「炊飯器から嫌なニオイがする」「ご飯の炊き上がりがイマイチ…」と感じるのであれば、それは炊飯器内部の汚れが原因かもしれません。
炊飯器は毎日のように使う家電だからこそ、定期的なお手入れが重要です。汚れを放置すると、雑菌やカビが繁殖して衛生面にも悪影響を及ぼします。
しかし「そもそも炊飯器の掃除の仕方がわからない」という方も多いでしょう。
本記事では、炊飯器を清潔に保つための掃除方法を解説します。
炊飯器の掃除が重要な理由
炊飯器を清潔に保つことは、おいしいごはんを炊くためだけでなく衛生面でも重要です。
炊飯時に発生するお米のデンプン質と水蒸気は、内釜や内蓋にとどまらず、本体の内側や蒸気口、外側にまで広がり付着します。これらを放置すると乾燥して汚れがこびりつき、雑菌やカビが繁殖しやすくなり、嫌なニオイの原因にもなります。
さらに、汚れが熱源に影響することで、ごはんの炊き上がりに悪影響を及ぼす可能性も。炊飯器全体を定期的に掃除することが、快適な炊飯環境を保つポイントです。
炊飯器の掃除はどれくらいの頻度でする？
炊飯器を清潔に保つためにも、部位ごとに必要な頻度で掃除をしましょう。
炊飯器の掃除頻度は、以下のとおりです。
- 内釜・内蓋：毎回
- 外釜・蒸気口・本体：1週間に1回
- 炊飯器裏のファン：1ヶ月に1回
内釜と内蓋は、ご飯を炊くたびに毎回洗うのが基本です。外釜や蒸気口、本体は汚れがたまりやすいため、週に1回はお手入れをしましょう。
また、裏側にあるファン部分は月に1回を目安にほこりを取り除くことで、故障や異臭の予防につながります。
【部品別】炊飯器の掃除方法
次に、炊飯器の掃除方法を部位別で解説します。
炊飯器を掃除する際は、以下の道具を揃えましょう。
＜炊飯器の掃除で使う道具＞
⬜︎ やわらかいスポンジ
⬜︎ 食器用洗剤
⬜︎ 綿棒
⬜︎ 布巾
⬜︎ メラニンスポンジ
各部位の掃除方法を、順番に解説します。
内釜・内蓋
内釜はフッ素加工が施されているため、傷つけないようにやわらかいスポンジに食器用洗剤をつけて優しく洗いましょう。米粒やでんぷんの汚れがこびりついている場合は、ぬるま湯にしばらく浸けてから洗うと落としやすくなります。
内蓋も同様に水洗いが可能ですが、特にパッキンの裏に汚れが残りやすいため丁寧に確認してください。
どちらも洗浄後は乾いた布で水分を拭き取り、カビや雑菌の繁殖を防ぐことが大切です。
外釜・外蓋
外釜はセンサーなどが備わっている精密な部分のため、水に浸けて洗うのは厳禁です。お手入れの際は、硬く絞った布でやさしく水拭きしましょう。
焦げつきが気になる場合は、メラミンスポンジで丁寧に磨くとキレイになります。
外蓋の掃除も基本はふきんでの拭き取りですが、皮脂や調理中の蒸気で付着した油汚れがある場合は、セスキ水をスプレーしてから拭き取るのが効果的です。
また、蒸気口の細かい部分は綿棒を活用するとスムーズです。
蒸気口・排気口・本体
蒸気口は細かなホコリが溜まりやすいため、綿棒を使って丁寧に掃除しましょう。見落としがちな排気口や吸気口も、ホコリが蓄積すると空気の循環が悪くなり、炊飯器の故障につながる恐れがあります。
月に1回を目安に、掃除機や綿棒、布巾で汚れを取り除くのが理想です。
本体の表面は硬く絞った布で水拭きし、頑固な汚れには薄めた台所用洗剤を使って対応します。洗剤使用後は、しっかりと拭き取って仕上げましょう。
炊飯器のニオイが取れない場合の対処法
炊飯器の掃除方法を上述しましたが、「それでもニオイが取れない」ということもあるでしょう。
上述した方法を試しても炊飯器のニオイが取れなかったという方は、以下の方法で掃除してみてください。
クエン酸・重曹を使う
基本の掃除をしてもニオイが気になる場合は、クエン酸や重曹を使った対処法がおすすめです。クエン酸には脱臭効果があり、内釜に水とクエン酸を入れて炊飯することでニオイを軽減できます。
ただし、金属製以外の内釜では使用できない場合があるため、取扱説明書を事前に確認しましょう。
