除湿機は多様な種類があるため、どれが適しているかわからない方も多いでしょう。除湿機を購入する際は、用途に適したタイプを選択することが大切です。
本記事では、カビ対策に最適な除湿機の選び方やおすすめの製品を紹介します。購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
除湿機は室内のカビ対策におすすめ

除湿機は、室内のカビ対策に役立つ家電です。効率的にカビを防ぐためにも、発生する原因やリスクを押さえたうえで導入しましょう。
カビの発生原因
カビは、湿度・温度・栄養の3つの条件が重なると生じやすくなります。特に湿度が60%を超えると急激に増殖するため、雨の多い季節や温度が低く結露が起こりやすい時期は注意が必要です。
たとえば、室内干しや加湿器の使用で湿度が上がった状態が続くと、窓際や壁の裏、家具の裏側など、空気がこもりやすい場所にカビが繁殖します。また、ほこりや皮脂汚れなど、カビの栄養源となるものが蓄積されている場合も同様です。
こうした環境下では、日常的に掃除をしていてもカビのリスクが高まります。室内のカビ対策は、繁殖につながる条件を理解したうえで、湿度管理の徹底が重要です。
除湿機による室内のカビ除去
カビ対策として、除湿機の活用が効果的です。除湿機は、室内全体の湿度をコントロールするほか、靴箱やクローゼット、押入れなどの湿気がこもりやすい場所を狙って除湿する際に有効です。湿度を一定以下に維持すると、カビの繁殖条件そのものを断ちやすくなります。
たとえば、湿度の高い時期に除湿機を導入すると、窓や壁、家具の裏などに生えたカビの発生リスクを大幅に軽減可能です。また、部屋干しによる湿気の蓄積も防げるため、日常的な除湿にも活躍します。市販の推奨モデルのなかには、衣類乾燥やスポット除湿に特化し、カビの除去にも有効な製品が揃っているため、使用目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
以下の記事では、除湿機を活用するメリットについて紹介しています。気になる方は、ぜひご確認ください。
除湿機本体のカビ対策

除湿機を正しく使用するには、本体に生えるカビの抑制も欠かせません。除湿機でいくら湿気を取り除いても、本体にカビが生えると却って不潔な空気を撒き散らし、意味ない結果になります。
特に、タンク内に水を残したままにすると、カビが生えやすくなるので注意が必要です。また、エアフィルターの汚れもカビ臭い原因になります。
除湿機の使用後は、タンクやフィルターの掃除・乾燥を忘れずに行い、カビが発生しないようにしましょう。定期的なお手入れすることで、カビの繁殖を抑えるだけでなく、除湿機の効果を最大限に保てます。
なお、以下の記事では、除湿機から嫌な臭いが発生する理由について解説しています。気になる方は、ぜひご確認ください。
除湿機の除湿方式

除湿機にはさまざまな除湿方式があり、性能に違いがあります。本項では、4つの除湿方式を解説します。
コンプレッサー式
除湿方式のなかでも、省エネ性とパワフルな除湿能力を兼ね備えたコンプレッサー式は、特に人気の高いタイプです。気温の高い季節に効率よく除湿できるため、梅雨のカビ対策として注目されています。
この方式は、室内の湿気を含んだ空気を本体に取り込み、冷却器で冷やして水滴に変えてタンクに溜める構造です。室内の湿度を効率よく抑え、カビの発生を防ぐのに役立ちます。
また、ほかの方式に比べて高い除湿力を発揮しながら、電気代も抑えられる点も特徴です。ランニングコストが低く、広い部屋や日中の除湿にも適しています。湿気が多くなる季節に、効率よくカビを防ぎたい場合は、コンプレッサー式除湿機の導入を検討してみるとよいでしょう。
