窓用エアコンとは、窓に直接設置できるタイプのエアコンのことです。室内機と室外機が一体化しているため、持ち運びが簡単で工事の費用がかからないなどのメリットがあります。
一方で、一般的な壁掛けエアコンに比べて、電気代が高いなどのデメリットがあるのも事実です。
しかし「そもそも窓用エアコンの電気代はいくらかかるの?」と、疑問に思っている方も多いでしょう。
本記事では、窓用エアコンの電気代や、安く抑えるコツを解説します。
窓用エアコンとは

窓用エアコンとは、室内機と室外機が一体になっており、窓に直接設置できるタイプのエアコンです。
「ウィンドウエアコン」や「ウィンドウクーラー」とも呼ばれ、工事不要で設置できるのが特徴です。壁に穴を開ける必要がないため、賃貸物件でも気軽に導入できます。
一方、一般的な壁掛けエアコンは室内機と室外機が分かれていて、設置には配管工事が必要です。
窓用エアコンは冷房専用と冷暖房兼用のタイプがあり、冷房では最大7~8畳・暖房では最大5~6畳の部屋に対応します。
室外機を置けない部屋や、設置工事が難しい環境におすすめです。
窓用エアコンの電気代は高い?安い?

冷房時の窓用エアコンと壁掛けエアコンの電気代を、以下にまとめました。
| 窓用エアコン | 壁掛けエアコン | |
|---|---|---|
| 消費電力 | 640W | 425W |
| 1時間あたりの電気代 | 19.84円 | 13.175円 |
| 1日8時間使用した場合 | 158.72円 | 105.4円 |
| 1か月(30日)使用した場合 | 4,761.6円 | 3,162円 |
窓用エアコンの電気代は、使用条件や機種によって異なりますが、基本的には壁掛けエアコンよりも高くなる傾向があります。
例えば、窓用エアコンでは冷房時の消費電力が640W。電気料金単価を31円/kWhとした場合、1時間の電気代は19.84円・1日8時間使えば158.72円・1か月(30日)で4,761円かかる計算になります。
一方、壁掛けエアコンは、消費電力を自動調整して抑えることが可能なため、同じ条件での1か月の電気代は3,162円と、1,500円ほど安く済むことがわかります。インバーター制御により、室温が設定に近づくと出力を下げて運転するため、無駄な電力消費を防げるのが特徴です。
窓用エアコンは一定出力で運転し続けるため、電気代が高くなりやすい点に注意が必要です。
手軽に取り付けられるメリットはありますが、長時間・長期間使用する場合は電気代が積み重なりやすいため、効率よく使用する工夫が求められます。
窓用エアコンのメリット5つ

次に、窓用エアコンを設置するメリットを5つ紹介します。
窓用エアコンを購入する際の参考にしてください。
好きな場所に設置できる
窓用エアコンは、室外機と室内機が一体化しているため、窓に取り付けるだけで使えるのが特徴です。壁に穴を開ける必要がないため設置場所の自由度が高く、賃貸住宅でも家主の許可なく使用できる場合もあります。
ベランダがない部屋や、室外機を置くスペースがない場所でも対応可能で「窓さえあればOK」という気軽さがメリットです。
持ち運びしやすい
窓用エアコンは、室外機と室内機が一体型でコンパクトなため、持ち運びがしやすい点も魅力です。
壁に穴を開ける必要がないので、設置・取り外しも比較的簡単。引越しが多い方や、夏だけ使いたい場合にも最適です。
冷房専用タイプであれば、オフシーズンに取り外して収納しておけるため、スペースの有効活用にもつながります。
自分で取り付けできる
窓用エアコンは、壁掛けエアコンのように配管やドレン排水のために壁に穴を開ける必要がないため、専門業者による工事が不要。そのため、自分一人で取り付けられ、取り付け費用がかからないのもメリットです。
コストを抑えたい方や、賃貸物件で工事ができない方にとっては、手軽に導入できる実用的な選択肢といえるでしょう。
室外機を置くスペースが不要
窓用エアコンは、室内機と室外機が一体型になっており、窓に直接取り付ける構造のため別途室外機を設置するスペースが不要です。ベランダがない部屋や、限られたスペースを有効活用したい方にとっては嬉しいポイントです。
壁掛けエアコンのように室外機の設置場所を確保する必要がないため、設置のハードルが下がります。
壁掛けエアコンより本体価格が安い
窓用エアコンは、壁掛けエアコンと比べて本体価格が安く、初期費用を抑えたい方におすすめです。
さらに、取り付け工事が不要なため工事費もかからず、設置にかかる総費用を節約できます。
エアコンを導入したいけれど、予算をなるべく抑えたいという人にとって、窓用エアコンは手軽で経済的な選択肢といえるでしょう。
窓用エアコンのデメリット4つ

