自転車を使った運動は、効率的にカロリーを消費できます。通勤や買い物など日常生活に取り入れやすく、継続しやすいためチャレンジしたいという方も多いでしょう。
本記事では、自転車の消費カロリーを走行速度や、自転車の種類別に解説します。併せて、カロリーを効率的に消費するためのポイントも紹介するため、これから自転車を始めたいという方はぜひ参考にしてみてください。
自転車による運動はカロリー消費に効果的

筋トレやランニングなどの激しい運動が苦手という方には、自転車がおすすめです。ここでは、自転車を使った運動の特徴や消費カロリーが高い理由を解説します。
自転車による運動の特徴
自転車を使った運動は、脂肪燃焼に効果的な有酸素運動の1つであり、ダイエットや健康維持を目指す方に向いています。
大きな特徴は、一定のリズムでペダルを漕ぐことで、心肺機能が高まる点です。一般的には20分以上継続すると脂肪燃焼の効果が高まるといわれていますが、効果の出方は漕ぎ方や体質によって異なります。場合によっては、短時間でも大きな成果を得られるでしょう。
また、徒歩と比べてカロリー消費量が多く、同じ運動時間でも効率よくエネルギーを使えるのも魅力です。さらに、足首や膝への負担が抑えられるため、関節への衝撃が気になる方もチャレンジしやすい手段といえるでしょう。
自転車による運動は消費カロリーが多い理由
自転車のペダルを漕ぐ動作は、下半身だけでなく、体幹や上半身の筋肉も使う点が特徴です。多くの筋肉を同時に使うため、全身のエネルギー消費が促進され、有酸素運動のなかでも消費カロリーが高いといわれています。
さらに、傾斜のある上り道や向かい風では、ペダルにかかる負荷が増え、平坦な道を走るよりも多くのカロリーが必要です。特に、筋力と持久力の両方が求められる坂道は、運動強度がより高くなります。
このように、自転車は負荷のかかり方によって消費エネルギーが変化する運動であり、工夫次第で効率的なカロリー消費が可能です。目的に応じてルートや漕ぎ方を調整すると、より高い効果が期待できます。
自転車の消費カロリーの計算方法

自転車による運動効果を高めるには、自分がどれだけカロリーを消費しているかを把握することが大切です。ここでは、消費カロリーの計算方法や、算出・記録に便利なアプリやウェブサイトを紹介します。
自転車の消費カロリー計算式
自転車の消費カロリーは、速度や運動時間、体重によって異なります。一般的な計算方式は以下の通りです。
| 消費カロリー(kcal)=メッツ×体重(kg)×運動時間(h)×1.05 |
「メッツ(METs)」とは、身体活動の強度を示す単位で、安静時を1とした場合のエネルギー消費の倍率を表します。日常生活では3~3.5程度であり、ウォーキングやジョギングなど運動強度が上がれば、メッツの数値も増えます。自転車の場合、平均速度が15.1kmで約5.8メッツとされており、適度な有酸素運動としてカロリー消費に効果的です。
なお、本記事では、国立健康・栄養研究所が公表する「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」を参考にしています。
参考:国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」
https://www.nibn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
自転車の消費カロリー計算に特化したアプリやウェブサイトがある
自転車でどれだけカロリーを消費したのかを正確に把握したいときは、専用のアプリやウェブサイトの活用がおすすめです。たとえば、「Runtastic Road Bike」や「Cyclemeter」などの無料アプリでは、走行距離や速度、標高、消費カロリーなどをリアルタイムで記録できます。
また、「高精度計算サイト」などのオンラインツールでは、運動時間や体重、走行速度を入力するだけで、1kmあたりのおおよそのカロリー消費量を手軽に算出可能です
計算結果が異常に少ないと感じた場合は、運動強度や頻度が不足している可能性もあります。自転車は有酸素運動として効果的ですが、一定の距離や時間を意識して取り組むことが大切です。
日々の運動管理にこれらのツールを取り入れて、無理なく効率的にカロリーを消費する自転車習慣を実現しましょう。
【速度別】自転車のカロリー消費量

自転車による運動は、走行速度によって消費カロリーが大きく変化します。エネルギーの消費量を把握すると、ダイエットや健康維持など、目的に合わせて運動しやすくなるでしょう。
ここでは「消費カロリー(kcal)=メッツ×体重(kg)×運動時間(h)×1.05」の計算式を基準にして、体重50kgの人が30分間自転車を漕いだ場合の消費カロリーを時速別に算出します。
たとえば、走行速度が25.7~30.6km/hで10分間漕いだ場合は、12.0×50×1/6時間×1.05=約105kcalです。一般的な自転車の平均時速は15~20kmとされているため、自分の運動量に照らし合わせて参考にするとよいでしょう。
なお、これらはあくまで目安であり、体質や漕ぎ方によっても実際の数値は前後します。
| 走行速度 | メッツ | 消費カロリー |
| 遅め(8.5km/h) | 3.5METs | 約92kcal |
| 普通(15.1km/h) | 5.8METs | 約152kcal |
| 早め(19.3~22.4km/h) | 8.0METs | 約210kcal |
遅めのスピードの場合
自転車をゆっくりとしたスピード(時速約8.9km)で漕いだ場合、メッツ値は3.5とされています。軽い移動や散歩代わりのサイクリングに相当し、身体への負担が少ない一方で、消費カロリーは控えめです。
体重50kgの人が30分間このスピードで走行した場合の消費カロリーは、以下の計算式で算出できます。
| 3.5(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約92kcal |
負荷は少ないものの、継続することで脂肪燃焼や運動習慣の形成に役立ちます。
普通のスピードの場合
自転車を一般的な速度(時速約15.1km)で漕いだ場合、メッツ値は5.8とされており、通勤や買い物などでよく見られるペースです。
体重50kgの人が30分間このスピードで走行した場合の消費カロリーは、以下の計算式で算出できます。
| 5.8(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約152kcal |
適度な運動強度があるため、カロリーをしっかり消費しながらも無理なく続けられる点が魅力です。
早めのスピードの場合
自転車でやや速め(時速19.3~22.4km)に走行した場合、メッツ値は8.0とされており、運動強度も高めです。体重50kgの人が30分間このスピードで走行した場合の消費カロリーは、以下の計算式で算出できます。
| 8.0(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約210kcal |
距離に換算すると、10km~11km程度を走るペースであり、しっかりとカロリーを消費したい方におすすめです。自転車で20km~30km走ると、走行時間が長くなる分、より多くのカロリー消費が見込めます。短時間でも効果的にカロリーを燃焼したい場合は、この速度帯が1つの目安となるでしょう。
【種類別】自転車のカロリー消費量