なお、以下の記事では除湿機にかかる電気代について解説しています。気になる方は、ぜひご確認ください。
デシカント式
寒い季節でも安定した除湿効果を求めるなら、デシカント式が適しています。同タイプは気温の影響を受けにくいため、冬場でもしっかり湿気を取り除けるのが特徴です。
この方式では、デシカント(乾燥剤)に空気中の湿気を吸着させ、ヒーターで加熱・乾燥させることで水分を除去します。冷却器を使わないため、気温が低くても除湿性能が落ちにくく、結露が起こりやすい季節にもおすすめです。
たとえば、冬の室内干しや寝室、クローゼット内など気温が低くなりがちなスペースでも、デシカント式なら効果的に湿度をコントロールできます。ただし、ヒーターを使用する構造上、コンプレッサー式に比べて電気代が高めになる点に注意が必要です。
気温に左右されず、年間を通じてカビを抑制したい方は、デシカント式除湿機の導入を検討しましょう。
ハイブリッド式
ハイブリッド式は、コンプレッサーとデシカントの除湿方式を組み合わせたタイプです。
気温の高い夏場には消費電力を抑えられるコンプレッサー、低温の冬場には除湿性能を維持できるデシカントを自動で切り替えられる製品も多く、季節を問わず効率よく除湿やカビ対策ができます。また、除湿性能と省エネ性能のバランスがよく、通年で使用するとコストパフォーマンスのよさを感じられるでしょう。
除湿方式の選択に迷っている方や、季節ごとの切り替えなく1台で年中快適に使いたい方には、ハイブリッド式の除湿機がおすすめです。
ペルチェ式
ペルチェ式はコンプレッサー方式と同様に、空気中の湿気を冷却によって水滴に変換し、タンクに溜める仕組みです。違いとしては、コンプレッサーやヒーターを使わずに、ペルチェ素子という電子パーツで冷却を行う点が挙げられます。
なお、本体が軽量かつコンパクトであり、静音性も高めです。電気代も他のタイプに比べて安く、夜間の使用やサブで使う場合にも適しています。
たとえば、寝室や書斎などの小規模な空間や、クローゼット、靴箱など限られたスペースで湿度管理をしたい場合に有効です。一方で、大きな部屋や広範囲の除湿には不向きなため、用途を限定して使用するとよいでしょう。
除湿機を選ぶ際に確認すべきポイント

数ある除湿機のなかから、ライフスタイルや部屋のサイズなどに適したタイプを選ぶ際は、ポイントを押さえることが大切です。以下では、除湿機の選び方を4つの項目に分けて解説します。
除湿方式
除湿機を選ぶ際は4つの除湿方式を考慮しつつ、適したタイプを選ぶ必要があります。
下表の内容を参考に、選ぶようにするとよいでしょう。
| 除湿方式 | 適したシーン・場所 | 特徴 |
| コンプレッサー式 | ・春~夏 ・リビング、寝室、洗面所など | ・気温が高いほど除湿能力が高い ・電気代が安い ・運転音がやや大きめ |
| デジカント式 | ・秋~冬 ・寒冷地、脱衣所など | ・寒い時期でも除湿力が安定 ・電気代が高め ・内部で熱を出すため室温が上がりやすい |
| ハイブリッド式 | ・オールシーズン ・室内全般 | ・気温に応じてコンプレッサーとデシカントを自動で切り替えられる ・1年中使用できる |
| ペルチェ式 | ・春~秋 | ・コンパクトかつ静音性が高い ・除湿力が弱め(狭い空間向き) ・安価で購入できる |
このように、除湿機の性能を最大限に活かすには、目的や使用場所に応じて最適な除湿方式を選ぶことがポイントです。
機能
近年では除湿機も多様化しており、さまざまな機能が備わったタイプが登場しています。購入時は、用途やライフスタイルに合った機能が搭載されているかを確認することが大切です。
たとえば、部屋干しの機会が多い家庭では、衣類乾燥機能が役立ちます。送風の強さや角度を調節すると、洗濯物を効率よく乾かしながら、部屋全体の湿度調整が可能です。夜間に洗濯をする場合は、動作音を抑えた「夜干しモード」を取り入れた機種が適しています。
