近年では、SNSを中心に「丁寧な暮らし」を発信する人が増えています。仕事や家事に追われる現代人にとって、生活空間や行動に手間・時間をかける暮らしは憧れともいえるでしょう。
しかし、実際に丁寧な暮らしにチャレンジしようと思っても、始め方がわからないという人も少なくありません。そこで今回は、丁寧な暮らしの特徴と併せて、始め方やコツ、おすすめのアイテムなどを解説します。日々の生活を見直したいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
丁寧な暮らしとはどのような状態を指す？
SNSや本などで「丁寧な暮らし」という言葉を目にするようになりましたが、詳細についてわからない人も多いでしょう。まずは、丁寧な暮らしの特徴や具体例を解説します。
丁寧な暮らしの特徴
丁寧な暮らしとは、自分にとって大切なものに向き合いながら、日々の生活に手間暇をかけて暮らすライフスタイルを指します。丁寧な暮らしに具体的な定義はありませんが、心豊かな時間を過ごすことが大きな特徴です。
コロナ禍により自宅で過ごす「おうち時間」が増えたことがきっかけとなり、心地よく暮らすアイデアとして女性の間で浸透し始めました。最近では、Instagramで丁寧な暮らしを発信するインフルエンサーも多くみられます。
また、Webデザイナーの塵芥居士が描くコミックエッセイ「丁寧な暮らしをする餓鬼」も人気です。仏教の教えに登場する「餓鬼（がき）」を主人公にしたストーリーで、恐ろしい外見とは裏腹に日々を丁寧に暮らすシュールな様子が描かれています。元ネタはX（旧Twitter）上に登場した投稿で、瞬く間にフォロワーが増え、本を出版する流れになりました。
丁寧な暮らしの具体例
丁寧な暮らしの具体例として、いつもより時間をかけて料理をすることが挙げられます。たとえば、お味噌汁を作る際に、顆粒出汁ではなく昆布や鰹節などから出汁をとる作業は、丁寧な暮らしのあるあるといえるでしょう。また、料理の具材にこだわったり、一手間をプラスして凝ったレシピを試してみたりするのもおすすめです。
また、コーヒーを淹れるときも、豆を挽いて丁寧に抽出し、お気に入りのマグカップで飲むと心豊かな時間を過ごせます。そのほか、部屋に花を飾ったり、デジタルデトックスをして読書を楽しんだりと、丁寧な暮らしにつながるアイデアはさまざまです。
丁寧な暮らしの始め方
これまで時間に追われる生活を過ごしていた人にとって、丁寧な暮らしは多くの人が憧れるライフスタイルです。しかし、従来の暮らしと違いすぎて、どこから始めたらよいかわからない人も少なくありません。ここでは、丁寧な暮らしの始め方について解説します。
何を大切にしたいかを考える
丁寧な暮らしを始めるうえで、まず押さえておきたいポイントは、自分が何を大切にしているかを知ることです。たとえば、「好きなものは何か」「幸せに感じる瞬間はいつか」「どのような生活に憧れるのか」などを紙に書き出してみましょう。
改めて大切にしたいものを考えることで、知らなかった自分を発見できるきっかけにもなります。すぐには思い浮かばない可能性もありますが、じっくりと考える時間も丁寧な暮らしを過ごすうえで大切です。「家で過ごす時間を充実させたい」「シンプルな暮らしを送りたい」など具体的なイメージが浮かべば、実現に向けた動きがみえてきます。
身の回りを整える
丁寧な暮らしを過ごす大前提として、家のなかが整っていることが挙げられます。ものが溢れている部屋では落ち着いた生活を過ごせず、ストレスが溜まる原因になるでしょう。そのため、不要なものは思い切って処分して、身の回りを整えましょう。
不用品を整理する際は、「好き」か「嫌い」で分けるとスムーズです。本当に好きなものだけに囲まれた生活は、丁寧な暮らしにつながるでしょう。しかし、まだ使えそうなものを処分することに躊躇する人もいます。こうしたアイテムは、買取に出すことをおすすめします。
リユース品について、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
日々の家事を楽しむ
不要品を手放し、丁寧な暮らしをする準備が整ったら、日々の家事を楽しんでみましょう。特に、食事は丁寧な暮らしに直結するポイントの1つです。いつもの料理よりも手間暇をかけて、「一汁三菜」を意識した献立を考えてみましょう。また、丁寧に作った料理は、お気に入りの器を使って盛り付けにもこだわると、見た目からも食事を楽しめます。
料理だけでなく、洗濯や掃除を丁寧にすることも重要なポイントです。たとえば、普段は掃除機だけという場合は、雑巾やほうきを使って掃除を行うのもよいでしょう。
自分だけの時間を作る
現代人の生活は、スマートフォンやパソコン、テレビなどのデジタル機器に囲まれています。いずれも便利なアイテムですが、情報の多さに目や心が疲れている人も少なくありません。また、暇さえあればスマートフォンに触れてしまうというケースも多いでしょう。
自分を大切にした丁寧な暮らしをするには、デジタルデトックスをする時間も大切です。スマートフォンやテレビの使用を控えて、読書やガーデニングなどのアナログな時間を楽しみましょう。1人で静かな時間を過ごすことで、脳がすっきりとして仕事がはかどったり、睡眠の質が向上したりといったメリットを得られます。
