基本的に、普段の生活では冷蔵庫の電源を頻繁に切る機会は少ないでしょう。しかし、引っ越しをする際は、コンセントを抜いて搬出する必要があります。安全に冷蔵庫を動かすためには、電源を切るタイミングを把握することが大切です。
そこで今回は、引っ越し前に冷蔵庫を切るタイミングを解説します。併せて、電源を切る手順やトラブルが発生した場合の対処法も紹介するため、引っ越しの予定がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
引っ越し前に冷蔵庫の電源はいつ切るべき？
引っ越しをする際は、冷蔵庫のコンセントを抜いて電源を切った後で水抜きをしなければなりません。電源を切る理由として、搬出直前まで稼働させた状態で移動させると、冷蔵庫が故障する原因になる点が挙げられます。また、冷蔵庫に溜まった水が、ほかの家具や家電にかかる可能性もあるでしょう。
こうしたトラブルを防ぐためには、搬出の24時間前を目処に電源を切ることが大切です。どうしても冷蔵庫で保管する食材がある場合でも、15時間～16時間前までにコンセントを抜いて水を出し切りましょう。冷蔵庫に付着した霜や氷が溶けるのに必要なスパンは15時間程度とされており、短時間電源を切っただけでは水漏れを起こします。
ただし、年式が古い冷蔵庫は、霜取りに時間がかかる可能性が高いため、24時間以上前にコンセントを抜いたほうが確実です。
なお、上記のタイミングは一般的な例であり、メーカーや機種によって異なります。詳しい電源の切り方や水抜きの方法は、取扱説明書を読むようにしてください。
冷蔵庫の電源を切る手順
冷蔵庫を安全に運ぶには、手順に沿って電源を切ることが大切です。
まず、引っ越しの1週間～2週間前に、冷蔵庫内の食品を確認したうえで、搬出当日に向けて中身を消費しましょう。確実に使い切るためには、当日までの献立をイメージするとスムーズです。特に、冷凍食品やアイス類は、早めに消費する必要があります。
引っ越し3日前には、再度冷蔵庫の中身を点検しましょう。生鮮食品や野菜が残っていると、電源を切っている間に腐ってしまいます。当日までに使い切れない食材がある場合は、一時的にクーラーボックスを使って保管するのもおすすめです。ただし、基本的にクーラーボックスは長期保管に向いていません。そのため、傷みやすい食品は、早めに消費するか、当日までに処分しましょう。
引っ越し前日には、冷蔵庫の中身を全て出して空っぽにしてから、コンセントを抜きます。必ず庫内が完全に空になっていることを確かめましょう。コンセントを抜いた後は、しばらく放置してから霜取りと水抜き作業をします。このとき、水が床に落ちる可能性があるため、事前にタオルや新聞紙で養生を行います。霜取りと水抜きが完了したら、搬出する日に冷蔵庫内の掃除をして搬出しましょう。
なお、霜取り機能が備わった冷蔵庫を使っている場合は、霜取り作業が不要です。こうしたケースでは、引っ越し当日に電源を切っても問題ありません。
冷蔵庫の電源を切る際に確認すべき注意点
冷蔵庫の電源を切る際は、注意点を押さえたうえで作業することが大切です。トラブルや冷蔵庫の故障につながらないためにも、以下で紹介する2つの注意点を把握しておきましょう。
電源を切ってから引っ越しまでに15～16時間以上空くか
コンセントを抜くタイミングが遅いと、冷蔵庫内に霜が残る可能性があります。そのため、引っ越し日までに最低でも15～16時間以上空くかを確認しましょう。また、霜取り後は、庫内の掃除や乾燥が必要です。そのため、ゆとりを持ったスケジュールを立てるようにしましょう。
万が一、霜が残ったままになると、引っ越しの移動時に水漏れが発生し、冷蔵庫の故障につながります。特に、旧式の冷蔵庫は、分厚い霜が付着する可能性が高く、霜取りに十分な時間が必要です。使用中の冷蔵庫の年式や状態を確認したうえで、霜取りや水抜きの時間を考慮し、引っ越しまでのスケジュールを検討しましょう。
冷蔵庫の中身が汚れていないか
電源を切った後の冷蔵庫内は、温度が高くなり雑菌が活動しやすい状態です。そのため、庫内に汚れや水が付着した状態で電源を切ると、雑菌が繁殖して臭いが発生する可能性があります。
引っ越し先でも安全に冷蔵庫を使うには、移動する前に冷蔵庫内を掃除することが大切です。掃除を行う際は、霜取りや水抜きを確実に行った後で電源を切り、乾いた布で丁寧に拭きとりましょう。頑固な汚れが付着している場合は、中性洗剤や重曹を使うときれいになります。
また、自動製氷機が備わっている冷蔵庫は、給水タンクのフィルターも忘れずに確認しましょう。フィルターが湿った状態だと、雑菌が繁殖しやすくなります。