また、フィルターの自動洗浄や除菌機能など、清潔さを保つ衛生機能が備わっていると、カビ発生のリスクを軽減できます。使用目的に合わせて必要な機能を見極めると、より快適かつ効率的に除湿機を活用できるでしょう。
除湿能力・サイズ
除湿機は、製品によって除湿能力やサイズが異なります。そのため、設置する部屋の広さに合ったタイプを選ぶことが大切です。適切な除湿性能がなければ、十分に湿気を除去できず、カビを抑制する効果も薄れてしまいます。
除湿能力は数値が大きいほど高く、広い部屋を効率的に除湿できる点が特徴です。たとえば、10畳以上のリビングや寝室には、1日あたり8~10L以上の除湿能力を持つモデルが向いています。一方で、一人暮らしのワンルームや6畳前後の部屋であれば、コンパクトサイズでも十分に対応可能です。また、タンク容量や本体サイズもあわせて確認しておくと、設置やお手入れの面でも扱いやすくなります。
お手入れのしやすさ
除湿機を長く快適に使い続けるには、お手入れのしやすさも重要な要素です。お手入れに手間がかかると、掃除の頻度が下がり、カビの原因になる可能性があります。
特に確認しておきたい点は、フィルターやタンク、本体の構造です。フィルターは取り外しが簡単で、水洗いできるタイプが扱いやすいでしょう。タンクについても、持ちやすいハンドル付きや排水口が広めの設計であれば、水を捨てる作業をスムーズに行えます。
また、本体内部に湿気がこもらないように、パーツの奥までしっかり拭き取れる構造かも確認しておきたいポイントです。
こうした使い勝手のよさが備わっていれば、日常的なお手入れが楽になります。
カビ対策におすすめの除湿機【メーカー別】

湿度が高くなる季節に向けて、新たに除湿機を導入したいという方は多いでしょう。以下では、7つのメーカー別におすすめの除湿機を紹介します。
なお、除湿機の正しい選び方について気になる方は、以下の記事をご一読ください。
〈Panasonic パナソニック〉
高機能と省エネ性を両立させたい方には、パナソニックの除湿機が人気です。多機能ながら電気代を抑えられる点が、日常使いにおいても注目される理由といえるでしょう。
たとえば、エコ・ハイブリッド方式を採用した「F-YEX120B-W」は、周囲の温度や湿度に合わせて、コンプレッサー式とデシカント式を自動で切り替える仕組みが備わっています。除湿効率を保ちながら、電力消費を抑える設計となっているため、コストが気になる方にもおすすめです。
また、衣類乾燥機能やナノイーによる清潔機能も備えており、カビ対策や衛生管理にも役立ちます。省エネ性能と多彩な機能を重視したい方にとって、使い勝手と経済性を兼ね備えた頼れる選択肢となるでしょう。
〈SHARP シャープ〉
空気の清潔さにもこだわりたい方には、シャープの「CV-P180-W」が適しています。プラズマ機能が備わっているため、空気清浄や臭い対策にも有効です。
たとえば、部屋干し時に生じやすい生乾き臭を抑えながら、カビの原因となる湿気も効率的に除去します。プラズマクラスターイオンが空間に放出されることで、除湿と同時に空気中の菌や臭い成分にも働きかける点も魅力です。また、大風量なので衣類乾燥にも対応しており、雨の日の洗濯時にも役立ちます。
清潔な空気環境を保ちつつ、しっかりカビ対策を行いたい方にとって、シャープの除湿機は心強い味方となるでしょう。
〈MITSUBISHI ELECTRIC 三菱電機〉
高機能で細やかな運転制御を求める方には、三菱電機の除湿機がぴったりです。使用環境に応じて賢く動作する設計が、快適な除湿をサポートします。
