わないイヤーピースを装着すると、圧迫感や痛みを感じることもあります。カナル型イヤホンを購入する際は、サイズや素材をよく確認し、自分の耳に合ったものを選ぶようにしましょう。
遮音性が優れている
カナル型イヤホンは、耳の奥まで挿入する構造になっており、外部の音を遮断しやすい点もメリットです。密閉性が高く、音漏れが少ないため、周囲の雑音に影響されることなく音楽を楽しめます。
近年では、ノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスイヤホンも多く登場していますが、カナル型イヤホンは物理的に外音を遮断できる点が大きな特徴です。音量を上げなくてもクリアなサウンドが保たれるため、騒がしい場所や公共の場でも快適に使用できます。
低音に強い
カナル型イヤホンは、低音の再生に優れている点も魅力といえます。耳の奥に密着して音を伝える構造により、重低音が耳道内でしっかりと響くため、迫力のあるサウンドを楽しむことが可能です。
特に、臨場感のある音楽や、低音の効いた楽曲を好む方に適しています。また、外部の雑音を遮断しやすい構造であることから、音楽に集中しやすい点も大きなメリットといえるでしょう。
種類が豊富
カナル型イヤホンは、幅広い層から支持されていることから、さまざまな種類が展開されています。
特に、ワイヤレスイヤホンの多くはカナル型をベースに設計されており、選択肢が豊富である点が特徴です。音質やデザイン、フィット感にこだわったモデルから、価格帯や用途に応じたバリエーションまで幅広く揃っており、自分のニーズに合った製品を見つけやすいでしょう。
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カナル型イヤホンのデメリット

メリットの多いカナル型イヤホンですが、注意点もあるため購入前に把握しておくことが大切です。ここでは、カナル型イヤホンのデメリットについて見ていきましょう。
外の音が聞こえにくい
カナル型イヤホンは、密閉性の高さが大きな魅力ですが、その一方で周囲の音が聞こえにくくなるというデメリットもあります。
たとえば、電車のアナウンスや自動車のクラクションなどの音に気づきにくくなるため、使用する際は十分に注意しましょう。
近年では、「外音取り込み機能」を搭載したカナル型イヤホンも登場しています。安全を確保するためにも、状況に応じて適切なタイプを使い分けることが大切です。
長時間の使用には適していない
カナル型イヤホンを長時間使用すると、耳に疲労感や痛みを感じることがあります。また、音が鼓膜に近い位置で直接響くため、耳への負担が大きく、場合によっては聴力低下を招くリスクも考えられます。
そのため、カナル型イヤホンを使用する際は、定期的に休憩をとったり、音量を控えめにしたりするなど、耳への負担を軽減する工夫を心がけましょう。
イヤーピースを紛失する恐れがある
カナル型イヤホンのイヤーピースは、着脱可能な構造になっているため、不意に外れて紛失してしまうことも少なくありません。外出時や移動中に、気づかないうちに落としてしまったという経験を持つ方も多いでしょう。
カナル型イヤホンにおいて、イヤーピースは密閉性や装着感に大きく関わる重要なパーツです。紛失に備えて予備のイヤーピースを持ち歩くほか、定期的に状態を確認することをおすすめします。
イヤーピースに汚れが付着しやすい
カナル型イヤホンは、耳の穴にイヤーピースを差し込んで装着するため、耳垢や皮脂、ほこりなどが付着しやすい傾向があります。これらの汚れが溜まると、音質の劣化や耳の衛生面に問題が生じる可能性があるので注意が必要です。
長時間の使用後や頻繁に使用する場合は、イヤーピースを定期的に掃除するようにしましょう。汚れがひどい場合には、イヤーピースの交換を検討することをおすすめします。
カナル型イヤホンを選ぶ際のポイント

近年では、カナル型イヤホンにも多くの種類が登場しているため、どれを購入すればよいか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ここからは、カナル型イヤホンを選ぶ際のポイントについて解説します。
接続方法で選ぶ
カナル型イヤホンの接続方法には、「Bluetooth(無線)」と「有線(ケーブル)」の2種類があります。Bluetoothタイプは、コードが絡まない利便性がありますが、充電が切れると使用できない点がデメリットです。
一方で、有線タイプは充電が不要で、安定した接続が可能です。ただし、使用状況によってはコードが絡みやすいことがあり、不便を感じることもあります。また、近年ではイヤホンの差し込み口がないスマートフォンも増えているため、必要に応じて変換アダプタの使用を検討しましょう。
音質にこだわって選ぶ
イヤホンには、「ドライバー」という部品が搭載されています。カナル型イヤホンを選ぶ際は、ドライバーの種類による音質の違いにも注目しましょう。ダイナミック型(DD)は低音再生に優れており、価格も比較的リーズナブルです。一方で、バランスド・アーマチュア型(BA)は中高音域がクリアに再現されますが、やや高めの価格帯となっています。
これらの特徴を組み合わせたのがハイブリッド型で、幅広い音域をバランスよく再生できる点が魅力です。自分の音の好みに合ったモデルを選ぶことで、より快適に音楽を楽しめるでしょう。
付加機能で選ぶ
カナル型イヤホンを選ぶ際は、「付加機能」にも注目しましょう。たとえば、ノイズキャンセリング機能があれば、周囲の雑音を軽減し、音楽や通話に集中しやすくなります。また、リモコン付きのモデルであれば、イヤホン本体で音量調整や曲送りなどの操作が可能です。
また、通話やWeb会議で使用する予定がある場合は、マイクを搭載したモデルを選ぶと便利でしょう。さらに、防水・防滴機能の有無も確認し、使用環境に合ったイヤホンを選ぶことが大切です。
フィット感で選ぶ
先述した通り、カナル型イヤホンは、イヤーピースが耳のサイズや形に合わないと外れる可能性がります。また、音漏れや耳の痛みの原因にもなるので注意が必要です。
複数サイズのイヤーピースが付属しているモデルであれば、自分に合ったフィット感を見つけやすいでしょう。
使用シーンに合わせて選ぶ
カナル型イヤホンは、使用シーンによって必要な機能が異なります。選ぶ際には、使用シーンを想像し、適切な機能を備えたものを選びましょう。
たとえば、通勤・通学時に使用したい場合は、遮音性の高いモデルがおすすめです。一方で、スポーツ用であれば、軽量で防水性のあるタイプが向いているでしょう。そのほか、テレワークや通話に使用する際は、マイク付きで、長時間装着しても疲れにくいものを選ぶのがおすすめです。
カナル型イヤホンの購入先を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
カナル型イヤホンを使用する際のポイント・注意点