次に、窓用エアコンのデメリットを紹介します。
メリット・デメリット両方を考慮して、窓用エアコンの設置を検討してください。
壁掛けエアコンより電気代が高い
窓用エアコンはインバーター制御が搭載されていない機種が多く、設定温度に応じて自動的に出力を調整する機能がありません。そのため、常に一定の出力で運転を続ける傾向があり、壁掛けエアコンと比べて電気代が高くなりやすいデメリットがあります。
電気代を少しでも節約したい場合は、使用時間を短くしたりこまめにスイッチを切ったりするなど、手動で調整する工夫が必要です。
広い部屋での使用に適していない
窓用エアコンは、対応畳数がおおむね4~8畳のモデルが中心となっており、広い部屋での使用にはあまり適していません。
冷暖房の出力が限られているため、広い部屋では効きが悪く、快適な温度になるまでに時間がかかることがあります。そのため、部屋の広さに合ったエアコン選びが大切です。
広い空間を効率よく冷暖房したい場合は、壁掛けエアコンなど出力の高い製品を検討しましょう。
窓の施錠ができなくなる
窓用エアコンは窓に直接取り付ける構造のため、設置後は窓を完全に閉められず、通常の施錠ができなくなる点がデメリット。そのままでは防犯面に不安が残るため、補助錠や窓を固定する専用のロックを取り付けるなど、別途対策が必要です。
また、窓と本体の間にできる隙間から外気や雨、虫が侵入する可能性もあるため、付属のパッキンや市販の粘着テープでしっかりと塞ぎましょう。
安全性と快適さを確保するためにも、設置後のひと工夫が求められます。
運転中の音が大きい
窓用エアコンは室内機と室外機が一体型の構造のため、運転時の音が直接室内に伝わりやすく、壁掛けエアコンと比べて音が大きく感じられる傾向があります。
壁掛けエアコンであれば室外機が屋外に設置されているため、窓を閉めることで騒音をある程度遮断できます。
しかし、窓用エアコンでは音の遮断が難しいため、敏感な方にとってはストレスとなることもあるでしょう。
窓用エアコンの電気代を節約する方法5選