特におすすめしたいモデルが「MJ-PV250SX」です。「冬モード」「快適見守り運転」「エコ静音」など、多彩な機能を搭載しており、さまざまなシーンで活躍します。
たとえば、「冬モード」を使うと、寒い季節もしっかり除湿が可能です。また、静音設計により、就寝中や夜間の使用にも適しており、音を気にする必要がありません。
このように、便利な機能が1台にまとまっているため、快適さと効率の両方を求める方にとって選択肢の1つとなるでしょう。
〈HITACHI 日立〉
コンパクトサイズの除湿機を探している場合は、日立の「HJS-DR601」がおすすめです。部屋間の移動もスムーズに行えるため、リビングや寝室、クローゼットなど、除湿したい場所へ簡単に持ち運べます。
さらに、オートルーバーを搭載している点も魅力です。オートルーバーとは、風向き調整の自動機能で、効率的に除湿をする際に役立ちます。これにより、湿気が溜まっている場所に対応しながら、部屋全体の空気をムラなく整えることが可能です。
シンプルながらも実用性に優れた機能を備えた日立の除湿機は、さまざまなシーンで柔軟に活用できる頼もしい1台となるでしょう。
〈CORONA コロナ〉
パワフルな除湿力とコストパフォーマンスを求める方には、コロナの除湿機が適しています。シンプルな構造ながら、実用性に優れた設計が特徴です。
特に、コンプレッサー式の「CD-H10A(K)」は、1日あたりの除湿能力が10Lと高く、広めの部屋でもしっかり湿気を取り除けます。さらに、1時間あたりの電気代が約6円と、消費電力の面でも優れており、日常的に使用しても負担が少ない点は大きな魅力です。室内干しや梅雨時のカビ対策など、湿度が気になる季節にも頼れる存在となるでしょう。
〈IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ〉
コストパフォーマンスと実用性を重視したい方には、アイリスオーヤマの製品が適しています。
たとえば、「IJD-I50」は、除湿機とサージュレーターの両方を兼ね備えている点が特徴です。部屋干しでも効率的に乾かせるほか、室内の空気をしっかりと循環させられるため、カビ対策にもなります。
こうした衣類乾燥とカビ対策の両方を備えた多機能なタイプは、日常遣いでも便利です。
〈TWINBIRD ツインバード〉
ツインバードの除湿機は、操作がしやすく使い勝手がよい点が魅力です。機能がシンプルなので、初めて除湿機を使う方にも向いています。
コンプレッサー方式を採用した「JS-E955W」は、必要な機能をスリムにまとめた設計が特徴です。操作パネルは視認性が高く、直感的に使えるため、機械が苦手な方でも使いやすいでしょう。
操作性だけでなく、除湿能力も十分にあるため、日常の湿気対策やカビ予防にもしっかり対応できます。リビングや寝室などの家庭内での使用はもちろん、書斎や子ども部屋といった限られたスペースにも設置しやすいサイズ感も魅力です。
余計な機能を省きつつも、除湿機としての基本性能はしっかり備えているため、使いやすさを重視したい方にはツインバードの除湿機が安心して選べる1台となるでしょう。
まとめ
除湿機は、室内のカビ対策において有効なアイテムです。湿度をコントロールすることで、カビの発生リスクを大きく減らせるだけでなく、衣類乾燥や空気の清浄など、暮らしをより快適にする機能も兼ね備えています。
除湿機を選ぶ際は除湿方式やサイズ、お手入れのしやすさを考慮して、ライフスタイルに合ったアイテムを選びましょう。できるだけリーズナブルに購入したい方は、リユースショップやリサイクルショップの利用もおすすめです。
全国に850店舗を超える実店舗とオンラインストアを運営する〈2nd STREET セカンドストリート〉でも、除湿機を多数取り揃えています。買い替えや購入をご検討中の方は、お気軽にご利用ください。






