洗濯機は日常的に使う家電であり、掃除を怠っていると内部には繊維やホコリが溜まります。こうした汚れは、カビや雑菌の発生にもつながるため、定期的に掃除することが大切です。
洗濯機の掃除には、塩素系洗浄剤のハイターが役立ちます。除菌・殺菌効果が期待できるため、頑固な汚れも簡単に落とせるでしょう。しかし、使用方法を誤ると洗濯機が故障してしまうので注意が必要です。
そこで本記事では、ハイターを活用した洗濯機の掃除方法について解説します。これから洗濯機の掃除を行う方は、ぜひ参考にしてみてください。
洗濯機の洗濯槽の掃除はハイターでできる?

まずは、ハイターを使用した洗濯機の槽洗浄について概要をみていきましょう。
ハイターで洗濯機の槽洗浄は可能
前述した通り、洗濯機の掃除にはハイターを活用できます。
しかし、一般的にキッチンで使用するハイターは、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤です。使用目的は、食器やまな板、布巾などの漂白であり、洗濯機の槽洗浄に使用すると故障する可能性があります。なお、メーカーでも洗濯機への使用は推奨していません。
ハイターは1種類ではなく、衣類用やパイプ洗浄用、カビ対策用などさまざまなタイプがあります。成分や目的によって、洗濯槽の掃除に向き不向きがあるため、事前に確認してから選ぶようにしてください。
ハイターの種類と洗濯槽の掃除に向くもの
洗濯機の槽洗浄に適しているハイターには、洗たく槽ハイターやハイターが挙げられます。ただし、ハイターは洗濯機メーカーによって使えない可能性があります。
また、洗たく槽ハイターは、9kg以下の縦型洗濯機に対応した洗剤であり、ドラム式洗濯機には使用できません。ドラム式洗濯機の掃除をする際は、ドラム式専用の洗濯槽クリーナーを使用するようにしましょう。
なお、キッチン用品の漂白・殺菌に適した「キッチンハイター」や色柄物の衣類を漂白する「ワイドハイター」も、槽洗浄に向いていません。そのため、洗濯槽を掃除する際はハイターの種類に注意して、適切なアイテムを選ぶようにしましょう。
ハイターで洗濯槽を掃除すると壊れる?
洗たく槽ハイターは、槽洗浄に特化した粉末酸素系の洗剤です。塩素系ではないため、適量を守れば洗濯機が壊れるリスクは低いです。ただし、ドラム式洗濯機で使用すれば故障する恐れがあるため、使用を避けましょう。
ハイターは、メーカーによって使用の可否が異なります。〈HITACHI 日立〉や〈TOSHIBA 東芝〉の洗濯機では使用可能ですが、〈Panasonic パナソニック〉では非推奨とされています。さらに、〈SHARP シャープ〉では使用厳禁となっているため、使用しているのであれば別の方法を検討してください。
使用不可としているメーカーでハイターを使うと、洗濯機が故障してしまう可能性があります。また、本来の目的以外で使用して故障した場合、自己責任となり補償を受けられないので注意しましょう。
ハイター以外で洗濯槽の掃除に使える・使えない洗剤

洗濯槽の掃除には、ハイター以外にも使用できるアイテムがあります。洗濯機が故障しないためにも、以下の内容を理解したうえで使用する洗剤を検討しましょう。
洗濯槽の掃除に使える洗剤
洗濯槽の掃除には「洗濯槽クリーナー」がおすすめです。当アイテムは、洗濯槽の掃除に特化しており、各メーカーからさまざまな商品が販売されています。
ただし、洗濯槽クリーナーには「塩素系」と「酸素系」の2種類が存在するため、それぞれの特徴を把握したうえで選ぶようにしましょう。
塩素系には、カビ取り剤にも使用されている次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。これにより、高い抗菌・消臭効果が期待できるほか、頑固な汚れを落としたい際に効果的です。
一方で、衣類や肌への刺激が気になる方は、酸素系が適しています。酸素の泡を活用して汚れを剥がすタイプの洗剤であり、塩素系特有の臭いも発生しません。
洗濯槽の掃除に使えない洗剤
洗濯機の掃除に適している洗剤は、メーカーによって異なります。メーカーが禁止もしくは非推奨としている洗剤は使用できないため、洗濯機の取扱説明書やメーカーの公式ページを確認したうえで選ぶようにしましょう。
たとえば、パナソニックの洗濯機は、台所用の塩素系漂白剤や酸素系漂白剤、食器洗い洗剤は使用できません。つけ置きに活用される「オキシクリーン」も酸素系漂白剤に該当するため、パナソニックの洗濯機では使用しないようにしましょう。
また、メーカーを問わず、重曹やクエン酸、酢は洗濯槽の掃除に不向きです。重曹は洗浄力が弱いため、洗濯機の掃除には多量に使用する必要があります。
一方で、酸性のクエン酸や酢は、金属を酸化させる特性を持ちます。洗濯機の掃除に使用すると内部にサビが発生するため、使用しないようにしましょう。
なお、洗剤を使用せずに水だけで槽洗浄をしても汚れを落とす効果はないので、適した洗剤を使用することをおすすめします。
ハイターを使った洗濯槽の掃除のやり方