カナル型イヤホンを快適に使用するには、注意点を押さえておくことが大切です。ここからは、使用時のポイントについて解説します。
コードは首の後ろに回す
有線タイプのカナル型イヤホンを使うときは、コードを首の後ろに回すのがおすすめです。前に垂らしたままだと、ケーブルの重みでイヤホンが外れやすくなります。後ろに回すことで安定感が増し、動いても外れる心配が少なくなります。
また、首かけタイプのカナル型イヤホンもあるため、選択肢として検討してみてください。
自身にあったサイズのイヤーピースを装着する
カナル型イヤホンのイヤーピースは、自分の耳に合ったサイズを選びましょう。多くの場合、複数のイヤーピースが付属しているため、合わないと感じた場合は交換することで装着感が向上します。
イヤーピースは、音漏れの防止や、長時間使用による疲れの軽減にもつながるため、自分の耳の形に合ったものを選ぶようにしましょう。
イヤーピースの素材を変更してみる
カナル型イヤホンのイヤーピースが耳にフィットしない場合は、素材を変えてみるのもおすすめです。シリコンやフォームなど、さまざまな種類があるため、装着感を考慮して自分に合ったものを選びましょう。
付属のイヤーピースに満足できないときは、別売りのアイテムを購入するのも一つの方法です。
適度に耳を休ませる
カナル型イヤホンは耳に密着する構造のため、長時間の使用で耳に負担がかかります。使用中は1~2時間ごとにイヤホンを外し、耳を休ませる習慣をつけましょう。
適度に休憩をとることで、耳の疲れや痛みを軽減でき、より快適に音楽を楽しめます。
使用後はイヤーピースを清潔に保つ
カナル型イヤホンを使用したあとは、イヤーピースに付着した汗や皮脂を軽く拭き取り、定期的に洗浄しましょう。汚れが溜まると、音質の低下や耳のトラブルを引き起こす原因になります。
普段からイヤーピースを清潔に保つように意識することが大切です。
カナル型イヤホンでおすすめのメーカー

カナル型イヤホンは、複数の音響メーカーから販売されています。ここからは、おすすめのメーカーを4つ紹介します。
〈SONY ソニー〉
ソニーのカナル型イヤホンは、バランスのとれた音質と洗練されたデザインが魅力です。シンプルで使いやすいモデルから高音質モデルまで、多様なラインナップが揃っており、初心者・上級者を問わず、最適なアイテムを見つけやすいでしょう。
〈Apple アップル〉
iPhoneユーザーなら、Appleのカナル型イヤホン「AirPods Pro」がおすすめです。外音取り込み機能が備わっており、首位の音を聞き取りながら、遮音性の高いサウンド体験を楽しめます。また、シンプルでスタイリッシュなデザインも、Apple製品の魅力です。
〈audio-technica オーディオテクニカ〉
オーディオテクニカは、日本の老舗音響ブランドとして知られ、コストパフォーマンスの高さと音質のよさで高い評価を得ています。
カナル型・インナーイヤー型を問わず幅広い価格帯のモデルが揃っており、日常遣いに適したアイテムを探している方にもおすすめです。
〈Anker アンカー〉
アンカーのカナル型イヤホンは、コストパフォーマンスを重視する方に人気です。価格を抑えつつ、音質や機能性にも優れており、初めてのイヤホン選びにも適しています。手軽に高品質なイヤホンを試したい方におすすめです。
まとめ
カナル型イヤホンとは、イヤホンの種類の一つです。耳への密着性や遮音性が高く、よりダイナミックな音を楽しみたい方に向いています。近年は、多様な種類がリリースされているため、自分の耳に合ったタイプを選びやすい点も魅力です。
ただし、使い方によっては耳に負荷がかかる可能性もあります。長時間の使用は避け、使用後は皮脂や汚れを落としましょう。
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