壁掛け用エアコンと比べて電気代が高い窓用エアコンですが、一手間の工夫で安く抑えることも可能です。
ここでは、窓用エアコンの電気代を節約する方法を5つ紹介します。
サーキュレーター・扇風機を併用する
窓用エアコンの電気代を節約するには、サーキュレーターや扇風機を併用するのが効果的です。冷気は床付近、暖気は天井付近に溜まりやすいため、そのままでは部屋全体が快適な温度になるまでに時間がかかります。
サーキュレーターを使って空気を循環させることで温度ムラを解消し、冷暖房効率を高められます。結果、設定温度を極端に下げたり上げたりする必要がなくなり、消費電力を抑えることが可能です。
手軽にできる節電対策として、ぜひ取り入れてみましょう。
カーテンで日差しをカットする
夏場は窓から差し込む日差しが室温上昇の要因となり、窓用エアコンの負荷が増して電気代がかさみがちです。そこで有効なのが、カーテンを閉めて日差しを遮ること。
外の熱気を室内に入れにくくし冷気も逃げにくくなるため、室温が安定しやすくなります。結果、設定温度を無理に下げずとも快適な室内環境を保てるため、エアコンの効率がアップし消費電力の節約につながります。
特に日中は、窓の大部分をしっかり覆うことがポイントです。
エアコンに直接日光が当たらないようにする
窓用エアコンは窓に設置するため、直射日光が当たりやすい位置にあることが多く、本体の温度が上がりやすい傾向があります。本体が熱を持つと熱交換効率が落ち、冷房性能が低下して余計な電力を消費する原因になります。
特に夏場はエアコンにかかる負荷が大きくなるため、すだれやひさしを使って直射日光を遮るのが効果的です。
また、設置場所を見直して日陰になるよう工夫することで冷却効率が向上し、電気代の節約につながります。
フィルター掃除をこまめに行う
窓用エアコンの電気代を節約するためには、定期的なフィルター掃除も重要です。
フィルターにホコリや汚れが溜まると目詰まりを起こし、空気の流れが悪くなってエアコンの運転効率が下がります。結果、必要以上の電力を消費し、電気代がかさむ原因に。
また、放置するとフィルターにカビが繁殖し、アレルギーや肺炎などの健康リスクにもつながります。
2週間に1回を目安に掃除を行い、快適さと節電、健康を同時に守りましょう。
電力会社の料金プランを見直す
窓用エアコンの電気代を抑えるには、本体の使い方だけでなく、電力会社の料金プランを見直すことも効果的です。
2016年の電力自由化以降、ガスや携帯料金とのセット割、深夜電力の割引など多彩なプランが登場しています。現在の契約内容がライフスタイルに合っているかを確認し、よりお得なプランに変更することで、電気代の負担軽減が可能です。
また、契約アンペア数が実際の使用量より多い場合、基本料金を無駄に支払っている可能性もあります。
無理のない範囲でアンペア数を見直すことも、節約のポイントです。
窓用エアコンの電気代に関するよくある質問

最後に、窓用エアコンの電気代に関するよくある質問に答えました。
窓用エアコンの設置を検討している方は、ぜひ参考にご覧ください。
窓用エアコンを24時間つけっぱなしにした場合の電気代は?
冷房・暖房兼用タイプの窓用エアコン(消費電力640W・電気料金単価31円/kWh)を想定すると、1時間あたりの電気代は19.84円です。24時間つけっぱなしにすると、1日で約476円。1か月(30日間)使用した場合、電気代は14,280円にもなります。
窓用エアコンは工事不要で手軽に導入できるメリットがありますが、連続運転では電気代が高くなる傾向があります。そのため、必要なときだけ使う、タイマーを活用するなど節電の工夫も必要です。
窓用エアコンを取り付けられない窓はある?
窓用エアコンは一般的な引き違い窓に対応していますが、すべての窓に取り付けられるわけではありません。例えば、窓枠の幅が極端に狭い場合や高さが足りない場合には、設置が難しくなることがあります。
また、外開きタイプのオーニングウィンドウや、縦に開閉するケースメントウィンドウなどには対応していない機種が多いため注意が必要です。
購入前には、窓のサイズとエアコンの対応寸法を必ず確認しましょう。取り付けに不安がある場合は、事前にメーカーや販売店へ相談するのがおすすめです。
まとめ
窓用エアコンは工事不要で賃貸住宅にも設置しやすく、移動や取り外しも簡単な点が魅力です。
一方で、壁掛けエアコンに比べて電気代が高く、広い部屋では冷暖房効果が十分に得られないこともあります。
とはいえ、サーキュレーターの併用やフィルター掃除などの工夫で電気代を節約できます。
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