丁寧な暮らしを続けるコツ
丁寧な暮らしを始めたけれど、結局続かなかったという人もいるでしょう。長続きさせるにはコツを押さえることが大切です。
以下では、丁寧な暮らしを続けるコツについて紹介します。
無理をせず少しずつ取り組む
丁寧な暮らしは、無理をすると疲れてモチベーションが下がりやすくなるため、できることから少しずつ取り組みましょう。
たとえば、「キッチンだけはきれいに保つ」「毎日出汁をとって味噌汁を作る」など、ポイントを絞って行動すると、徐々に丁寧な暮らしが心や身体に馴染みます。「歯磨きのついでに洗面所の掃除をする」「寝る前にアロマを焚く」など日常のルーティンと合わせて行動する方法もおすすめです。
また、完璧を求めると挫折する原因になります。疲れたら休息をとりながら、できる範囲で徐々に実践してみましょう。
Instagramやブログに投稿する
丁寧な暮らしを実践している様子を、Instagramやブログに投稿するとモチベーションを保ちやすくなります。たとえば、料理の写真や部屋に飾った花の写真などは、頻繁に投稿しやすいでしょう。
また、ほかの人の投稿からヒントを得られる可能性もあります。自分の好みに似た生活をしている人の投稿をみると、モチベーションアップにつながるでしょう。
ただし、投稿自体が義務になると、ストレスが溜まってしまうので注意が必要です。自分にルールを課すのではなく、無理のない範囲でSNSやブログを活用するようにしましょう。
自分を褒める
こだわりの料理がうまくできたときや、ガーデニングがきれいに仕上がったときなどは自分を褒めてみましょう。些細なことでも自分を褒めると、ポジティブな気持ちになりモチベーションが高まります。
また、自分へのご褒美として、いつもよりランチを奮発したり、自分を癒すリラクゼーションを利用したりするのもよいでしょう。丁寧な暮らしを続けるには、自分の心と身体を一番に考えて、ストレスフリーな状態を保つことが大切です。
人に押し付けない
丁寧な暮らしは注目されるライフスタイルですが、すべての人が理想と考えているとは限りません。また、自分にとっての丁寧な暮らしが、他人の価値観と一致しないケースもあります。いくら楽しいからといって、人に押し付けてしまうと「うざい」と感じられることもあるでしょう。
そもそも丁寧な暮らしは、自分自身のためのライフスタイルです。人に価値観を押し付けて無理やり広めるものではありません。「うざい」といわれれば、モチベーション低下にもつながるでしょう。丁寧な暮らしを続けるためにも、他人に押し付けるのではなく、自分の心地よさを重視することが大切です。
丁寧な暮らしをしている人
丁寧な暮らし方がわからない場合は、丁寧な暮らしをしている人のSNSやブログなど参考にする方法がおすすめです。たとえば、Instagramでは、akiさんや中川珠里さんなどのインフルエンサーが丁寧な暮らしを投稿しています。
akiさんは、3人の子供と犬と暮らす主婦です。一般的には、子供やペットがいると部屋が雑然としてしまいそうですが、akiさんはきれいに片付いた部屋で豊かに暮らしています。
中川珠里さんも2児の母であり、ベビー服のインポートショップを運営する経営者です。忙しい日々のなかでも、丁寧な暮らしをする姿は多くの人が参考にしています。
丁寧な暮らしのおすすめアイテム
丁寧な暮らしを楽しむには、キッチンやリビング、インテリアに活用するアイテムにこだわることも大切です。以下では、丁寧な暮らしに近づけるおすすめのアイテムを紹介します。
キッチンアイテム
ひと昔前までの日本では、現代人が憧れる丁寧な暮らしが日常にありました。たとえば、漂白されていない「未晒し木綿」の付近は、洗い物を拭くだけでなく、出汁をとるときやお櫃の蓋としても役立つアイテムです。
また、一枚板を使ったまな板も、丁寧な暮らしにつながるアイテムです。特に、ヒノキのまな板は、腐敗やカビの繁殖を抑えられるため、長く愛用できます。そのほか、キッチンの雰囲気を素敵に演出してくれる銅や鉄製の薬缶（やかん）もおすすめです。
リビング・インテリア
丁寧な暮らしには、すっきりとした無駄のないインテリアが適しています。ロータイプの家具やローソファーなど、低めのアイテムを取り入れると空間に余白が生まれて、シンプルな印象に仕上がるでしょう。
また、ソファーダイニングセット（2WAY家具）は、プライベートと仕事の両方に使える便利なアイテムです。複数の家具を用意する必要がなく、さまざまなデザインがあるので、自分の好みに合うものを選べます。
そのほか、長く使っても楽しめるデザイン家具や持ち運びに便利なバスケットなど、生活スタイルに合わせてお気に入りのアイテムを探しましょう。
まとめ
丁寧な暮らしは、本当に大切なものを見直すきっかけになります。手間暇をかけた料理やこだわりの食器などを楽しみながら、少しずつチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、丁寧な暮らしに向けて部屋をシンプルにしたい場合は、不要品を整理する必要があります。不要になったものは思い切って処分しましょう。状態のよいものを手放す場合は、買取に出す方法もおすすめです。
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