引っ越し後に冷蔵庫の電源を入れるタイミングは？
基本的に最近の冷蔵庫は、設置直後に電源を入れても問題ありません。
ただし、年式が古いモデルは運搬時の揺れや傾きによって冷蔵庫内に備わっている冷却液の状態が不安定になる可能性があります。そのため、冷蔵庫を設置後、30分～1時間程度経ってから稼働させたほうが安心です。
また、運搬時は、冷蔵庫の年式を問わずできるだけ縦にしたまま運ぶように留意しましょう。斜めや横にすると、冷却液が安定しません。この状態のまま引っ越し後に電源を入れると、故障を引き起こす可能性があります。
冷蔵庫を稼働させた後は、冷蔵庫が完全に冷えるまで6時間程度待ちましょう。寒い時期は比較的早く冷えますが、暑い時期は24時間待ったほうがよいケースもあります。特に、冷凍が必要な食品や生鮮食品などを冷えていない冷蔵庫に入れるとすぐに傷む可能性があります。
以下の記事では、冷蔵庫の運び方について詳しく解説しています。気になる人はぜひ参考にしてください。
「冷蔵庫 運び方」（作成中）
冷蔵庫の電源に関するよくあるトラブルの対処法
引っ越しや模様替えなどで冷蔵庫を移動する際に、トラブルが発生するケースもあります。万が一の事態に備えて、トラブルの対処法を把握しておくことで、慌てずに対処できるようになるでしょう。
ここからは、冷蔵庫の電源に関する困ったときの対処法を4つ解説します。
引っ越し時に冷蔵庫の電源を切り忘れたときの対処法
引っ越しを行う際は、水漏れ防止のために最低でも運搬の15～16時間前を目処に電源を切らなければなりません。電源の切り忘れが発覚したら、できるだけ早くコンセントを抜きましょう。
引っ越し直前に気付いてしまった場合は、引っ越し業者に電源を切り忘れた旨を伝えることが大切です。黙っていると、運搬中に冷蔵庫の霜や氷が溶けて、トラック内が水浸しになります。運搬までに時間があれば、ドライヤーを使って冷蔵庫の霜を溶かすようにしましょう。
冷蔵庫の電源を切る際に食材が余っているときの対処法
冷蔵庫の電源を切る当日までに、冷蔵庫内の食事を使い切れないケースもあります。食材を取っておいても、再度冷蔵庫を動かすまでには数時間かかります。特に、暑い時期は冷蔵庫が冷えるまでに24時間かかる可能性があるため、残った食材は処分したほうが無難です。
どうしても処分したくない食材がある場合は、クーラーボックスや保冷剤、発泡スチロールなどを活用して保管することをおすすめします。
電源を切った冷蔵庫が臭いときの対処法
引っ越し前は、冷蔵庫のコンセントを抜いてからしばらく放置する必要があります。このとき、冷蔵庫内の臭いが気になる人も多いでしょう。
臭いの原因は、食材そのものの臭いや腐敗臭、汚れなどです。こうした臭いを防ぐには、冷蔵庫内に入っているものを全て取り出したのちに、掃除を行う必要があります。冷蔵庫の電源を切るタイミングだけでなく、普段から定期的に掃除をしておくと、臭いに悩まされずに済むでしょう。
冷蔵庫の掃除をする際は、はじめに庫内に落ちているゴミを取ってから、キッチンペーパーや乾いた布で拭きます。このとき、汚れた布を使用すると余計に臭いが残るため注意しましょう。汚れがひどい場合は、重曹をお湯で溶かした重曹水が役立ちます。
冷蔵庫の電源が入らないときの対処法
冷蔵庫の電源を入れようとしても、稼働しないケースもあります。こうした場合は、ブレーカーが抜けたり、電源ケーブルが抜けたりしていないか確認しましょう。
ブレーカーやコンセントに異常がない場合は、本体が故障している可能性があります。また、電源は入るものの、冷蔵庫内が冷えない場合にも故障しているかもしれません。
電源プラグを抜き差ししても改善しないときは、各メーカーの相談窓口に相談して点検を依頼する必要があります。購入したばかりの冷蔵庫であれば修理で直ることもありますが、古い冷蔵庫の場合は買い替えを検討したほうが賢明です。
まとめ
引っ越しで冷蔵庫を運ぶ際は、運搬から最低でも15～16時間前には電源を切ることが大切です。引っ越し当日に向けて、1～2週間前から庫内の食材を調整しながら消費しましょう。
新しい冷蔵庫であれば、引っ越し後にすぐ電源を入れても問題ありません。しかし、古い年式のものは、30分～1時間程度置いてから稼働させましょう。食材は、冷蔵庫内の温度が高いうちに入れると、食材が傷む可能性があります。そのため、冷蔵庫内が完全に冷えたことを確認して入れるようにしましょう。
電源を入れても冷蔵庫が稼働しない場合は、故障の疑いがあるため、買い替えを検討するのもおすすめです。
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