重曹は防臭効果があり、日常的なメンテナンスにも便利です。
どちらも食品に使われる成分で安全ですが、炊飯器のコーティングを傷つけないよう、メーカー推奨の方法に従って使用することが大切です。
炊飯器の「お手入れ機能」を使う
最近の炊飯器には、「お手入れ機能」が搭載されているモデルが増えています。お手入れ機能を使うと、高温の蒸気によって内釜や内部の汚れを分解し、ニオイの原因を取り除けます。
使い方は炊飯器によって異なりますが、一般的には内釜に水を入れて「お手入れ」コースを選んでスタートするだけです。終了後は内釜のお湯を捨てて、内蓋や蒸気ふたをしっかり洗って乾かしてください。
炊飯器を掃除する際の注意点
次に、炊飯器を掃除する際の注意点を解説します。
知らずに掃除すると炊飯器が傷ついたり、故障したりする可能性があるため、よく確認してから掃除してください。
炊飯器を傷つける道具を使わない
炊飯器を掃除する際は、使う道具にも十分な注意が必要です。金属たわしやナイロンたわし、研磨スポンジなどは内釜のフッ素加工を傷つけるため使用を避けましょう。
また、シンナー・ベンジン・クレンザー・漂白剤などの強力な薬品や、重曹を大量に使うことも劣化の原因になります。除菌アルコールや化学ぞうきんも、部品を傷める恐れがあるため使用はNG。
さらに、食器洗い乾燥機の使用は故障につながることがあるので、必ず手洗いで丁寧にお手入れしてください。
炊飯直後の高温状態で洗わない
炊飯器の掃除は、炊き終わった直後の高温状態では行わないよう注意が必要です。熱いまま水洗いをすると、内釜や本体の部品が変形したり、故障の原因になることがあります。
安全に掃除を行うには、まず電源を切り、コードを抜いたうえで十分に冷ましてからお手入れを始めましょう。
頑固な汚れがある場合は、熱湯ではなくぬるま湯を使うのがポイントです。炊飯器の寿命を守るためにも、温度とタイミングに配慮した掃除を心がけましょう。
熱湯で洗わない
炊飯器の掃除では、熱湯の使用は避けてください。特に内釜は熱による影響を受けやすく、熱湯で洗うと変形やコーティングの劣化につながる恐れがあります。
頑固な汚れやこびりついた米粒が気になる場合でも、熱湯ではなくぬるま湯を使うのが安全です。
それでも落ちにくい場合は、食器用洗剤をやわらかいスポンジに含ませ、表面を優しくなでるように洗いましょう。炊飯器の寿命を守るためにも、熱の扱いには注意が必要です。
炊飯器の汚れやニオイを日頃から予防する方法
炊飯器の汚れやニオイを防ぐには、日頃からのこまめな掃除が何より大切です。
お米を炊いた後、長時間そのまま放置するとでんぷん質が雑菌やカビの繁殖を招き、不快なニオイの原因になります。使用後はできるだけ早くご飯を別容器に移し、内釜や内蓋を洗浄しましょう。
特に炊き込みご飯など調味料を使った場合は、汚れやニオイがつきやすくなるため、早めの掃除が欠かせません。
清潔な状態を保つことで、おいしさと安全の両方を守れます。
掃除しやすい炊飯器の選び方
炊飯器の掃除をできるだけ楽にしたい方には、洗う部品が少なくシンプルな構造の炊飯器を選ぶのがおすすめです。なかでもマイコン炊飯器は、IH炊飯器と比べて構造が簡単で、余計なパーツが少ないため日々のお手入れがスムーズに行えます。
お米をムラなく炊き上げる性能ではIHにやや劣りますが、味よりも掃除のしやすさを重視する人には最適です。
購入時は、内釜や内蓋が簡単に取り外せるか、掃除が必要な部品の数が少ないかなどをチェックしましょう。
まとめ
炊飯器を清潔に保つことは、おいしいごはんを炊くためだけでなく衛生面でも重要です。掃除を怠ると雑菌やカビが繁殖し、嫌なニオイや炊き上がりの質の低下につながります。
内釜や内蓋だけでなく、外釜・蒸気口・本体の裏側まで、定期的にしっかり掃除しましょう。
もし、ニオイや汚れが落ちにくくなってきたら、買い替えを検討するのも一つの方法です。
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