自転車による消費カロリーは、走行速度だけでなく使用する自転車の種類によっても異なります。ここでは、マウンテンバイクとロードバイクを使用した場合の消費カロリーについて解説します。
なお、速度別の消費カロリーと同様にあくまで目安であり、体質や漕ぎ方によっても実際の数値は前後するため、参考として確認してみてください。
| 自転車の種類 | メッツ | 消費カロリー |
| マウンテンバイク(走行速度22.5~25.6km/h) | 10.0METs | 約263kcal |
| ロードバイク(走行速度25.7~30.6km/h) | 12.0METs | 約315kcal |
マウンテンバイクの場合
マウンテンバイクを使って時速22.5~25.6kmで走行した際のメッツ値は10.0程度で、比較的ハードな運動です。体重50kgの人が30分間このスピードで漕いだ場合の消費カロリーは、以下の計算式で算出できます。
| 10.0(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約263kcal |
マウンテンバイクは舗装されていない道や傾斜のある地形の走行も可能であり、こうしたシーンではペダルを漕ぐ際の負荷が大きくなります。そのため、短時間でもしっかりとカロリーを消費できる点が特徴です。運動量を高めたい方や、効率よくエネルギーを使いたい方に適しています。
ロードバイクの場合
ロードバイクで時速25.7~30.6kmの速度で走行した場合、メッツ値は12.0とされており、運動強度はかなり高めです。体重50kgの人が30分間このスピードで漕いだ場合の消費カロリーは、以下の計算式で算出できます。
| 12.0(METs)×50(kg)×0.5(h)×1.05=約315kcal |
ロードバイクは舗装路での高速走行に適しており、空気抵抗を抑えた姿勢やスムーズなペダリングにより、長距離をスピーディーに移動できます。その分、エネルギー消費も大きく、脂肪燃焼や持久力向上を目的とした運動におすすめです。
自転車でカロリー消費したい人におすすめの運動方法とポイント

自転車で効率よくカロリーを消費するには、日常の取り入れ方や運動の工夫が必要です。以下では、実践しやすい3つのポイントについて紹介します。
自転車通勤をする
自転車通勤は、日常生活のなかで自然に運動を習慣化できる方法の1つです。毎日の通勤ルートを自転車に置き換えると、特別な運動時間を確保しなくても、継続的にカロリーを消費できます。
効果を高めるには、1回あたり20~30分以上の走行時間を目安にするとよいでしょう。この程度の運動時間があれば、有酸素運動としての脂肪燃焼効果も高まりやすくなります。
また、出勤前の運動は代謝を活性化させ、1日の消費エネルギーを底上げするという面でも効果的です。雨天時や荷物が多い日などは無理をせず、続けやすいペースで取り入れましょう。
普段の買い物にも自転車を使う
普段の買い物に自転車を使えば、運動を生活の一部に取り入れやすくなります。移動が運動になるため、あえて時間を確保しなくても十分な運動効果を得られるでしょう。また、荷物を運ぶことで自然と負荷がかかり、より効果的なカロリー消費が期待できます。
徒歩や車での移動がメインの方も、週に数回の買い物を自転車に置き換えるようにしましょう。小さな積み重ねにより、無理なくエネルギー消費量を増やせます。
平行して筋トレも行う
カロリー消費量をさらに高めたい場合は、自転車による有酸素運動に加えて、筋トレに代表される無酸素運動を取り入れる方法もおすすめです。筋トレによって筋肉量が増えると、基礎代謝が上がるため、日常的なエネルギー消費量はもちろん、自転車運動による脂肪燃焼効率も上昇します。
運動をする際は、先に筋トレをしてから自転車に乗ったほうが効果的です。筋トレでエネルギーをある程度使ったあとに有酸素運動を行うことで、脂肪がより消費されやすい状態になります。
週に数回でも自転車と筋トレを併用した運動を取り入れるだけでも、運動全体の効果が高まるでしょう。
自転車ダイエットについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
自転車による運動は、有酸素運動のなかでも高いカロリー消費量が期待できます。走行速度や使用する自転車の種類によって負荷が変わるため、目的に合った方法を取り入れましょう。
これから自転車を始める場合は、マウンテンバイクやロードバイクを選んでみるのもおすすめです。リユースショップ・リサイクルショップを活用すると、よりリーズナブルな価格で購入できます。これまで使っていた自転車を売って、購入資金に充てるのもよいでしょう。
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