ハイターを使って洗濯槽を掃除する際は、「槽洗浄コース」を使用するかどうかによってやり方が異なります。以下では、槽洗浄コースを使用する場合と使用しない場合のやり方について確認していきましょう。
また、洗濯槽の洗浄については以下のページでも詳しく解説しています。
洗濯機の洗濯槽の洗浄方法とは?
※「洗濯 機 槽 洗浄」制作中
「槽洗浄コース」を使用する場合
洗濯機によっては、槽洗浄コースが搭載されています。槽洗浄コースが搭載されていれば、洗たく槽ハイターやハイターの使用が可能です。ただし、日立と東芝は使用可能としていますが、他のメーカーでは非推奨の場合もあるため、事前に確認するようにしてください。
また、槽洗浄コースでは洗浄時間を選べます。たとえば、日立の洗濯機は「温水槽洗浄2時間コース」「槽洗浄11時間コース」「槽洗浄3時間コース」があり、汚れの度合に合わせて選ぶことで、洗浄効果を高められるでしょう。
操作方法は、槽洗浄コースのスタートボタンを押して、適量のハイターを入れるだけで、簡単に洗濯槽を掃除できます。
「槽洗浄コース」を使用しない場合
槽洗浄コースが搭載されていない洗濯機の場合は、「洗い」運転を活用しましょう。
初めに、適量のハイターを入れて洗い運転を行います。終了後は、排水をせずにそのまま放置して、2~3時間程度つけ置きを行いましょう。この作業により、汚れが水面に浮き上がってくるため、ゴミ取りネットですくい取って、再度洗い運転を繰り返してください。3回程度繰り返したのち、標準コースで回してすすぎと排水を行えば、洗濯槽の掃除は完了です。
ハイターを使った洗濯機のパーツ掃除のやり方

ハイターは、洗濯槽だけでなく、洗濯機のパーツを掃除する際も役立ちます。
以下では、「柔軟剤投入口」「ドラム式洗濯機のゴムパッキン」「排水ホース」の3つのパーツに分けて、ハイターを使用した掃除のやり方をみていきましょう。
柔軟剤投入口
洗濯機のパーツのなかでも、柔軟剤投入口は柔軟剤の残りが溜まって汚れやすくなります。汚れた状態のまま放置すると、カビやぬめりが発生するため、定期的に掃除を行いましょう。
柔軟剤投入口の汚れを落とす際は、キッチンハイターが効果的です。使い方は簡単で、直接汚れに吹きかけてしばらく放置したあと、古くなった歯ブラシやスポンジで擦ることで、簡単に落とせます。
洗濯機の洗剤投入口の掃除方法に関して、以下の記事を参考にしてみてください。
ドラム式洗濯機のゴムパッキン
ドラム式洗濯機は、扉部分にゴムパッキンが備わっています。ゴムパッキンは水分が溜まりやすいため、洗濯機のなかでカビが発生しやすい場所といえるでしょう。
ゴムパッキンに付着したカビを除去するには、殺菌力の強いハイターやワイドハイターが効果的です。使用する際は、適量を溶かした水を歯ブラシや雑巾などに染み込ませて、カビが生えている部分を拭き取りましょう。
なお、拭き残しがあると、通常の洗濯をした際に衣類が色落ちする可能性があるため、丁寧に拭き取るようにしてください。
排水ホース
洗濯機を長期間使用していると、排水ホースの内部にカビや汚れが蓄積します。その結果、悪臭が発生する可能性があるため、定期的に掃除することが大切です。
排水ホースを掃除する際は、泡ハイターが効果的です。排水ホースを排水口から外して、各部品に泡ハイターを吹きかけましょう。ホースの内部にも泡ハイターを吹きかけて、最後に水でしっかりと洗い流します。
排水口の掃除にも泡ハイターを使用しても問題ありませんが、金属部品に付着するとサビが発生するので注意しましょう。
まとめ
ハイターには、キッチンハイターやワイドハイターなど、さまざまな種類があります。洗濯機の掃除には洗たく槽ハイターが適しており、カビや悪臭の除去にも効果的です。
ただし、洗濯機のメーカーによっては、ハイターの使用を推奨していないケースもあります。事前に取扱説明書を確認したうえで、使用するようにしてください。
汚れが落ちない場合や故障している場合は、買い替えを検討するタイミングです。リーズナブルな価格で購入したいのであれば、リユースショップ・リサイクルショップの利用を検討してみてください。
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